悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

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第72話 コスタリア領都の日常1

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今日もいい天気ゴブ~。

さわやかな朝、ゴブリン体操(旧名:ラジオ体操第一)で体をほぐす。

「ゴブッフ!」(今日も1日ばりばり書類を片付けるゴブ)

過去に溜まった書類は全て処理済み、新しく出てくる20枚程度の書類を集計
してまとめるだけの簡単なお仕事だけどな!
そして午前中からおいしいお茶とお菓子で休憩するのだ。

「ゴブフフフ」(これだから貴族はやめられないゴブな~)

鏡の前でぽんこつマリーにお着替えを手伝ってもらいながらニヤけてしまう。

「ミセッティ、あなた少し太ったかしら?」

アイラお嬢様が急に意味不明なことを発言してきた。

「ゴブ~?」(はぁ?そんな訳無いゴブ。まあ成長期ではあるゴブが)

ははんっと鼻で笑ってやった。まあ幼児体形なのは認めますよ?
子供特有の手足が短くお腹がぽっこりしているのはね。
まだまだ子供ですからね?

「いえ・・・先月までスカスカだった私の5歳の時の服がもう入らなさそうじゃないですか・・・それに手足もなんだかぷにぷにしてきていますし」

「お嬢様~、これでも一度ウエストの調整部分で拡げているんですよ~。もうお嬢様のお古ではミセッティ様には合わないかもです~」

ぽんこつマリーが困った顔で首をかしげている。

「ゴ、ゴブ」(これは・・・そう!成長!成長しているんだゴブ!)

「成長ねぇ・・・確かに身長は2、3センチは伸びているかしら?」

「ゴブリンって半年くらいで成体になるんじゃなかったでしたっけ。なんかまだ子供っぽいです~。横には成長してますけど。プフフ~」

ぐぬぬ・・・ぽんこつマリーにまでバカにされているな。
恐らくわたしは人間と交わって産まれたのでヒト因子が強いんだゴブ。
巣穴に金色のアミュレットを付けた人間が居たからな。
すでに死んでたけど。
アミュレットを持ち出そうとしたけどかなり強力な守護魔法が掛かっていて触るだけでヤケドしたんだよな~。
今思えば結構上級な神官様か高位の貴族様だったかも。
まぁ、このわたしを見ればやんごとない血筋が流れているのは分かると思うが。
なんつって。

「このままどんどん横にばっかり成長したらどうなるんですかね~」

ぽんこつマリーがさらにからかってくる。

「ちょっとマリー!ミセッティも女の子なんだからあまりからかってはダメよ」

「ゴブ・・・」(確かに今のままではまずいゴブ・・・)

わたしはいつかのゴブリンマザーを思い出してゾクッとした。
最初に見たときに緑色のでっかい鏡餅かと思ったんだゴブ。
このままではあのゴブリンマザーにまっしぐらなのか・・・

「ゴブ!」(今日から毎朝の体操に加えて走り込みもするゴブ!)

「今日からやせるために走るって言っていますわ」

「ゴブー」(お屋敷を1周してくるゴブ)

「あっ、ミセッティ、少し待ってて用意するわ」

おっ、お嬢様も付き合ってくれるゴブか?

お嬢様は緑色に金のラインが入ったリボンを持ってきてわたしの髪を結び始めた。

「う~ん、髪がまだ短いから後ろでまとめるのは無理ね」

短い髪を無理やり上でまとめたので玉ねぎみたいになっているゴブ。
しかも微妙に右に寄っているし・・・お嬢様、髪結いは下手ですな。

「あら~、かわいい。お嬢様とってもお上手です~。いつもマリーが結っているのをご覧になっているからですね~」

マリーのやつ・・・あからさまなお世辞を言っているな。

「これで誰かに会っても屋敷に迷い込んだ野良ゴブリンに間違われて狩られる心配は無くなりましたね~」

「ゴブ~」(このリボンにそんな意味があるのかゴブ)

「この色の組み合せはコスタリア家の関係者しか着けることを許されないのです。見る人が見れば私の従魔のミセッティだと分かるはずですわ、行ってらっしゃい」

あー、走るのを一緒に付き合ってくれる訳ではないのですね。知っていましたとも。

「ゴブ」(別にいいゴブ、一人で走ってくるゴブ)

深い森を駆け回っているゴブリンですよ?平地を走るなんて楽勝ですよ。

~~~~~~~~~
「ゴブ~」(はひぃ~、疲れたゴブ~)

結論。屋敷の外周を壁ぞいに走ってきたけど敷地がめっちゃ広かったゴブ。
けっこうな速さで走り続けたはずだが30分はかかったぞ。

これを毎日続ければかなりの訓練とダイエットになりそうだ。
途中でおしっこしたくなったので馬小屋の裏でしてきたのは内緒ゴブ。
念のためしっかりと聖魔法で浄化してきたからバレないはず。
子供だから仕方ないゴブ。
遠征の時の訓練と思えば許されるはずだし。

「ゴブッフ~」(さて今日も一日仕事を頑張っておいしいお菓子をもらうゴブ)

~~~~~~~~~
ミセッティが朝の走り込みを始めて1週間後

「奥方様、馬番から報告があり何だか馬小屋の裏に聖域らしきものが出来ており、ダンジョン深くにて入手するような貴重な薬草が生えているとのことです」

「ほほほ、そちらにもありましたか。こちらでも階段下の日陰で目立たないところに急に貴重な薬草が生えているとの報告があったところです。その他にもう1か所水場の近くでも聖域が発生して付近の石が魔石化しているとか」

「ミセッティ様が走り出した時から出来ていますね。場所も走っている外周沿いですしおそらく間違いないかと」

「ほほほ、カタリナ、明日からミセッティちゃんが朝に走っている様子を探っきてちょうだい、気づかれてはいけませんよ」
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