悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

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第125話 王都にお出かけ1

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エルフ村から帰ってきたばかりだけどもう王都に向けて出発する日が近いそうだ
王都では社交シーズンが本格的に始まるそうで成人貴族は王都に集まるようです

秋はそれぞれの領で収穫祭があり、昔は各地の貴族が納税のために王都に大量の荷物を馬車で運びそれぞれの土地の収穫を自慢し合っていたのが始まりだとか
今では保存技術も運搬方法も確立し毎月それぞれ決まった量を納税しているから昔のように王都にモノが一時期に集中することは無いらしい・・・そりゃそうだよね

なぜかその社交の場に成人していないアイラお嬢様も参加されるようです

「私はまだデビューまで2年ありますが、なぜか今年の褒章に名前が挙がっているそうなのです、他人事のようにしていますがミセッティあなたも行くのですよ」

「ゴブ・・・」(アイラお嬢様の従魔の設定はまだ生きていたんだゴブな・・・)

「こら~、そういうこと言っちゃだめでしょ、私は従魔をしっかり従えて悩める女性のため少しばかりの聖魔法を行使しているという設定なんだから」

「ゴブ~」(自分でも設定と言っているゴブ~)

「まぁデビュー前の私たちは公の場ではオマケのようなものですからお母様の隣りでにこにこしていれば良いのです、私を知っている方も少ないですしね」

「ゴブ・・・」(ドノバン達の話では逆に知らない人の方が少ない気もするけど)

「ん、何か言いました?」

「ゴブ」(何でもないゴブ、知らない方が気負わなくて良いゴブな・・・)

「王妃様が個人的なお礼をかねて推薦いただいたそうですわ、褒章といっても王様にお目通りするほどの賞ではなく名前が読み上げられるぐらいの賞なのでしょう、虫歯を治して胸のサイズを普通にしただけで褒章とか大げさですよね」

「ゴブゴブ」(あれを普通と言い切るのがさすがゴブ、それだけでない気がするが)

「そういう訳で気楽に行って出されるおいしいデザートをいっぱい楽しみましょう」

お嬢様はエレノア様、王妃様の回復ぐらいしか心当たりが無いようだけど実はこっちでアイラお嬢様の名の元に貧民街の生活改善、聖水共用浴場、浄化野菜の生産などけっこう色々やってるからな~まぁ悪いことをしてる訳じゃないし大丈夫でしょ

「ゴブッフー」(貧民街の発展を全てお嬢様の手柄にしたのはバレてないゴブ~)

褒章の時に気付くとかけっこう驚くだろうし最高に楽しみだゴブ

実際は王家や上流貴族にとって地方の貧民街などどうでもよく、浄化と魔除けの人形や精霊銀の安定供給、そして一部の奥様たちの常識となっている美容と若返りの秘術の方がはるかに関心が高いのをミセッティは気づいていない

一応わたしは狩られないようにこれでもかとコスタリア家の紋章を付けまくったドレスが用意されているそうだゴブ
社交界に魔物が紛れ込んでいたら大騒ぎになりますからな・・・
お嬢様から離れないように気をつけよう

そして領都を出発する日がやってきた

コスタリア家は馬車が合計5台、まわりに騎兵隊が10人程の構成だ
先頭は護衛騎士さん達の待機やご主人様の避難も兼ねて鉄板で補強された馬車
2台目は私たちコスタリア家が乗る豪華な馬車
3台目は執事さんやメイドさん達が乗り込む馬車
4台目は王家に献上したりパーティで披露する荷物がこれでもかと積んである
5台目はこの旅に必要な食糧など生活物資だ
なかなかの大所帯だがこれでもかなり絞りこんだようだ
コスタリア家は質実剛健を旨とする軍閥派閥だからあまり派手なことはしないらしい

商業を主体とする成り上がり貴族たちはこれでもかと10台以上の馬車で王都へ乗りつけてアピールしてくるとか・・・下品な金持ちはどこにでもいるもんだゴブ

ドノバン・ホーリーウォーター卿(笑)も社交界デビューするらしいが社交シーズンの最後に開催される王家主催の全ての貴族が出席を義務付けされているパーティにだけに参加する予定らしい

「うちはコスタリア家の寄子の泡沫貴族だからな、あんま偉い人たちばかりのところで話することは無いんだわ、寄ってくるのは金を借りたい奴らばかりだしよ」

上手くかわしたゴブな~
領都の出口付近に差し掛かるとドノバンと会計士さん、セレスティーヌさんが門の前で送り出してくれている
一応大通りをゆっくりと進んでパレードのように領民にアピールしていますからね
大通りの脇は一行を見ようと集まった人たちで溢れている
聖女とゴブリンの人形を持った子供たちが手を合わせて拝んでいる
この街にこんなに人がいたのかと思うぐらい盛り上がっている

「コスタリア家、万歳!」
「どうか!どうか~!ご無事にお戻りください~!マジで!!」

民たちの声援がすごい、コンサート会場みたいだゴブ

「なんか今年はいつもより人の出が多いような気がしますね」

「貧民街も町として認められましたし移住者もあって人が増えているようですね」

ふふふ、聖水公共浴場の効果が出ているようだゴブ
エルフさんたちも移住してきているのは少し秘密なのだ

「おお、あの馬車の中に聖女アイラ様が・・・何と尊い・・・」
「ご尊顔を拝むだけでたちまち病気が治り、若々しくなれると聞きますぞ」
「アイラ様が民を思い流した涙が聖水となって町を潤しているのじゃ、有難や」

・・・何か聖女の情報に尾ひれが付きまくっている気がするが耳が良いわたしだけに聞こえているようなのでスルーしておくゴブ

城門を出るといかつい冒険者集団が20人くらい馬とともに待ち構えていた
そしてその横には真っ白に金の装飾がしてある馬車5台と50人以上いそうな全身鎧のこれまた真っ白に金の装飾が施された騎士団が騎馬とともにきれいに整列している

「あれは西方真理教会の聖騎士さんたちですわね、向かいの強盗団を討伐でもしようとしているのかしら、うちの領内はけっこう治安が良くなったはずですけど」

確かに何か言い争いをしている、私達が通り過ぎてからゆっくりやってほしいゴブ

「だーかーらー、この町で大恩ある俺たちがアイラ様の露払いに先行するって言ってんだろうがぁ、キラキラしたよそもんは後から付いてくりゃいいだろうがよぉ」

「あなた方のような品位のカケラも無いごろつきではアイラ様の品位が下がります、ここからは我ら西方真理教会、白の第一師団が全霊を持って王都への安全な旅を保証するよう指示を受けております」

なんか私たちを警護する順番で言い争っているようだゴブ

「アイラちゃん・・・いつの間にあのような方々とお知り合いになったの」

「えっと・・・知らない人たちなんですけど」

きっとドノバンとセレスティーヌさんが出発の日をそれぞれの組織に連絡したんだな
警戒のために薄い結界を拡げて探索しているが街道から離れた林の中にも薄い気配のいかにも暗殺者って感じの人たちがけっこうな数潜んでいるみたいだし
こっちはメイヤーナさんの部下かな?みなさん過保護ですな~

「ゴブ~」(早く出発しようゴブ~次の休憩までクッキー3枚で我慢なんだゴブ)

お嬢様とカタリナさんの冷たい疑いの目をこちらに向けられても困ります
わたしは何も頼んでないし向こうが勝手に警護してくれるならそれでいいじゃないか

「あの~こちらはそろそろ出発してもいいでしょうか~皆様の好意はありがたいのですが宿の予約とかは我々の分しかしていませんので付いてこられても宿泊できないというか~行程1週間程度でずっと街道を走るのでここまでの警護は不要というか~」

マリーがビビりながら必死に説明している・・・奥方様もカタリナさんも面倒になってマリーに交渉を押し付けたな

「はっ!その心配には及びません!夜は町に入らず外で全周警戒いたしますゆえ、ごゆるりと安心してお休みください、街道は我らが先行して不信心な賊どもを根こそぎ討伐して参ります」

「俺たちゃ魔物の方を中心に森の奥の方まで間引いてくるわ、ホーンラビット1匹も見逃さねぇよ、おら!いくぞ、おめぇら!間引いた後は聖水も撒いとけよ」

みなさんやる気(殺る気)まんまんですね
ここは聖女らしいところを見せておきますか

「ゴブ」(聖魔法レベル2[強化]広範囲、持続強化)

私たちの乗っている馬車から聖魔法の光が放射状に拡がり付近にいた騎士さんたちが淡く光輝きだした

「ゴブ」(これで誰かが死ぬことは無いだろうゴブ、一応目覚めが悪くなるからな)

「うぉぉぉ!聖女様、ありがとうございます!白の騎士団、全員出立!!一人の賊も見逃すな!!我らが聖女アイラ様に栄光あれ!」

「「「栄光あれ!!」」」

一糸乱れぬ統率された動きで聖騎士団が出発していったすごい気迫ですね

「ミセッティ・・・あなたいつもこんなことして遊んでるの?」

「ゴブ~」(あの人たちは初めて会ったゴブ、知らないゴブ~)
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