【完結済】結婚式の翌日、私はこの結婚が白い結婚であることを知りました。

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「ああ、たしかに潮時だ」
「そうですわよね?!」

 次の日早速私はマキシミリアーノ様のお屋敷にお邪魔して、昨夜の恐ろしい出来事を報告した。
 私の話を聞きながら、マキシミリアーノ様のお顔がどんどん強張っていった。

「あいつめ……最低な男だな……!君が逃げ切れて本当によかった。もうこれ以上はうかうかしていられないな…。ミッチェルが強引な手段に出てきたら大変だ。もう充分証拠も出揃った。アミカ嬢、いよいよ行動に移す時だよ」
「は、はいっ」

 マキシミリアーノ様の真剣なお顔に緊張しながら、私は強く頷いた。

 私はマキシミリアーノ様から伝えられた計画をしっかりと聞き、屋敷に戻ったのだった。





「……さて、そろそろ休もうか、アミカ」
「……っ、」

(き、今日も来てしまった……この時間が……っ)

 夜の居間で私が刺繍をしていると、出先から戻ってきたミッチェルがいそいそとやって来てはソファーにゆったりと座り、今日一日の出来事などを報告してきていた。私はウンウンと頷きながら、ミッチェルに今後の予定を尋ねて速やかに部屋に戻るタイミングを見計らっていた。

 だが私より先にミッチェルの方が立ち上がり、私を寝室に誘い始めたのだ。

(い……嫌だ嫌だ。絶対に嫌だ。切り抜けなきゃ……!切り抜けなきゃ…………!!)

「……ええ、もう少しだけ待ってね。…私、もうちょっときりの良いところまで縫っておきたいの……。先に上がってて、あなた」
「そうかい?じゃあすぐに来ておくれよアミカ」
「ええ。……あ、そうそう、ミッチェル、明日からのご予定は?」

 私は刺繍から目を離さずに、あくまでもさり気なく尋ねた。するとミッチェルが少し上擦った声で答える。

「あ、ああ、明日からね……。あ、そうそう。明後日は終日留守にする。ちょっと帰りが遅くなるよ。いや、それがさ、学園時代の旧友の結婚が決まったそうでね。ほら、覚えてるかい?隣国から半年ほど留学してきていた、子爵家のジェナロ・ラウントリーだよ」
「……ああ、…ええ……」

 そんな人、いたようないなかったような。

「だから昼間少し父の仕事を手伝った後、祝い品を買いに行ってそのままジェナロや旧友たちと集まるよ。ジェナロがこっちに来ているタイミングでしか会えないからね。はは」
「そう…。お買い物があるなら、私も一緒に行った方がいいわね。私はそういうの選ぶの得意なのよ。ふふ。最近街にね、異国の美しいガラス細工を扱った商人の…」
「あ、いやいやいや、いいんだアミカ。明日は男だけで出かける約束をしていてね」
「え…?そう?」
「ああ。買い物も皆ですることになっているんだよ。はは。珍しいだろう?」
「…ええ、そうね。ふふ、分かったわ。楽しんできて」

 すぐにピンときた。完全に怪しい。間違いなく、明後日はポーラと過ごすつもりだ。

 これで条件は整ったわね。いよいよだわ。

「……さ、もういいだろう、アミカ。……ほら、おいで」
「っ?!」

 しびれを切らしたのか、ミッチェルはスタスタと近寄ってきたかと思うと刺繍を持っている私の手をひしと握ってきた。
 瞬間、背筋をゾクッと悪寒が走る。
 何なの?!この人……!ポーラと会ってるならいいじゃないの、私のことは相手にしなくても……っ!




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