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第一部「ハルコン少年期」
37 研究所の長い一日_17
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* *
「それでは、……ひと先ず落ち着いたところで、軽い質問をさせて下さい。その点は構いませんね?」
「「「「「「「「「「「「えぇ、もちろんでさっ!」」」」」」」」」」」」
ハルコンの言葉に、隊商のリーダー格の男を始め、メンバー達は快活に応じた。
隊商の12名は先ほどまでいた特別隔離室を出て、今は短期滞在者向けの部屋に移動していた。
その部屋は大人数でも泊まることのできるよう、簡易ベッドと小机と丸椅子のみ用意された簡素な大部屋だ。
昼にはまだ早く、朝の陽光が窓から差している。開け放たれた窓からは、若干湿気を含んだ涼しい風が入ってきて、真夏とはいえ、とても快適な環境だと言っていいだろう。
そんな中、ハルコンとカルソン教授による面談は、隊商のメンバーが終始リラックスした様子で行われた。
「……とまぁ、そんな具合でしてな。我々はサスパニアとコリンドの国境付近の原野の沼地で、弱っている渡り鳥の群れを見つけたんですぜ!」
「なるほど。渡り鳥ですか?」
「えぇ、季節的に、飛翔にまだ慣れていない若鳥を拾うこともできましてな。特に弓矢や罠を使わずとも、簡単に手に入れることができるんさね」
「隊商の皆さんは、よくそんな弱った鳥を食べるんですか?」
「あぁ。若鳥の身は柔らかくて旨いですぜ! 移動中の貴重な栄養だな!」
「なるほど、……」
ハルコンが笑顔で応じると、隊商のメンバー達もニヤリと笑った。
内心では、「よくそんな落ちてたもん、拾い食いできるなぁ!」と呆れていたのだが、……。でも、彼らにとっては、それがごくごく普通のことのようだ。
この世界にはまだブロイラーがなく、冷凍設備や道具はほぼセイントーク領でのみ生産している高級品だ。
そのため、一般人、それも平民の身分で氷魔石をふんだんに使った魔道具を用意するのは難しいことと言えるだろう。
だから、人々は移動の際、食料は自ずと塩漬けの物か現地調達が必然となる。
なるほどねぇ、……。そういうことなら、フラワーインフルエンザに感染した植物を摂取した鳥を食べてしまったことが、今回の原因なのかもしれないなぁとハルコンは思った。
ちらりと隣りに座るカルソン教授を見ると、彼も同様にこちらを見て頷いてくる。
どうやら、教授も私と同じ見解なのだろうとハルコンは思った。
「とはいえ、ひとつ気になることがあるんでさ!」
隊商のメンバーの20代半ばくらいの青年が、コメントを求めてきた。
ハルコンとカルソン教授はお互い無言で頷き合うと、「伺いましょう!」といって話を促した。
「原野の途中の沼地で、いつものように弱っていた渡り鳥を拾ったらさ、首に小さな金属の容器が巻き付けてあったんでさ!」
「小さな容器、……ですか?」
「それが、ちっこいのによくできたものでさ。売ったら小遣い稼ぎになると思って、内緒で持っていたんだ!」
「おぃ、ハンスッ! テメェ、リーダーのオレに断りなく、ガメてやがったのか!」
「オレが拾ったんだぜ! いいだろ、そんぐらいっ!」
「何だと、テメェッ!」
今にも喧嘩になりそうな雰囲気に、「まぁまぁ落ち着いて!」といって、ハルコンは自制を促した。
とはいえ、その金属の小さな容器、……その中身が非常に気になるところだ。
「とりあえず、ハンスさん。その容器を私に見せて頂けますか?」
「あぁっ。ハルコンの旦那ならっ!」
そう言って、ハンスは懐から小さな巾着袋をひとつ取り出した。
「それでは、……ひと先ず落ち着いたところで、軽い質問をさせて下さい。その点は構いませんね?」
「「「「「「「「「「「「えぇ、もちろんでさっ!」」」」」」」」」」」」
ハルコンの言葉に、隊商のリーダー格の男を始め、メンバー達は快活に応じた。
隊商の12名は先ほどまでいた特別隔離室を出て、今は短期滞在者向けの部屋に移動していた。
その部屋は大人数でも泊まることのできるよう、簡易ベッドと小机と丸椅子のみ用意された簡素な大部屋だ。
昼にはまだ早く、朝の陽光が窓から差している。開け放たれた窓からは、若干湿気を含んだ涼しい風が入ってきて、真夏とはいえ、とても快適な環境だと言っていいだろう。
そんな中、ハルコンとカルソン教授による面談は、隊商のメンバーが終始リラックスした様子で行われた。
「……とまぁ、そんな具合でしてな。我々はサスパニアとコリンドの国境付近の原野の沼地で、弱っている渡り鳥の群れを見つけたんですぜ!」
「なるほど。渡り鳥ですか?」
「えぇ、季節的に、飛翔にまだ慣れていない若鳥を拾うこともできましてな。特に弓矢や罠を使わずとも、簡単に手に入れることができるんさね」
「隊商の皆さんは、よくそんな弱った鳥を食べるんですか?」
「あぁ。若鳥の身は柔らかくて旨いですぜ! 移動中の貴重な栄養だな!」
「なるほど、……」
ハルコンが笑顔で応じると、隊商のメンバー達もニヤリと笑った。
内心では、「よくそんな落ちてたもん、拾い食いできるなぁ!」と呆れていたのだが、……。でも、彼らにとっては、それがごくごく普通のことのようだ。
この世界にはまだブロイラーがなく、冷凍設備や道具はほぼセイントーク領でのみ生産している高級品だ。
そのため、一般人、それも平民の身分で氷魔石をふんだんに使った魔道具を用意するのは難しいことと言えるだろう。
だから、人々は移動の際、食料は自ずと塩漬けの物か現地調達が必然となる。
なるほどねぇ、……。そういうことなら、フラワーインフルエンザに感染した植物を摂取した鳥を食べてしまったことが、今回の原因なのかもしれないなぁとハルコンは思った。
ちらりと隣りに座るカルソン教授を見ると、彼も同様にこちらを見て頷いてくる。
どうやら、教授も私と同じ見解なのだろうとハルコンは思った。
「とはいえ、ひとつ気になることがあるんでさ!」
隊商のメンバーの20代半ばくらいの青年が、コメントを求めてきた。
ハルコンとカルソン教授はお互い無言で頷き合うと、「伺いましょう!」といって話を促した。
「原野の途中の沼地で、いつものように弱っていた渡り鳥を拾ったらさ、首に小さな金属の容器が巻き付けてあったんでさ!」
「小さな容器、……ですか?」
「それが、ちっこいのによくできたものでさ。売ったら小遣い稼ぎになると思って、内緒で持っていたんだ!」
「おぃ、ハンスッ! テメェ、リーダーのオレに断りなく、ガメてやがったのか!」
「オレが拾ったんだぜ! いいだろ、そんぐらいっ!」
「何だと、テメェッ!」
今にも喧嘩になりそうな雰囲気に、「まぁまぁ落ち着いて!」といって、ハルコンは自制を促した。
とはいえ、その金属の小さな容器、……その中身が非常に気になるところだ。
「とりあえず、ハンスさん。その容器を私に見せて頂けますか?」
「あぁっ。ハルコンの旦那ならっ!」
そう言って、ハンスは懐から小さな巾着袋をひとつ取り出した。
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