12 / 15
12.
しおりを挟むおバカなリリスとロメオ様の計画はあり得ないことだとさすがに理解しただろうと思ったので、リリスに言った。
「リリス、もういいかしら?私たちはこれで……」
「わかったわ!なら、離婚しなくてもいい。
だけど、ロメオ様と私の子供を跡継ぎにしてくれるわよね?
あなたとロメオ様に子供ができるわけないの。白い結婚なんだから。」
言葉を遮ったかと思えば、ちゃんと理解できていなかったらしい。
「……リリス、さっきも言ったけどロメオ様の子供は跡継ぎにはできないわ。」
「どうして?クレージュと結婚したままなんだから、ロメオ様の庶子ということでしょ?
庶子を跡継ぎにすることはよくあるじゃないの。」
「ロメオ様もリリスもオリーブ伯爵家の血筋ではないわ。
言ったでしょ?跡継ぎは血筋で選ぶの。この国の法律ではそうなの。わかった?」
リリスは私と同じ16歳よね?なんだか小さな子供と話してる気分になってきたわ。
そこでクレージュの隣にいたワンダーが口を挟んだ。
「君、先ほどからすごく失礼なことばかり言ってるとわかっているか?
私がクレージュの婚約者であると認識していたのに声をかけてきたね。
それは、自分の恋人と改めて婚約させるつもりだったのに、婚約者がいて当てが外れたからか?
挙句、愛人になる自分の子供を跡継ぎにと言い出す非常識さ。驚くよ。
全て言いがかりだ。もう私たちに声をかけないでもらえるかな?」
これ以上、注目を浴びることも避けたいのでワンダー様と一緒に去ろうとした時、新たな声がした。
「リリス、こんなところにいた。踊ろうって言ってたのに何かあった?」
ロメオ様だった。婚約者はいないけど、リリスと踊るために来たみたい。
「ロメオ様~。
私たちの計画をもう一度実行するためにクレージュにロメオ様と婚約してもらおうと思ってたのに。
ロメオ様は伯爵になれないって言うんです。私たちの子供も継げないって。
ひどいと思いません?」
「え?リリス、その計画はダメになったって言っただろう?
もうクレージュ嬢の婚約者にはなれないと父からも怒られた。
また勘違いで言いがかりをつけたら、今度は家から追い出されてしまう。
また別の方法を考えよう。」
どうやらリリス一人の独断で言いがかりをつけてきたらしい。
ロメオ様は家を追い出されてしまわないように、私に近づくつもりはなかったみたい。
だけど、ちゃんとリリスに理解させておいて?
別の方法を考えるって、平民になって2人で暮らすことがみんなにとって平和だと思うわよ。
ロメオ様が、私の方を向いて頭を下げてからリリスを連れて行った。
どうやら揉め事は終わったらしいと周りの人たちも動き出す。
私もワンダー様と飲み物を取りにその場を去った。
会場の片隅で、クレージュの父がリリスの両親と思われる人たちを捕まえて何か言っているのが見える。
相手は頭をペコペコと下げて父に詫びているように思われる。
この国の爵位の常識を改めてリリスに教えておくように言ってほしい。
最後に、『ひどいと思いません?』なんて、まだ理解していないような言葉が出てきたから。
それにしても、リリスは終わったわね。ロメオ様もかな。
学園でだけならまだしも、こんな大勢の人の前で無知を晒して、人の家を乗っ取るようなことを考えていたと暴露するんだから無傷ではいられないわ。
でもまぁ、未遂だし?思いっきり勘違いだし?
ただのおバカだから、逆恨みも怖いし正式に訴えるほどでもないかな。
良くて、2人で平民。
悪ければ、2人は別れさせられて修道院と肉体労働を親から言い渡されるってとこね。
リリスは恋愛が絡まなければ問題なく過ごせると思う。
ロメオ様は自分の身なりを気遣えない生活をしてみればいいのよ。
自分の隣に似合うなんて言ってられなくなるだろうからね。
225
あなたにおすすめの小説
一年だけの夫婦でも私は幸せでした。
クロユキ
恋愛
騎士のブライドと結婚をしたフローズンは夫がまだ婚約者だった姉を今でも想っている事を知っていた。
フローズンとブライドは政略結婚で結婚式当日にブライドの婚約者だった姉が姿を消してしまった。
フローズンは姉が戻るまでの一年の夫婦の生活が始まった。
更新が不定期です。誤字脱字がありますが宜しくお願いします。
お飾りな妻は何を思う
湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。
彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。
次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。
そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。
私はあなたの前から消えますので、お似合いのお二人で幸せにどうぞ。
ゆのま𖠚˖°
恋愛
私には10歳の頃から婚約者がいる。お互いの両親が仲が良く、婚約させられた。
いつも一緒に遊んでいたからこそわかる。私はカルロには相応しくない相手だ。いつも勉強ばかりしている彼は色んなことを知っていて、知ろうとする努力が凄まじい。そんな彼とよく一緒に図書館で楽しそうに会話をしている女の人がいる。その人といる時の笑顔は私に向けられたことはない。
そんな時、カルロと仲良くしている女の人の婚約者とばったり会ってしまった…
【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
冷徹公に嫁いだ可哀想なお姫様
さくたろう
恋愛
役立たずだと家族から虐げられている半身不随の姫アンジェリカ。味方になってくれるのは従兄弟のノースだけだった。
ある日、姉のジュリエッタの代わりに大陸の覇者、冷徹公の異名を持つ王マイロ・カースに嫁ぐことになる。
恐ろしくて震えるアンジェリカだが、マイロは想像よりもはるかに優しい人だった。アンジェリカはマイロに心を開いていき、マイロもまた、心が美しいアンジェリカに癒されていく。
※小説家になろう様にも掲載しています
いつか設定を少し変えて、長編にしたいなぁと思っているお話ですが、ひとまず短編のまま投稿しました。
愛するあなたへ最期のお願い
つぶあん
恋愛
アリシア・ベルモンド伯爵令嬢は必死で祈っていた。
婚約者のレオナルドが不治の病に冒され、生死の境を彷徨っているから。
「神様、どうかレオナルドをお救いください」
その願いは叶い、レオナルドは病を克服した。
ところが生還したレオナルドはとんでもないことを言った。
「本当に愛している人と結婚する。その為に神様は生き返らせてくれたんだ」
レオナルドはアリシアとの婚約を破棄。
ずっと片思いしていたというイザベラ・ド・モンフォール侯爵令嬢に求婚してしまう。
「あなたが奇跡の伯爵令息ですね。勿論、喜んで」
レオナルドとイザベラは婚約した。
アリシアは一人取り残され、忘れ去られた。
本当は、アリシアが自分の命と引き換えにレオナルドを救ったというのに。
レオナルドの命を救う為の契約。
それは天使に魂を捧げるというもの。
忽ち病に冒されていきながら、アリシアは再び天使に希う。
「最期に一言だけ、愛するレオナルドに伝えさせてください」
自分を捨てた婚約者への遺言。
それは…………
僕の婚約者は今日も麗しい
蒼あかり
恋愛
公爵家嫡男のクラウスは王命により、隣国の王女と婚約を結ぶことになった。王家の血を引く者として、政略結婚も厭わないと覚悟を決めていたのに、それなのに。まさか相手が子供だとは......。
婚約相手の王女ローザもまた、国の安定のためにその身を使う事を使命としていたが、早い婚約に戸惑っていた。
そんなふたりが色々あって、少しづつ関係を深めていく。そんなお話。
変わり者の作者が、頑張ってハッピーエンドを目指します。
たぶん。きっと。幸せにしたい、です。
※予想外に多くの皆様に読んでいただき、驚いております。
心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
ご覧いただいた皆様に幸せの光が降り注ぎますように。
ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる