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第25話 侯爵家6
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し~~ん・・・。
なぜか静まりかえってしまったゴブ。
伏し目がちに周囲に気を配っていた仕事の出来そうなメイドさんたちも目を開いて驚きの表情のまま固まっている。
「あああ・・ああ!毒に侵され、右手を捨てて、剣を捨てて・・・戦えぬ身となり、ただこの身を盾にするしか無いと思い恥をさらしながら生きている私が・・・!」
「お嬢様・・ありがとうございます・・またこの手で剣が握れる日が来ようとは!」
「え、ええ(いきなり回復魔法使うからびっくりしたじゃないの)コソコソ」
「ゴブ」(ひとさし指をくるくるしていたゴブ、近くの人間を癒す合図ゴブ)
「(あれは少し動揺して落ち着くために髪を指で巻いていただけですわ)コソコソ」
「ゴブ」(そんなクセがあるなら最初から言うゴブ。紛らわしいゴブ)
「お母様、これでミセッティが役立たずでは無いことがお分かりいただけましたか」
「ええ・・そ、そうね。役立たずどころではない・・のじゃないかしら」
「ゴブ」
「今回は初めてだからサービスです。次回からは金貨1枚もらいます、なんちゃって・・と言っていますわ」
「「 金貨1枚! 」」
一斉にハモった。
金貨1枚というと日本での10万円ぐらいだと説明されたゴブ。
少し吹っ掛け過ぎたゴブか?
「金貨1枚で古傷の欠損を復元・・・」
誰かがつぶやいた。
「ぐふぅぅ、次回はもう必要ありません。ただこの1回でもまたチャンスを与えられたならそれ以上は・・・うぅ」
また泣き出してしまった。金貨1枚がそんなに辛いゴブかな。しまったゴブ。
「そ~なんです。お嬢様のテイマースキルはすごいのです。ゴブリンさんを使って、長年悩んでいた私の手のあかぎれもきれいに治してくれましたし」
ぽんこつメイドがどや顔で自慢し始めた。
お嬢様が従魔を通して魔法を使うっていう設定はまだ残っていたのかゴブ。
「いや、あかぎれの修復と今の奇跡はちょっと格が違うのでは・・・」
だんだん他のメイドさんたちも我に返ってきたようだ。
「マゼンタ、よく見せて頂戴。本当に復元されたのかしら?」
奥様も通常モードに戻ってきたようだ。
「よくお顔も見せて、ああ、頬のキズも耳の欠損も治っているわ」
「少し寝室に戻ります。マゼンタ、いらっしゃい」
奥様はつかつかと速足で隣りの部屋に入っていった。
貴族って自分では扉の開け閉めをしないって聞いていたけど今、自分で開けて入っていったな。なかなか気さくな庶民感覚のある方なのかも。
扉が閉まると中からメイドさんの焦る声がしてくる。
「ああっ。奥様、自分で脱ぎますから!少し待ってください」
・・中でナニが行われているんだゴブ。わたしは幼生体なのでよく分からないゴブ。
「すごくきれいよ、マゼンタ。背中まで本当にキズひとつ無い・・頬ずりしたくなるぐらい・・・」
娘がいるのにナニをしているんだゴブ。教育に悪いゴブな。
「こっちも新品のようになったのかしら」
「ひぇぇ、奥様それは勘弁してくださいぃ~」
「やっぱりきれいな新品になっているわ・・・」
「治る前から新品なんです~」
ふう~やれやれ、お邪魔したら悪いゴブ。今日のところはさっさと帰るゴブ。
出てきた3枚のクッキーも食べ終わったゴブ。
帰ろうとしたら扉の前にメイドさんが立っている。
よく見ると窓や出入口全てにさりげなくメイドさんが立って帰れなくなっている。
「ゴブ~?」(まだこの部屋にいなきゃだめゴブか?」
「お母様が戻られるまで帰れる訳ないでしょ。マゼンタの体がどこまで治っているか確かめてるだけですからもうしばらくですわ。私のクッキーも食べていいですわよ」
「ゴブ」(仕方ないゴブ。では遠慮なくゴブ)
わたしはお嬢様の皿からクッキー3枚全部とって口に入れた。
「ああー!ちょっと、誰が全部食べていいって言ったのよ。1枚あげるってことだったのに!返しなさい」
「ゴブッフ~」(もう今日は甘いものはいらないゴブ~)
バァン!
扉が大きな音をたてて開いた。
奥様が興奮気味で歩いてくる。
貴族って自分では扉の開け閉めをしないって聞いていたけど(以下省略)
ってか、メイドさんがパンツ履いている最中に扉が全開だし、ケツ丸出しだゴブ。
メス同士だから全然興奮しないけどな・・・。
「アイラ。よく頑張りました。テイマースキルでこのゴブリンさんを従魔にした判断はさすがです。私と同じであなたも人を見る目があるのですね。誇らしいです」
「ありがとうございます、お母様。でも最初は誰もミセッティの優秀さに気付かなくて、マリーなんて処分してもっとかわいい従魔にしましょうとか言っていましたわ」
「ふふふ、マリー。魔物といえど悪さをしなければ同じ大地に生きる女神様の創造物です。心を通わせれば一つの大切な命だと気づくはずですよ」
「ええと、さっき奥様も侯爵家にゴブリンはふさわしくない的な・・・ぐぇ」
後ろからチョーカーを絞められてやんの。ばかゴブな~。
そしてここのメイドさん全員、足音が一切しないゴブ。こわっ。
なぜか静まりかえってしまったゴブ。
伏し目がちに周囲に気を配っていた仕事の出来そうなメイドさんたちも目を開いて驚きの表情のまま固まっている。
「あああ・・ああ!毒に侵され、右手を捨てて、剣を捨てて・・・戦えぬ身となり、ただこの身を盾にするしか無いと思い恥をさらしながら生きている私が・・・!」
「お嬢様・・ありがとうございます・・またこの手で剣が握れる日が来ようとは!」
「え、ええ(いきなり回復魔法使うからびっくりしたじゃないの)コソコソ」
「ゴブ」(ひとさし指をくるくるしていたゴブ、近くの人間を癒す合図ゴブ)
「(あれは少し動揺して落ち着くために髪を指で巻いていただけですわ)コソコソ」
「ゴブ」(そんなクセがあるなら最初から言うゴブ。紛らわしいゴブ)
「お母様、これでミセッティが役立たずでは無いことがお分かりいただけましたか」
「ええ・・そ、そうね。役立たずどころではない・・のじゃないかしら」
「ゴブ」
「今回は初めてだからサービスです。次回からは金貨1枚もらいます、なんちゃって・・と言っていますわ」
「「 金貨1枚! 」」
一斉にハモった。
金貨1枚というと日本での10万円ぐらいだと説明されたゴブ。
少し吹っ掛け過ぎたゴブか?
「金貨1枚で古傷の欠損を復元・・・」
誰かがつぶやいた。
「ぐふぅぅ、次回はもう必要ありません。ただこの1回でもまたチャンスを与えられたならそれ以上は・・・うぅ」
また泣き出してしまった。金貨1枚がそんなに辛いゴブかな。しまったゴブ。
「そ~なんです。お嬢様のテイマースキルはすごいのです。ゴブリンさんを使って、長年悩んでいた私の手のあかぎれもきれいに治してくれましたし」
ぽんこつメイドがどや顔で自慢し始めた。
お嬢様が従魔を通して魔法を使うっていう設定はまだ残っていたのかゴブ。
「いや、あかぎれの修復と今の奇跡はちょっと格が違うのでは・・・」
だんだん他のメイドさんたちも我に返ってきたようだ。
「マゼンタ、よく見せて頂戴。本当に復元されたのかしら?」
奥様も通常モードに戻ってきたようだ。
「よくお顔も見せて、ああ、頬のキズも耳の欠損も治っているわ」
「少し寝室に戻ります。マゼンタ、いらっしゃい」
奥様はつかつかと速足で隣りの部屋に入っていった。
貴族って自分では扉の開け閉めをしないって聞いていたけど今、自分で開けて入っていったな。なかなか気さくな庶民感覚のある方なのかも。
扉が閉まると中からメイドさんの焦る声がしてくる。
「ああっ。奥様、自分で脱ぎますから!少し待ってください」
・・中でナニが行われているんだゴブ。わたしは幼生体なのでよく分からないゴブ。
「すごくきれいよ、マゼンタ。背中まで本当にキズひとつ無い・・頬ずりしたくなるぐらい・・・」
娘がいるのにナニをしているんだゴブ。教育に悪いゴブな。
「こっちも新品のようになったのかしら」
「ひぇぇ、奥様それは勘弁してくださいぃ~」
「やっぱりきれいな新品になっているわ・・・」
「治る前から新品なんです~」
ふう~やれやれ、お邪魔したら悪いゴブ。今日のところはさっさと帰るゴブ。
出てきた3枚のクッキーも食べ終わったゴブ。
帰ろうとしたら扉の前にメイドさんが立っている。
よく見ると窓や出入口全てにさりげなくメイドさんが立って帰れなくなっている。
「ゴブ~?」(まだこの部屋にいなきゃだめゴブか?」
「お母様が戻られるまで帰れる訳ないでしょ。マゼンタの体がどこまで治っているか確かめてるだけですからもうしばらくですわ。私のクッキーも食べていいですわよ」
「ゴブ」(仕方ないゴブ。では遠慮なくゴブ)
わたしはお嬢様の皿からクッキー3枚全部とって口に入れた。
「ああー!ちょっと、誰が全部食べていいって言ったのよ。1枚あげるってことだったのに!返しなさい」
「ゴブッフ~」(もう今日は甘いものはいらないゴブ~)
バァン!
扉が大きな音をたてて開いた。
奥様が興奮気味で歩いてくる。
貴族って自分では扉の開け閉めをしないって聞いていたけど(以下省略)
ってか、メイドさんがパンツ履いている最中に扉が全開だし、ケツ丸出しだゴブ。
メス同士だから全然興奮しないけどな・・・。
「アイラ。よく頑張りました。テイマースキルでこのゴブリンさんを従魔にした判断はさすがです。私と同じであなたも人を見る目があるのですね。誇らしいです」
「ありがとうございます、お母様。でも最初は誰もミセッティの優秀さに気付かなくて、マリーなんて処分してもっとかわいい従魔にしましょうとか言っていましたわ」
「ふふふ、マリー。魔物といえど悪さをしなければ同じ大地に生きる女神様の創造物です。心を通わせれば一つの大切な命だと気づくはずですよ」
「ええと、さっき奥様も侯爵家にゴブリンはふさわしくない的な・・・ぐぇ」
後ろからチョーカーを絞められてやんの。ばかゴブな~。
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