14 / 16
14.両親と対峙して
しおりを挟む
「アゼリア、ラウファス伯爵家に戻って来い。今のお前なら認めてやってもいい」
「はい……?」
「お前の活躍は聞いている。ラウファス伯爵家に戻るために努力をしたようだな? その成果に関して私は評価するとしよう。お前にはどうやら多大な才能があるようだ」
父の笑みを見ながら、私は呆れていた。
ルオードとレネシアを助けるために準備をした私は、ラウファス伯爵家に乗り込んだ。
それを快く受け入れた両親は、私と付き添いのクルード様を客室に招いた。それで言われたのが、今の言葉だ。
「お前なんか娘じゃないと追い出しておいて、才能があるから戻って来いと言われましても」
「強がりはよせ。貴族の令嬢としての生活を手放したいものがどこにいる。お前の望むものがここにはあるのだ」
「それは勘違いというものです。私の望むものは、ここなどにはありません」
お父様の言葉に、私はゆっくりと首を横に振った。
言葉の通り、ラウファス伯爵家で暮らすことは幸せなどではない。父と母という巨悪がいる限り、未来は真っ暗だ。
だから私は、準備を重ねてきたのである。この日のために、ゴートン侯爵やフェリトン公爵家、各所に掛け合ってきた。
「アゼリア、いい加減にしなさい。あなたはこのラウファス伯爵家に尽くすために生まれてきたのよ。それがあなたの存在価値なの」
「……お母様、あなたがレネシアに何をしていたのか、私は知っていますよ」
「え?」
「あなたはどこまでも身勝手で、自らの欲望に塗れた人ですね……誰が父親かなんて関係なかったのでしょう? あなたはレネシアを傷つけた」
「……何の話だ?」
私の指摘に対してお母様が目を丸めている中、ラウファス伯爵は交互に私達を見た。
彼はその事実については、知らなかったということだろうか。この夫婦は別に統率が取れているという訳ではないらしい。
「お父様、あなたもルオードに対して過激になったとか……」
「……次期伯爵として必要なことをしているまでのことだ」
「そうでしょうかね? あなた方の行いを聞いて、多くの貴族が何を思うか……」
「なんだと?」
「内情はどうあれ、社交界というものは潔白を求める場所です。ラウファス伯爵家で行われている非道の数々は、どう捉えられるのでしょうかね?」
「……貴様! まさか先程のことを誰かに漏らしたのか!」
私の言葉に、ラウファス伯爵は怒号を飛ばした。
先程の情報が外部に漏れたどうなるか、流石にそれくらいはわかっているらしい。
お母様の方も、目を見開いている。ここで二人は、自分達が危機的状況にあるということを悟ったようだ。
「はい……?」
「お前の活躍は聞いている。ラウファス伯爵家に戻るために努力をしたようだな? その成果に関して私は評価するとしよう。お前にはどうやら多大な才能があるようだ」
父の笑みを見ながら、私は呆れていた。
ルオードとレネシアを助けるために準備をした私は、ラウファス伯爵家に乗り込んだ。
それを快く受け入れた両親は、私と付き添いのクルード様を客室に招いた。それで言われたのが、今の言葉だ。
「お前なんか娘じゃないと追い出しておいて、才能があるから戻って来いと言われましても」
「強がりはよせ。貴族の令嬢としての生活を手放したいものがどこにいる。お前の望むものがここにはあるのだ」
「それは勘違いというものです。私の望むものは、ここなどにはありません」
お父様の言葉に、私はゆっくりと首を横に振った。
言葉の通り、ラウファス伯爵家で暮らすことは幸せなどではない。父と母という巨悪がいる限り、未来は真っ暗だ。
だから私は、準備を重ねてきたのである。この日のために、ゴートン侯爵やフェリトン公爵家、各所に掛け合ってきた。
「アゼリア、いい加減にしなさい。あなたはこのラウファス伯爵家に尽くすために生まれてきたのよ。それがあなたの存在価値なの」
「……お母様、あなたがレネシアに何をしていたのか、私は知っていますよ」
「え?」
「あなたはどこまでも身勝手で、自らの欲望に塗れた人ですね……誰が父親かなんて関係なかったのでしょう? あなたはレネシアを傷つけた」
「……何の話だ?」
私の指摘に対してお母様が目を丸めている中、ラウファス伯爵は交互に私達を見た。
彼はその事実については、知らなかったということだろうか。この夫婦は別に統率が取れているという訳ではないらしい。
「お父様、あなたもルオードに対して過激になったとか……」
「……次期伯爵として必要なことをしているまでのことだ」
「そうでしょうかね? あなた方の行いを聞いて、多くの貴族が何を思うか……」
「なんだと?」
「内情はどうあれ、社交界というものは潔白を求める場所です。ラウファス伯爵家で行われている非道の数々は、どう捉えられるのでしょうかね?」
「……貴様! まさか先程のことを誰かに漏らしたのか!」
私の言葉に、ラウファス伯爵は怒号を飛ばした。
先程の情報が外部に漏れたどうなるか、流石にそれくらいはわかっているらしい。
お母様の方も、目を見開いている。ここで二人は、自分達が危機的状況にあるということを悟ったようだ。
125
あなたにおすすめの小説
病弱を演じていた性悪な姉は、仮病が原因で大変なことになってしまうようです
柚木ゆず
ファンタジー
優秀で性格の良い妹と比較されるのが嫌で、比較をされなくなる上に心配をしてもらえるようになるから。大嫌いな妹を、召し使いのように扱き使えるから。一日中ゴロゴロできて、なんでも好きな物を買ってもらえるから。
ファデアリア男爵家の長女ジュリアはそんな理由で仮病を使い、可哀想な令嬢を演じて理想的な毎日を過ごしていました。
ですが、そんな幸せな日常は――。これまで彼女が吐いてきた嘘によって、一変してしまうことになるのでした。
隣にある古い空き家に引っ越してきた人達は、10年前に縁を切った家族でした
柚木ゆず
恋愛
10年前――まだわたしが男爵令嬢リーリスだった頃のこと。お父様、お母様、妹は自分達が散財した穴埋めのため、当時住み込みで働いていた旧友の忘れ形見・オルズくんを悪趣味な貴族に高値で売ろうとしていました。
偶然それを知ったわたしはオルズくんを連れてお屋敷を去り、ジュリエットとガスパールと名を変え新たな人生を歩み始めたのでした。
そんなわたし達はその後ガスパールくんの努力のおかげで充実した日々を過ごしており、今日は新生活が10年目を迎えたお祝いをしていたのですが――その最中にお隣に引っ越してこられた人達が挨拶に来てくださり、そこで信じられない再会を果たすこととなるのでした。
「まだ気付かないのか!? 我々はお前の父であり母であり妹だ!!」
初対面だと思っていた方々は、かつてわたしの家族だった人達だったのです。
しかもそんな3人は、わたし達が気付けない程に老けてやつれてしまっていて――
私の宝物を奪っていく妹に、全部あげてみた結果
柚木ゆず
恋愛
※4月27日、本編完結いたしました。明日28日より、番外編を投稿させていただきます。
姉マリエットの宝物を奪うことを悦びにしている、妹のミレーヌ。2人の両親はミレーヌを溺愛しているため咎められることはなく、マリエットはいつもそんなミレーヌに怯えていました。
ですが、ある日。とある出来事によってマリエットがミレーヌに宝物を全てあげると決めたことにより、2人の人生は大きく変わってゆくのでした。
姉の婚約者を奪おうとする妹は、魅了が失敗する理由にまだ気付かない
柚木ゆず
恋愛
「お姉ちゃん。今日からシュヴァリエ様は、わたしのものよ」
いつも私を大好きだと言って慕ってくれる、優しい妹ソフィー。その姿は世間体を良くするための作り物で、本性は正反対だった。実際は欲しいと思ったものは何でも手に入れたくなる性格で、私から婚約者を奪うために『魅了』というものをかけてしまったようです……。
でも、あれ?
シュヴァリエ様は引き続き私に優しくしてくださって、私を誰よりも愛していると仰ってくださいます。
ソフィーに魅了されてしまったようには、思えないのですが……?
結婚式当日に私の婚約者と駆け落ちした妹が、一年後に突然帰ってきました
柚木ゆず
恋愛
「大変な目に遭ってっ、ナルシスから逃げてきたんですっ! お父様お姉様っ、助けてくださいっ!!」
1年前、結婚式当日。当時わたしの婚約者だったナルシス様と駆け落ちをした妹のメレーヌが、突然お屋敷に現れ助けを求めてきました。
ふたりは全てを捨ててもいいから一緒に居たいと思う程に、相思相愛だったはず。
それなのに、大変な目に遭って逃げてくるだなんて……。
わたしが知らないところで、何があったのでしょうか……?
私から婚約者を奪った妹が、1年後に泣きついてきました
柚木ゆず
恋愛
『お姉ちゃん。お姉ちゃんのヌイグルミ、欲しくなったの。あたしにちょうだい』
両親に溺愛される妹・ニナは私が大切にしている物を欲しがり、昔からその全てを奪ってきました。
そしてやがては私から婚約者を奪い、自分が婚約者となって彼の家で同棲を始めたのです。
ですが、それから1年後。
『お姉様助けてっ! あの男をどうにかしてっ!!』
そんな妹が突然帰ってきて、いつも見下していた私に様付けをしながら泣きついてきたのです。
あちらでは仲良く、幸せに暮らしていたはずなのに。何があったのでしょうか……?
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
行き倒れていた人達を助けたら、8年前にわたしを追い出した元家族でした
柚木ゆず
恋愛
行き倒れていた3人の男女を介抱したら、その人達は8年前にわたしをお屋敷から追い出した実父と継母と腹違いの妹でした。
お父様達は貴族なのに3人だけで行動していて、しかも当時の面影がなくなるほどに全員が老けてやつれていたんです。わたしが追い出されてから今日までの間に、なにがあったのでしょうか……?
※体調の影響で一時的に感想欄を閉じております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる