悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

文字の大きさ
73 / 155

第73話 コスタリア領都の日常2

しおりを挟む
「ゴッブッ、ゴブッフー」(イッチニー、サンシーっと)

今朝も元気よくゴブリン体操を一通りこなして朝が始まる。

「えいっ、やぁぁ~」

隣りではアイラお嬢様と奥方様が剣術の稽古をしている。

お嬢様は体を動かすのは苦手なようで全然かたちになっていないゴブ。
奥方様は完全に脳筋の戦闘狂なのに。
お父上が理知的で物静かな方なのでそちらの血統が強いんだろうな。

「ほほほ、少し前より剣に振り回されることは無くなりましたがまだ全然ダメですよ、せめて自分自身を守れる程度にはならないと」

貴族の子どもたちは大なり小なり武芸を身に着けるのが当たり前だとか。
貴族って大変ですね。
でも普通は訓練の時は木剣でするのじゃないかな~。
どう見ても真剣だなアレ、歯引きもされてなさそうだし・・・
中学校入る前の子どもに訓練でガチの刃物を渡すとか日本では考えられんよ。
貴族って大変ですね(2回目)

15分くらいだろうか?お嬢様が肩で息をしはじめて辛そうになったところで今日の朝稽古は終わるようだ。

「ほほほ、技術がうんぬんとか関係無く真剣同士で立ち会うと緊張感があって稽古も身が入りますわね、これなら最近少し付いた余分なお肉も落ちそうですわね」

奥方様はご機嫌だ。
やっぱり最近太ってきてたんだな、私だけではなかったんだゴブ。
突然お嬢様を鍛えると言い出したから何かと思えば本当の目的は自分のダイエットだったんだな。

「気にされるならお菓子は午後のティータイムの時だけにいたしましょうか」

カタリナさんが休憩のイスと机を用意しながら呆れてつぶやいている。

「それだけは絶対いや」
「ゴブブ!」(その楽しみのために働いているゴブ!)

奥方様とわたしが即反応して却下する。

「はいはい、そして稽古されてノドが渇いたでしょうから飲み物を用意しましたよ」

メイドさん達が手早くテーブルに3つ飲み物を用意してくれる。

「本日は料理長自らお手製の季節のベリー3種にハチミツ漬けリモンを氷と一緒に砕きアクセントにハーブを刻みいれた特製スムージーです」

なんだか一流ホテルの長ったらしい説明付きのメニューみたいだな。
メッチャ美味しそうですけど。

「あら~今日も美味しそうですわね。それに健康にも肌にも良さそう~」

「本当においしそうです。ミセッティの分もありますわよ、飲まないの?」

「ゴ、ゴブ~」(う~ん、おいしそうなんだけどこの後いつもの走り込みだから)

ジュースを飲んでから走りに行くとアレをしたくなっちゃうんだゴブ。
ここ最近は毎朝いつもこうしてお嬢様と一緒にジュースを飲むようになって必ず途中での時間が必要になるからな~。
人目につかない場所は見つけたし最近は本当に花畑みたいになってきたから花を摘んでいましたって言っても信じてくれそうだけど・・・
しっかり浄化しているからアレしてることがバレて怒られることは無いはず。

「ゴブ~」(今はいいので帰ってきてからおいしくいただくゴブ)

「ミセッティは走ってきてから飲むそうですわ」

「ちなみに賞味期限は作ってから15分です。すでに5分程経過していますが」

「ゴブッ?」(そんなっ?短いゴブ)

どこかの高級ケーキとかで聞いたような話ですが!
作り手のこだわりの風味が無くなる前に食べてほしいとかなんとか。

「という訳で飲まずに行かれるならばもう片付けてしまいますが・・・」

「ゴブッ、ゴブ!」(いただくゴブ!もらうに決まっているゴブ)

そうして今朝もお腹タプタプのまま走り込みに出発するのだった。

やばい・・・もうすでにタイムだわ・・・
いつもの馬小屋の裏まで我慢しなければまずいゴブ。
この時間はいつも誰もいなくて建物にカギがかかって入れないんだよな~。
今日も2回お花摘み決定だわ。
3番目の人目に付かないポイントの川原までは我慢できると思うけど。

~~~~~~~
コスタリア家執務室
カタリナが奥方様へ[重要]と書かれた報告書を提出している。

「今週の採集分をリストにまとめましたので報告いたします」

第1ポイント(兵舎馬小屋の裏)
幸運のクローバー 22株
朝露草 15株
鈴音花 18束
天竜草  7株

第2ポイント(北側階段下の日陰)
月見草 3株
光コケ 2塊

第3ポイント(集水分岐水門の脇)
鏡石  23個
聖紋石 10個
昼光石 18個
水竜草 11株

「ほほほ、料理長に協力してもらったかいがありましたね、なかなかの収穫量ではないですか。少し第1、第3ポイントに偏りが出ているかしら?」

「まぁ、基本的には普通にトイレでしたいようですからね・・・バレていないと思っているようですが我慢できるときはそのまま帰ってきているんじゃないですか?」

「まずいわね・・・薬師ギルドから是非にと依頼がかかっているのよ。特に日陰や洞窟の奥にしか生えない貴重なものが採取できる第2ポイントのね」

「それでは今まで冷たい飲み物ばかりでしたが今度は暖かい飲み物にしてみましょうか?量を多めにしてちょうど半周くらいは我慢できるように調整してみます」

「では料理長には新しいメニューを考えてもらうように言ってちょうだい。それと今まで通り朝のこの時間は各建物の責任者は必ず施錠してミセッティを中に入れないように再度通達を出しておきなさい」

~~~~~~~
「ゴブ~」(冷たいのもおいしいけど暖かい飲み物はほっこりしてたまらないゴブ)

「料理長もミセッティ様がおいしく飲んでいただいているのを喜んでいますよ」

「ゴッブ~」(それでは今日も張り切って走ってくるゴブ~)

「ふふふ・・・気を付けていってらっしゃいませ」

アイラお嬢様が糸目になってやりとりを聞いてあきれている。

「・・・別に誰も損をしていないからいいですけどね」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

落ちこぼれ職人、万能スキルでギルド最強になります!

たまごころ
ファンタジー
ギルド最弱の鍛冶師レオンは、仲間に「役立たず」と笑われて追放された。 途方に暮れる彼の前に現れたのは、伝説の鍛冶書と、しゃべる鉄塊(?)。 鍛冶・錬金・料理・魔道具――あらゆるクラフトスキルを吸収する《創精鍛造》を極め、万能職人へと覚醒! 素材採取から戦闘まで、すべて自作で挑む“ものづくり異世界成り上がり譚”が今、始まる。 裏切った元仲間? 今さら後悔しても遅いぞ!

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ

月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。 こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。 そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。 太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。 テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~

雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。 左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。 この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。 しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。 彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。 その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。 遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。 様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。 とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。 …‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。 「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」 これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め) 小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。

処理中です...