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番外編 クルミ
叱責?
しおりを挟む「クルミお前、中身まで紬にそっくりだな?」
「母様には……」
「言わないでいるよ。倒れちまうだろ」
「はい………………申し訳ありません、父様……」
あの後すぐに父様に母屋に呼ばれた。
怒られるかとおもいきや、特段それといった感じはない。
「ったく…………紬もお前も目を離すとすぐどっか行きやがる…………クロムがガキの時はまだ良かった、あいつが始終くっ付いてたからな」
クロム兄様は母様を本当に大切になさっている。私が生まれる前のことは分からないけれど、母様を守って叙勲された事もあるらしい。
「はあ~~~肝が冷えたぞ、必ず秋を付けろ」
「はい…………」
「分かったならいい、無事で良かった」
父様が私を優しく見る。
父様に怒られた事は無い。今回はと思ったけど、やっぱり怒られなかった。
小さい時など、私を抱いて兄様達を叱り、私に怒鳴り声を聞かせたのは兄様達が悪いと超絶理不尽な理由でまた兄様達を怒っていたぐらいだ。
「父様…………あの、あの方は、どうなったのでしょうか?」
「あいつなら王宮の医務室にいるよ。クロムの魔力で気を失ったらしい、そのうち起きるだろ」
「つかまる……のですか?」
父様は私をじっと見る。何だろう、どう言えばわかってもらえる?
「お前が護衛を頼んだんだろ?」
「————っ、はい、私がっっ」
またじわじわと涙が出てくる感覚があるけれど、頑張らないといけない。
父様はきっと全部分かってる。
分かっていて、それを真実にしようとして下さってる。
「コーネルには内密に厳重注意ってとこだな」
「はい!はいっ、父様!!ありがとうございます!!!」
「あいつに会うなら、秋をちゃんと付けろよ」
一礼して踵を返して走り出す。
最後に父様が何か言ってたけれど聞こえなかったしまぁいいや。
「はぁ~~~聞いてねぇ、どこまで紬そっくりなのか…………」
————「リヒトさま?クルミが走って出て行ったけどどうしたの?」
「うおっ!紬!パーティーはもういいのか!?」
「リヒトさまともっと踊りたかったのに!なんでどっか行くの!!!レスター達まで!!」
「あーーーっと、すまん、今からでもまた行くか?」
「1人で行く!!!違う人と踊る!!!!」
「は!?まて!!!!!!」
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