悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

文字の大きさ
76 / 155

第76話 コスタリア領都の日常5

しおりを挟む
お忍びといいつつ大所帯で虫歯の治療にやってこられた王妃様。

今回もとんでもない地雷案件だったゴブ。
セレスティア様は争いの少ない平和な世界だって言っていたけどそこらかしこに人生の落とし穴がある世知辛い世の中なのは異世界になっても変わらないゴブな。

ベッドに横になられている王妃様を前にそんなことをぼんやり考えているとアイラお嬢様がコソコソ耳打ちしてきた。

「ミセッティ、他にお体が悪そうなところがあったら治しちゃって、あと見た目が悪いところもついでに見れるようにしてあげて」

「ゴブッッフ」(きゃはは。耳元で話しかけると息がくすぐったいゴブ~)

何だか目をつぶっている王妃様の目元がピクピクと動いたが気のせいゴブ。

「ゴブ~?」(虫歯は歯ごと新品に入れ替えたゴブ、あとは白髪くらいゴブ?)

「確かに白髪は気になるわね・・・あとはお母様の時と同じ首のシワとかお腹のたるみとか・・・一応水虫かどうかも調べてみて。胸は大きくしなくて良いから。王妃様は胸が慎ましいけどそこが王様が気に入っているんじゃないか・・・とかお母様たちがお茶会で噂話をされているのを聞いたことがあるわ」

王妃様の目元と口元がさらにピクピク震えているような気がするゴブ。
近くにいた奥方様とカタリナさんや女騎士さん2人も胸の話題になるといつのまにかいなくなって窓際に集まって外を見ながら談笑している。
まったく・・・治療しない部外者はのん気でいいですな~。

「ゴブー」(分かったゴブ~、あとは任せるゴブ)

つまり満足して帰ってもらえれば良いんでしょ。
短い間だったがサラリーマンとして社会生活を送った経験を舐めるなゴブ。

偉い人が査察に来た時は説明はそこそこにして、さっさと地元のおいしい料理を食べにいって綺麗なお姉さんのいる店に連れて行った方が評価が高くなるって支店長も言っていたしな。

[神界]

スキャンしたが大きな病気や(水虫にも)呪いにもかかっておられないようだ。
それでは見た目の方の施術に入りましょうかね。
王妃様だけあって普段から磨かれているゴブな~。
まずは年齢からくる劣化を手っ取り早く処置するために年齢を10歳程戻すか。
これで白髪やシワ、くすみ関係はほぼ解決ゴブ。
あとはお腹まわり、二の腕、太ももまわりの脂肪を減らして・・・
胸は慎ましいのが相手の好みにあっていたとか言っていたけど少し小さすぎるな。
ここは大事だろうし胸付近だけ20歳ぐらいまで年齢を戻しておこう。

「ゴブ」(こんなもんだゴブ~)

「よくやったわ、ミセッティ。お姉さまたちと並ばれても遜色無いぐらい若々しくなられて別人のようですわ」

「すごい・・・これが噂の敬虔な信徒への女神の祝福ですか」

鏡の前で王妃様が自身の状態をチェックしておられる。
満足いただいて何よりゴブ。
これでコスタリア家が潰される心配は無くなったゴブな。
めでたし、めでたし。

「しかし!大きかった胸が他の部分と一緒に小さくなってしまっています!せっかく20年掛けて育てた・・・ごほん、いいえ大きく張りがあった元の状態に戻してちょうだい」

「王妃様は20年かかさず胸を大きくする体操をしてミルクを飲んで湯浴みの時も入念にマッサージをされていたのです。そのかいもあって最近は1サイズ上がりました。嬉しさのあまりドレスを全て新調するだとか王様に相談されたり・・・結局は少ない調整で着れると却下されましたが」

う~ん、しまったゴブ、若い時のサイズにしてあげれば問題ないと思ったんだが
20年掛けて育ててきて先程が全盛期だったとは盲点だったゴブ。

「ゴブ~」(申し訳ない、元の大きさに戻すゴブ)

もう一度[神界]を発動し胸だけ元の大きさに戻してあげた。

「ゴブ」(完璧ゴブ。寸分の狂いなく元に戻せたゴブ)

「完璧に元の大きさに戻しました、とのことです。大変失礼いたしました。これでもう大丈夫です。その他も病気や呪いなども無いようですわ」

アイラお嬢様が施術の内容を説明してくれた。

「ゴブ~」(終わった、終わった~。疲れたゴブ、ご褒美お菓子でも食べるゴブ)

「アイラ嬢。まだ終わっていませんよ、つい先程までもっともっと大きかったです、きちんと元の大きさに戻すようにゴブリンちゃんに言ってちょうだい」

「・・・ミセッティ、王妃様の胸を元の大きさまで戻してちょうだい」

「ゴブ~!」(え~、完璧な仕事にケチをつけてひどいゴブ~)

「アナスタシア様、普段から肩がこらなくて楽でいいわ~とか、こんなの戦いに邪魔になるだけの無駄な肉だとか、よくおっしゃっていたじゃないですか。今ぐらいがちょうどいい大きさなんじゃ・・・げふっ」

女騎士さんが全て言い終わる前に意識が飛んだようだ。
王妃様は笑顔のままだ。
おそろしく速い手刀・・・ゴブリンでなきゃ見逃しちゃうね。
どこの家にも空気を読めないぽんこつはいるもんだゴブ。

「ゴ、ゴブ~」(も、もう一度よく思い出してやり直すゴブ~)

「ミセッティガ、モウイチド、ヨクオモイダシテ、ナオストイッテイマス」

アイラお嬢様や・・・めんどくささが表情に出てしまっていますよ。
こういう面倒なお客様にこそ大人として我慢して笑顔で対応するべきなのです。
わたしは満面のゴブリンスマイルでうなずいてみた。

「あなた達・・・私がめんどくさい人間だと思っているでしょう・・・まぁその辺りはどうでもいいです。元の大きさですよ、元の、あのくっきりと谷間が出来ていたあの頃のようにね!」

「そうですよ、もうドレスを着る時に30分かけて寄せなくてもいいようにお願いします~。侍女さんたちも大変そうですし~」

ヒュッ

「ちぃ!避けられましたか。腕が上がりましたねリディア」

「それはもう、ここ最近の鬼ごっこの成果ですよ」

ぽんこつ女騎士がどや顔で勝ち誇っている。仲が良いですね。

他に王妃様の手刀に気付いているのは奥方様とカタリナさんとわたしぐらいだな。
常人に反応できない手刀を打ってくる王妃様とかこの国はどうなっているゴブ・・・
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

落ちこぼれ職人、万能スキルでギルド最強になります!

たまごころ
ファンタジー
ギルド最弱の鍛冶師レオンは、仲間に「役立たず」と笑われて追放された。 途方に暮れる彼の前に現れたのは、伝説の鍛冶書と、しゃべる鉄塊(?)。 鍛冶・錬金・料理・魔道具――あらゆるクラフトスキルを吸収する《創精鍛造》を極め、万能職人へと覚醒! 素材採取から戦闘まで、すべて自作で挑む“ものづくり異世界成り上がり譚”が今、始まる。 裏切った元仲間? 今さら後悔しても遅いぞ!

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ

月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。 こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。 そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。 太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。 テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。 とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。 …‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。 「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」 これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め) 小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

処理中です...