490 / 499
第二部「ハルコン青年期」
50 帝都での出来事_01
しおりを挟む
「ハルコン殿ぉ―っ、ハルコン殿ぉ――っ!!」
旅団が帝都に入ってから、目抜き通りで群衆に取り囲まれてしまって立ち往生していた時、……。
外部から、指揮車両のドアを強くノックする者がいた。
何度も私(ハルコン)の名前を呼んでいたけど。ホンと誰だろう?
「一体、誰かしら? この車両には両国の王族、皇族が乗車しているのよ!」
少し群衆にうんざり気味のシルファー団長が、不愉快さを隠さずにそう仰ると、ステラ殿下も若干不安そうにこくりと頷く。
「私、見てきます!」
両殿下の護衛騎士を務めるミラが席を立つと、アントン騎士長に一度確認してから、ドアノブをグッと握った。
「はい、どちら様ですか?」
ミラがおそるおそるドアを開けて、その相手を見ると、……。
「ハルコン殿はおらぬか? 突然消えていなくなるものだから、こちらは四方八方探し回ったのだぞ!」
何と、国境の関門付近で旅団に接触してきた、帝国の宮殿護衛騎士長だった。
「えっ、関門からこちらまで追いかけてこられたのですか?」
ミラが思わずそう声をかけると、……。
相手の騎士長は「無論(むろん)だ!」といって、大きく胸を張った。
こりゃぁ、マズいな。ミラだとちゃんと対応できないだろうから、私がいった方がいいだろうなぁ、とハルコンは思った。
それで腰を上げたところ、……。
「ちょい待ち!」
「えっ!?」
シルファー団長はそう仰りながら、こちらの右手首をグッと握って、一緒に立ち上がった。
「私も参ります!」
ステラ殿下も後に続き、3人でミラと騎士長の許に近付いた。
傍らにはアントン騎士長も控えているので、相手もいきなり殴りかかってきたりはしないだろうね、……たぶん。
すると、帝国の騎士長の隣りには、前回仲介を頼んだ弓使いの女エルフがいた。
『もしもの時は、頼みますよ!』
『了解です、ハルコン様!』
念話でそうやり取りすると、改めて相手をじっと見た。
「あら、あらぁ、お久しぶりですねぇ、……。帝国の騎士団長殿!」
「グッ、ムウゥゥ、……」
さっそくシルファー団長が噛ましてくれると、相手はぐうの音も出ないように、ぎろりと一瞬強く睨んだ。
これは、初(しょ)っ端(ぱな)からマズいかもなぁ、……とハルコンは思った。
旅団が帝都に入ってから、目抜き通りで群衆に取り囲まれてしまって立ち往生していた時、……。
外部から、指揮車両のドアを強くノックする者がいた。
何度も私(ハルコン)の名前を呼んでいたけど。ホンと誰だろう?
「一体、誰かしら? この車両には両国の王族、皇族が乗車しているのよ!」
少し群衆にうんざり気味のシルファー団長が、不愉快さを隠さずにそう仰ると、ステラ殿下も若干不安そうにこくりと頷く。
「私、見てきます!」
両殿下の護衛騎士を務めるミラが席を立つと、アントン騎士長に一度確認してから、ドアノブをグッと握った。
「はい、どちら様ですか?」
ミラがおそるおそるドアを開けて、その相手を見ると、……。
「ハルコン殿はおらぬか? 突然消えていなくなるものだから、こちらは四方八方探し回ったのだぞ!」
何と、国境の関門付近で旅団に接触してきた、帝国の宮殿護衛騎士長だった。
「えっ、関門からこちらまで追いかけてこられたのですか?」
ミラが思わずそう声をかけると、……。
相手の騎士長は「無論(むろん)だ!」といって、大きく胸を張った。
こりゃぁ、マズいな。ミラだとちゃんと対応できないだろうから、私がいった方がいいだろうなぁ、とハルコンは思った。
それで腰を上げたところ、……。
「ちょい待ち!」
「えっ!?」
シルファー団長はそう仰りながら、こちらの右手首をグッと握って、一緒に立ち上がった。
「私も参ります!」
ステラ殿下も後に続き、3人でミラと騎士長の許に近付いた。
傍らにはアントン騎士長も控えているので、相手もいきなり殴りかかってきたりはしないだろうね、……たぶん。
すると、帝国の騎士長の隣りには、前回仲介を頼んだ弓使いの女エルフがいた。
『もしもの時は、頼みますよ!』
『了解です、ハルコン様!』
念話でそうやり取りすると、改めて相手をじっと見た。
「あら、あらぁ、お久しぶりですねぇ、……。帝国の騎士団長殿!」
「グッ、ムウゥゥ、……」
さっそくシルファー団長が噛ましてくれると、相手はぐうの音も出ないように、ぎろりと一瞬強く睨んだ。
これは、初(しょ)っ端(ぱな)からマズいかもなぁ、……とハルコンは思った。
10
あなたにおすすめの小説
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた
季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】
気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。
手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!?
傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。
罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚!
人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる