悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

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第126話 王都にお出かけ2

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「ゴブ~」(旅は順調ゴブ~今日も1日進め~ゴブ~)

馬車での長旅はケツが痛くなって辛いとかガタゴト揺れが激しくて気持ち悪くなるから転生者は苦手なんてテンプレ描写があるが全然そんなことがなく快適だゴブ

さすが王都に続く主要道路とだけあってしっかりと平坦に地面が固めてあるので馬車の揺れも少ない、この馬車自体にも何らかの魔道具が仕込まれていそうだけど

「お母様、この馬車はすごいですね、揺れもほとんどありませんし音も静かです、こんなに快適な移動は初めてですわ」

「ふふふ、やっぱり分かるかしら?この馬車には考えられる全ての魔道具や付与魔法が仕込んである自慢の品なんだって、社交シーズンにちゃんと間に合ってよかったですわ、パパには内緒だけど少し前の領の税収の半分ぐらい掛かったらしいわよ~、実際はホーリーちゃんが寄進してくれたんだけどね」

ほほ~、ドノバンの奴のプレゼント(上納)ですか、貴族らしくなっているじゃん
地味な私生活は相変わらずだが上手くやって結構稼いでいるんだな
そして道路の舗装もドノバン一家、もといホーリーウォーター卿の手配らしい
自分達に派手に使わず親貴族に感謝の品を贈るなんて成長したな、わたしは嬉しいぞ

私たちは余裕のある日程を組んでいるので馬に無理をさせない速さでゆっくりと馬車を走らせている、貴重な献上品も積んでいるみたいだしね
商人の荷馬車や人を運ぶ移動馬車とかは荷物などにもよるだろうが結構な速さで街道を走り抜けていくらしい

らしい・・・というのは何故かというと今回の旅ではそんな暴走馬車に抜かされることも無く、むしろ前にいた馬車も我々が通るためにわざわざ脇に停車してくれている
おかげで私たちの一行は何のストレスもなく自分達のペースで進めているのだ

「おお、これが騎士様達がおっしゃった聖女様の一行であられますか」
「ちっ、聖女とかなんとかいい身分だぜ、こっちは急いでるってのにクソ騎士め」
「ママ-、この人形と同じゴブリンの聖女様だって~お顔見えないね~」

どうやら先行している聖騎士さんたちが先触れにまわって街道にいた旅人や馬車を脇に避けさせているらしい・・・
皆それぞれの都合があるだろうに強権発動して道の脇に寄せさせているとか前世のサイレン鳴らして通行する緊急車両なみの扱いだゴブ、いやむしろ国家元首クラス?
大丈夫か?コスタリア家の評判を落としてないですよね・・・

「上流貴族、王族でもここまでしませんね・・・戦争時の緊急事態には街道を優先して走れるようお触れを出すこともありますが」

カタリナさんが休憩時に騎士団長にやめるように言ったらしいが笑って拒否された

「ははは、その辺りの王侯貴族とは比べるまでもありません、戦地に向かう命がけの騎士達の例えは的を得ていますなぁ、我々もそれ以上の覚悟と緊張感を持ってこの度の任務を遂行いたしますぞ、ご安心召されたい!」

宗教を掲げている人たちってなぜにこんなに人の話を聞かないんだろうね・・・
他人の都合なんておかまいなしだから嫌われるだゴブ
申し訳ないので馬車の中から回復魔法を掛けてあげるか
コスタリア家が、アイラお嬢様が傲慢でイケ好かない貴族だと思われたら大変だゴブ

「ゴブ、ゴーブ」(ヒールアロー、ヒールアロー)

わたしは馬車の屋根の天窓(脱出口)を開いて上半身を乗り出し全方位を見渡した
いつかの公爵家のお嬢様のハートを射止めた回復系攻撃魔法(意味不明)を連発する
う~ん、けっこう道端に人が多くてアロー系だときりがないゴブな

「ゴブブブ」(ヒールバレット~マシンガンだゴブ!イェ~ィ)

ダダダダッとマシンガンのように回復弾を人や馬に打ち込んでいく
ゲーセンのガンシューティングゲームみたいで爽快だゴブ
きっと画面には100hit:excellent!!とか表示されているに違いない

「はおぅ!この胸を突き抜ける衝撃と体の軽さは・・・これが次代の聖女の力!」
「うぐっ、クソ騎士の言った通りか・・・これは道を譲らされて当然だぜ」
「我々だけでなく馬までにもご慈悲を賜うとは・・・」

うむ、おおむね反応は良好のようだな、よしよし
みなさん長旅ご苦労様~そして道を譲らせて申し訳なかったゴブ
なぜか回復を受けた商人さんたちよりも聖騎士さんたちの方が感動しているようだが

「くぅぅ、これぞ女神セレスティア様の無償の愛を具現化されておられる!」
「貧しき者にも罪深き者にも分け隔て無く与える奇跡、これが真の聖女のお姿なり」

まぁ人それぞれ受け止め方は違うだろうし放っておこう
馬車の中にいるみんなには聞こえていないみたいだし

「ミセッティ、屋根から顔を出すと落ちそうになって危ないですわよ、また真面目な大人をからかったりして遊んでいないわよね?」

「ゴブー」(道を譲ってくれたお礼を言っていただけゴブ)

人を撃って遊んでいたことは怒られるから内緒だゴブ

~~~~~~~~~

私たちの馬車は日が沈んでやっと次の宿場町に到着した
本当は昼過ぎには到着する予定だとか言っていたのにな~

「ゴブ~」(ふ~、やっと着いたゴブ~結構かかったゴブな~)

「それはミセッティが何度も何度もトイレ休憩・・・お花摘みに行くからでしょう」

「ゴブ・・・」(うぅ・・・そうなんだゴブ)

馬車の移動はヒマだからといってお菓子を大量に持ってきたのはいいとして飲み物もずっと途切れずに出してくれていたからおしっこが我慢できなかったのだ
随行してくれている料理長が季節の果物ジュースだのハーブティーだのお菓子に合うような絶妙なチョイスの飲み物を毎回出してくれたからついつい全て飲んでしまった

「ゴブー」(そういうお嬢様もおいしいおいしいって一緒に飲んでいたゴブ)

そして1時間ごとぐらいに仲良くのために馬車を止めていたのだ

「うぐっ、ああやって目の前に出されて香りが広がると我慢できませんわ、それにお母様もカタリナも旅だからしょうがないと笑顔で許してくれていましたし・・・」

そうなんだよな~いつもはちょいと厳しめなカタリナさんも”まだ子供だからしょうがないですよ”と奥方様をなだめてくれて休憩を何度も快くとってくれたのだ

「ゴブ~」(慣れない長旅だからしょうがないゴブ)

街道脇の奥のしげみでをした後はいつものようにしっかりと浄化魔法できれいにしているからお嬢様も安心だゴブ
明日も辛い馬車旅だがお菓子とジュースがあればなんとか我慢できるゴブ

~~~~~~~~
「これが本日の新たに増えた採取ポイントになります、私も付いて行ってしっかり浄化魔法を掛けさせているので間違いありません。地図に詳細な場所を記していますし現地にはコスタリア家の旗を立てて参りましたから見逃しは無いと思われます」

「ほほほ、コスタリア特産の貴重な薬草がまた増えますわね、明日からは少し環境を変えて日陰や水場にも上手く誘導するのですよ、料理長にも明日からはもう少し多めに出すように指示しておいてちょうだい」

「はい、明日からはクッキーだけでなくプリンやゼリーなどという最近流行り出した水気の多いお菓子も用意出来ていると張り切っておりましたので問題ないかと」

「・・・ところで今日は随分と賑やかですね、この宿場町は前回は私達ともう2組ぐらいの馬車しか泊まっていなかったような気がしますが」

小さな宿場町に馬車20台ぐらいに徒歩の旅人たちも加わって大賑わいになっている
実際は聖騎士団や冒険者たちもいるのだが町の外で野営をしているようだ

聖騎士団が先触れで聖女の通過と到着を知らせているせいで一目見ようと出発を遅らせた前を走っていた商人たちと道を譲った後にアイラ派に改心した商人たちが小さな宿場町に集合してなかなかの大集団になってしまっている

「ふっ、全ては聖女アイラ様の人徳がなせる御業、明日はさらに増えるでしょう」

しっかりと警護をしてコスタリア家に不審者を近づけないようにしている団長は満足気に独り言を言った

「聖女アイラ様が多くの信心深い民を引き連れて王都に上洛するという歴史的な出来事によもや立ち会うことが出来ようとは・・・女神様に深く感謝いたします」

~~~~~~~~
「ぶるぶるっ、お風呂をいただいたのになんだか寒気がいたしましたわ」

「お嬢様~気を付けてくださいよ~まだ旅の初日ですよ~」

「ゴブ~」(そうだゴブ~明日も長いゴブ~みんなも疲れているなら癒すゴブ)

とりあえずこの小さな集落にいるみんなぐらいは回復させてあげるか
袖触れあうも多少の縁、旅は道連れ世は情けってやつゴブ

「ゴーブ」(ヒール、そして軽く[強化]範囲拡大版だゴブ!これで明日も大丈夫)

「もう!ミセッティ、急に光を放つとびっくりするじゃない、でも何だか体が軽くなって疲れや寒気がとんでいった気がしますわ、ありがとうですわ」

その日は小さな宿場町に聖女の祝福が舞い降りて朝まで祈る人たちが続出したという
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