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本編
22. 見えた光
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あの後、セレスティア様を捕らえる方法について議論されることになった。
結論から言うと、捕らえる騎士達に事前に強い洗脳をかけて操ることに決まった。
その騎士達を操るのは……この国で唯一、全ての魔法属性が扱えるお方が適任だという話にまとまった。
けれども、そのお方――国王陛下は乗り気ではなかった。
陛下は他人を操るという行為を嫌っているから。
けれども最後は罪人を捕らえるためには致し方ないと受け入れてくださった。
だから、バルケーヌ公爵家の力をある程度抑えることが出来たら、セレスティア様を捕らえることが出来るようになった。
その力を抑えるというのが一番難しいのだけれど……。
「お嬢様、おはようございます」
「ええ、おはよう」
朝になり、ベッドを出る私。
それから部屋の扉を開けてシエラを招き入れた。
「今日は学院に行かれますか?」
「流石に無理そうだから、部屋着でお願い」
昨日のうちに、お父様達とシエラには事情を話してある。
だから、これだけで私の言いたいことを察してくれた。
「畏まりました」
ちなみに、昨日は防御魔法を使いすぎて高位の治癒魔法を使うだけの魔力が残っていなかったから、傷を治すことは出来なかった。
けれども、今から治癒魔法を使えば朝食に間に合わなくなってしまうから、そのまま姿見の前で待つことにした。
「お待たせしました。お着換えの用意が出来ました」
「ありがとう」
公の場に出るためのドレスは1人で着ることなんて出来ないけれど、部屋着にしている簡素なドレスは私1人で十分。
だから、着替えている間、シエラはベッドを整えたりしてくれているはず。
私が着替えを終えて衣装部屋から出ると、今度はシエラが髪を整えてくれる。
「やっぱり、お嬢様のお顔に傷があると心が痛んでしまいます」
「大袈裟よ。跡が残らないのはこの前大怪我した護衛さんで証明したでしょう?」
「それでもです。お嬢様はお強いのですね」
「別に強くはないわ」
そんなやり取りをしている間にシエラは髪を整え終えてくれて、普段よりも早いけれど朝食に向かうことになった。
☆
それからしばらくして、私は治癒魔法の準備を始めた。
「ほんと、なんでこんなに恋文が送られてくるのよ……」
「どの方も下心が丸見えでしたね……」
この大量の手紙の返事を書いていたせいで、もう10時を過ぎてしまっている。
ちなみに、魔法の準備と言っても行為の魔法に必要な詠唱をするだけだけれど。
「始めるわね」
「分かりました」
私の邪魔にならないようにと、部屋の扉の前に移動するシエラ。
部屋に誰も入れない状況になったのを見計らってから、詠唱を始めた。
「光の精霊よ……」
私の魔力量は貴族の中でもかなり多い方……というよりも、普通の10倍以上はあるのだけれど、1割くらいの魔力が減っていく。ちなみにお父様とお母様も私並みに多いらしい。
高位の治癒魔法は特に魔力消費が激しいのよね……。
でも、無事に傷を消すことが出来た。
「上手くいったわ」
「良かったです」
笑顔を浮かべるシエラ。
私も無事に治せてほっとしたのだけれど、同時に違和感も感じていた。
植え付けられたはずのトラウマが消えたわ……。
「お嬢様、何かありましたか?」
「トラウマが消えたのよ」
「それは本当ですか!?」
「こんな嘘をつく私じゃないわ」
一度植え付けられたトラウマは消えない。シエラは洗脳魔法の使い手だから、それをよく分かっている。
私の言葉を疑いたくなるのも仕方ないわよね。
「それってつまり、アリス様のトラウマも消せるってことですよね?」
「そうなるわね。さすがに、このことはセレスティア様は知らないわよね……」
「知らないとは思いますが、そもそもお嬢様には闇属性魔法があまり効きませんから違和感は感じていると思います」
シエラの闇魔法はそれほど強力ではないから、防げて当然だと思っていたのだけど……。
「あれは普段から意識して防御しているからよ。それに、セレスティア様の魔法は効いていたわ」
「それは実際に切りつけられていたからではないですか? 直前の記憶を利用すれば、トラウマを植え付ける難易度は下がりますからね」
そう説明するシエラ。
実際に闇属性の魔法が使えて、セレスティア様のようにトラウマを植え付けることも出来る彼女の説明だから、私は全て信じることにしている。
「使い手が言うと説得力あるわね」
「一応言っておきますけど、私の魔法は陛下からお墨付きを頂くほどには強力ですからね?」
「そうなの!?」
「怖がられたくなかったので黙っていたのです。騙すようなことをしてしまい申し訳ありませんでした」
絶望的に思えた今の状況に、希望の光が見えた。
シエラの言っていることが正しければ。セレスティア様の魔法がシエラと同じくらいの力だったら……。
セレスティア様の悪意から身を守れるかもしれないわ。
結論から言うと、捕らえる騎士達に事前に強い洗脳をかけて操ることに決まった。
その騎士達を操るのは……この国で唯一、全ての魔法属性が扱えるお方が適任だという話にまとまった。
けれども、そのお方――国王陛下は乗り気ではなかった。
陛下は他人を操るという行為を嫌っているから。
けれども最後は罪人を捕らえるためには致し方ないと受け入れてくださった。
だから、バルケーヌ公爵家の力をある程度抑えることが出来たら、セレスティア様を捕らえることが出来るようになった。
その力を抑えるというのが一番難しいのだけれど……。
「お嬢様、おはようございます」
「ええ、おはよう」
朝になり、ベッドを出る私。
それから部屋の扉を開けてシエラを招き入れた。
「今日は学院に行かれますか?」
「流石に無理そうだから、部屋着でお願い」
昨日のうちに、お父様達とシエラには事情を話してある。
だから、これだけで私の言いたいことを察してくれた。
「畏まりました」
ちなみに、昨日は防御魔法を使いすぎて高位の治癒魔法を使うだけの魔力が残っていなかったから、傷を治すことは出来なかった。
けれども、今から治癒魔法を使えば朝食に間に合わなくなってしまうから、そのまま姿見の前で待つことにした。
「お待たせしました。お着換えの用意が出来ました」
「ありがとう」
公の場に出るためのドレスは1人で着ることなんて出来ないけれど、部屋着にしている簡素なドレスは私1人で十分。
だから、着替えている間、シエラはベッドを整えたりしてくれているはず。
私が着替えを終えて衣装部屋から出ると、今度はシエラが髪を整えてくれる。
「やっぱり、お嬢様のお顔に傷があると心が痛んでしまいます」
「大袈裟よ。跡が残らないのはこの前大怪我した護衛さんで証明したでしょう?」
「それでもです。お嬢様はお強いのですね」
「別に強くはないわ」
そんなやり取りをしている間にシエラは髪を整え終えてくれて、普段よりも早いけれど朝食に向かうことになった。
☆
それからしばらくして、私は治癒魔法の準備を始めた。
「ほんと、なんでこんなに恋文が送られてくるのよ……」
「どの方も下心が丸見えでしたね……」
この大量の手紙の返事を書いていたせいで、もう10時を過ぎてしまっている。
ちなみに、魔法の準備と言っても行為の魔法に必要な詠唱をするだけだけれど。
「始めるわね」
「分かりました」
私の邪魔にならないようにと、部屋の扉の前に移動するシエラ。
部屋に誰も入れない状況になったのを見計らってから、詠唱を始めた。
「光の精霊よ……」
私の魔力量は貴族の中でもかなり多い方……というよりも、普通の10倍以上はあるのだけれど、1割くらいの魔力が減っていく。ちなみにお父様とお母様も私並みに多いらしい。
高位の治癒魔法は特に魔力消費が激しいのよね……。
でも、無事に傷を消すことが出来た。
「上手くいったわ」
「良かったです」
笑顔を浮かべるシエラ。
私も無事に治せてほっとしたのだけれど、同時に違和感も感じていた。
植え付けられたはずのトラウマが消えたわ……。
「お嬢様、何かありましたか?」
「トラウマが消えたのよ」
「それは本当ですか!?」
「こんな嘘をつく私じゃないわ」
一度植え付けられたトラウマは消えない。シエラは洗脳魔法の使い手だから、それをよく分かっている。
私の言葉を疑いたくなるのも仕方ないわよね。
「それってつまり、アリス様のトラウマも消せるってことですよね?」
「そうなるわね。さすがに、このことはセレスティア様は知らないわよね……」
「知らないとは思いますが、そもそもお嬢様には闇属性魔法があまり効きませんから違和感は感じていると思います」
シエラの闇魔法はそれほど強力ではないから、防げて当然だと思っていたのだけど……。
「あれは普段から意識して防御しているからよ。それに、セレスティア様の魔法は効いていたわ」
「それは実際に切りつけられていたからではないですか? 直前の記憶を利用すれば、トラウマを植え付ける難易度は下がりますからね」
そう説明するシエラ。
実際に闇属性の魔法が使えて、セレスティア様のようにトラウマを植え付けることも出来る彼女の説明だから、私は全て信じることにしている。
「使い手が言うと説得力あるわね」
「一応言っておきますけど、私の魔法は陛下からお墨付きを頂くほどには強力ですからね?」
「そうなの!?」
「怖がられたくなかったので黙っていたのです。騙すようなことをしてしまい申し訳ありませんでした」
絶望的に思えた今の状況に、希望の光が見えた。
シエラの言っていることが正しければ。セレスティア様の魔法がシエラと同じくらいの力だったら……。
セレスティア様の悪意から身を守れるかもしれないわ。
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