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しおりを挟むローレンスは貴族、オリオール侯爵になる決意をした。
それにより、メロディーナは辺境伯の養女となった。
ローレンスの妻だったジョスリンとは婚姻無効となったため、ローレンスはメロディーナが初婚、子供たちは親子判定をした上でローレンスの嫡子として籍に入れられるだろうとのことだった。
「マルムが王都に戻る。馬車を出すから一緒に向かえばいい。」
たまたま辺境伯領にいたのかと思えば、ローレンスをここに呼ぶつもりだったらしい。
偶然のタイミングで、こちらからも手紙を出していたようだ。
辺境伯の弟は王都に住んでいる。
今回はわざわざオリオール乗っ取り事件の詳細とその後のことを話に来たという。
そして、ローレンスが今後どうするにしろ、一度は王都に向かわねばならないと連れ戻る予定で。
ジェイドにも、マルムが連れて戻ると話はつけてあるという。
「何から何までお世話になります。感謝いたします。」
ローレンスは非常に狭い世界で生きてきた。
オリオールのことで、ローレンスのために、いろんな人が動いていた。
貴族としての自分は孤独だと思っていたが、そうではなかったのだと知った。
もっと早くわかっていれば、とは今だから言えることだ。
自分ひとりで気負わず、有難く手を借りる。そう学ぶことができた。
今度は王都で会おう。そう辺境伯と約束し、感謝して別れた。
住んでいた街に戻り、荷物を纏める。
もう戻って来ることはないため、仕事は退職、部屋にあるものは欲しい人にあげてくれるように大家さんに頼んだ。
「いろいろとお世話になりました。」
「ああ。自分の居場所に戻るんだってな。大変だろうが、頑張れよ。」
「はい。ありがとうございました。」
街の人たちにも引っ越すからと別れを告げた。
別れを惜しんでくれる人たちが多く、ちゃんとここに居場所を作れたことが嬉しかった。
王都へ。
子連れの旅は倍ほどの時間がかかるのではないかと思ったが、さすがは辺境の馬車。
通常の馬車よりも長旅仕様なのか、思ったよりも苦痛ではなかった。
少しでも快適に過ごせるように中も外も工夫されているそうだ。
「王都のオリオールの屋敷は、今は最小限の使用人しかいない。事務仕事として雇われていた者はともかく、ほとんどの使用人は君の父親たちに従った者と見做されて解雇されている。領地の屋敷から、長年オリオールで働いている信用できる者を呼んでいるとのことだ。」
辺境伯の弟マルムが途中の宿でそう言ってきた。
まあ、そうなるだろうな。
長年父が実権を握っていたせいで、誰がオリオールなのかわかっていなかった使用人もいただろう。
だが、誰一人、ローレンスへの扱いを疑問に思う者もいなかったし、何なら気持ち悪がられていた。
「メロディーナはもちろんですが、子供たちそれぞれにも信用できる侍女をつけなければなりませんね。
やることがたくさんあります。」
使用人の解雇から始めなくて済むのは助かったが。
「俺の妻が協力してくれるはずだ。友人が多いからな。その辺はメロディーナに任せればいい。」
確かにそうかもしれない。自分や子供たちの侍女は気の合う者をそばに置きたいだろうから。
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