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22.不穏な手紙
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「これは……」
私は、ウォーマン侯爵に届いた手紙を読んだ。
すると、そこには驚くべきことが記されていた。
手紙には、オルバディオン公爵に関することが記されている。彼の恐るべき計画が、何者かによって語られているのだ。
「どういうことですか? この手紙は?」
「それが、私にもわからないのです。その手紙によると、オルバディオン公爵は王国への謀反を企てているそうです。彼の場合、その可能性はないとは言い切れません。ですが、本当なのかどうかはいささか疑問がありますな」
手紙に記されていたのは、オルバディオン公爵の謀反だった。
ウォーマン侯爵の言う通り、ジグールならばその可能性はない訳ではない。
ただ、この出所不明な手紙のことを鵜呑みにできるかどうかは別の話である。
だから、侯爵は私にあんな質問をしたのだろう。この手紙の真偽を確かめるために。
「つまり、王女にはオルバディオン公爵が謀反に関する何かをしていなかったかを聞きたいのです」
「なるほど……」
「どうですか? 何か心当たりはありませんか?」
「……すみません。わからないんです。私は、部屋に閉じ込められていましたから……」
私は、オルバディオン公爵家での暮らしを思い出した。
だが、正直わからない。ずっと閉じ込められていた私は、公爵の動きを知る機会などなかったのだ。
私が知っているのは、窓からの景色だけである。それ以外にわかっていることは少ない。客人などのことも、わからないのだ。
「うむ……事情を考えれば、仕方ないことですな。それなら、公爵に不満を持っている者などを知りませんか?」
「不満を持っている者?」
「この手紙の出所も、気になる所です。もしかしたら、オルバディオン公爵家の中で、当主に不満を持っている者がいるのではないかと思いまして……」
「それは、確かにそうですね」
私は、ウォーマン侯爵の言葉に再び思考を始める。
オルバディオン公爵家の使用人ならば、私も多少なりとも関わりがあった。その中で、公爵に不満を持っていた人はいただろうか。
基本的に、皆仕事は真面目にこなしていたはずだ。公爵の指示に従い、私に余計なことは言わずに業務にあたっていたような気がする。
そこからは、不満のようなものは見えてこない。こちらも、手がかりがないようである。
「申し訳ありません。そちらにも心当たりはありません」
「そうですか……」
ウォーマン侯爵は、私の言葉にゆっくりと目を瞑った。
それは、何かを考えるような仕草に見える。恐らく、この手紙のことを熟考しているのだろう。
私は、ウォーマン侯爵に届いた手紙を読んだ。
すると、そこには驚くべきことが記されていた。
手紙には、オルバディオン公爵に関することが記されている。彼の恐るべき計画が、何者かによって語られているのだ。
「どういうことですか? この手紙は?」
「それが、私にもわからないのです。その手紙によると、オルバディオン公爵は王国への謀反を企てているそうです。彼の場合、その可能性はないとは言い切れません。ですが、本当なのかどうかはいささか疑問がありますな」
手紙に記されていたのは、オルバディオン公爵の謀反だった。
ウォーマン侯爵の言う通り、ジグールならばその可能性はない訳ではない。
ただ、この出所不明な手紙のことを鵜呑みにできるかどうかは別の話である。
だから、侯爵は私にあんな質問をしたのだろう。この手紙の真偽を確かめるために。
「つまり、王女にはオルバディオン公爵が謀反に関する何かをしていなかったかを聞きたいのです」
「なるほど……」
「どうですか? 何か心当たりはありませんか?」
「……すみません。わからないんです。私は、部屋に閉じ込められていましたから……」
私は、オルバディオン公爵家での暮らしを思い出した。
だが、正直わからない。ずっと閉じ込められていた私は、公爵の動きを知る機会などなかったのだ。
私が知っているのは、窓からの景色だけである。それ以外にわかっていることは少ない。客人などのことも、わからないのだ。
「うむ……事情を考えれば、仕方ないことですな。それなら、公爵に不満を持っている者などを知りませんか?」
「不満を持っている者?」
「この手紙の出所も、気になる所です。もしかしたら、オルバディオン公爵家の中で、当主に不満を持っている者がいるのではないかと思いまして……」
「それは、確かにそうですね」
私は、ウォーマン侯爵の言葉に再び思考を始める。
オルバディオン公爵家の使用人ならば、私も多少なりとも関わりがあった。その中で、公爵に不満を持っていた人はいただろうか。
基本的に、皆仕事は真面目にこなしていたはずだ。公爵の指示に従い、私に余計なことは言わずに業務にあたっていたような気がする。
そこからは、不満のようなものは見えてこない。こちらも、手がかりがないようである。
「申し訳ありません。そちらにも心当たりはありません」
「そうですか……」
ウォーマン侯爵は、私の言葉にゆっくりと目を瞑った。
それは、何かを考えるような仕草に見える。恐らく、この手紙のことを熟考しているのだろう。
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