13 / 50
13.侯爵夫妻への挨拶
しおりを挟む
私はバルハルド様と並んで、ベルージュ侯爵夫妻と対面していた。
ファナト様に似た優男のベルージュ侯爵、そんな彼に負けず劣らず優しそうな夫人、二人はなんというか、似た者夫婦といえるだろう。
そんな二人の息子が、心の根の優しいファナト様というのは、らしいといえばらしい。
「さてと、何から話すべきかな? まあ、リメリア嬢、どうかバルハルドのことをよろしくお願いします」
「あ、はい」
ベルージュ侯爵の言葉に、私はとりあえずゆっくりと頷く。
よく考えてみれば、私はバルハルド様がどのようにして、ベルージュ侯爵家に収まったのか、よく知らない。侯爵の言葉には、何か含みがあるような気がするのだが、その意図を読み取ることができないのだ。
それに、ベルージュ侯爵夫人が何を思っているのかも、わからない。
妾の子に対して、敵意などはないのだろうか。少なくとも今はそれはないように思えるのだが、バルハルド様とどのような関係性なのか、気になる。
とはいえ、それらについては中々聞けることでもないというのが、正直な所である。
繊細な問題であるし、相手から話してもらうのを待つしかないだろう。相手が話す気にならないなら、敢えて聞く必要もないことだ。気にしないようにするとしよう。
「……バルハルド君、リメリア嬢のことをきちんと大切にしてあげるのよ? それは言うまでもないことかもしれないけれど」
「……もちろんです、母上。最初から不幸にする気はありません」
ベルージュ侯爵夫人が話しかけたのは、私ではなくバルハルド様だった。
二人の間には、ぎこちない雰囲気などはない。確執などはない、もしくは既に解消されているということだろうか。それなら、少し安心することができる。
「リメリア嬢、あなたもバルハルド君の事情については、当然理解しているわよね? そのことでもしかしたら、苦労するかもしれないけれど……」
「大丈夫です。その辺りの覚悟は決めていますから。それに私の方も、ヴォンドラ伯爵家から追い出された身です。バルハルド様には、そのことで苦労をかけるかもしれません」
「そのことについて、俺はまったく持って気にしていない。気にする必要がないことに些細なことだ。何の障害にもなりはしない」
「……ふふっ、二人はお似合いみたいね」
私とバルハルド様の言葉に、ベルージュ侯爵夫人はお墨付きを与えてくれた。
どうやら私は、無事にバルハルド様と結婚することができそうだ。そう思って私は、笑顔を浮かべるのだった。
ファナト様に似た優男のベルージュ侯爵、そんな彼に負けず劣らず優しそうな夫人、二人はなんというか、似た者夫婦といえるだろう。
そんな二人の息子が、心の根の優しいファナト様というのは、らしいといえばらしい。
「さてと、何から話すべきかな? まあ、リメリア嬢、どうかバルハルドのことをよろしくお願いします」
「あ、はい」
ベルージュ侯爵の言葉に、私はとりあえずゆっくりと頷く。
よく考えてみれば、私はバルハルド様がどのようにして、ベルージュ侯爵家に収まったのか、よく知らない。侯爵の言葉には、何か含みがあるような気がするのだが、その意図を読み取ることができないのだ。
それに、ベルージュ侯爵夫人が何を思っているのかも、わからない。
妾の子に対して、敵意などはないのだろうか。少なくとも今はそれはないように思えるのだが、バルハルド様とどのような関係性なのか、気になる。
とはいえ、それらについては中々聞けることでもないというのが、正直な所である。
繊細な問題であるし、相手から話してもらうのを待つしかないだろう。相手が話す気にならないなら、敢えて聞く必要もないことだ。気にしないようにするとしよう。
「……バルハルド君、リメリア嬢のことをきちんと大切にしてあげるのよ? それは言うまでもないことかもしれないけれど」
「……もちろんです、母上。最初から不幸にする気はありません」
ベルージュ侯爵夫人が話しかけたのは、私ではなくバルハルド様だった。
二人の間には、ぎこちない雰囲気などはない。確執などはない、もしくは既に解消されているということだろうか。それなら、少し安心することができる。
「リメリア嬢、あなたもバルハルド君の事情については、当然理解しているわよね? そのことでもしかしたら、苦労するかもしれないけれど……」
「大丈夫です。その辺りの覚悟は決めていますから。それに私の方も、ヴォンドラ伯爵家から追い出された身です。バルハルド様には、そのことで苦労をかけるかもしれません」
「そのことについて、俺はまったく持って気にしていない。気にする必要がないことに些細なことだ。何の障害にもなりはしない」
「……ふふっ、二人はお似合いみたいね」
私とバルハルド様の言葉に、ベルージュ侯爵夫人はお墨付きを与えてくれた。
どうやら私は、無事にバルハルド様と結婚することができそうだ。そう思って私は、笑顔を浮かべるのだった。
620
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
結婚5年目のお飾り妻は、空のかなたに消えることにした
三崎こはく
恋愛
ラフィーナはカールトン家のお飾り妻だ。
書類上の夫であるジャンからは大量の仕事を押しつけられ、ジャンの愛人であるリリアからは見下され、つらい毎日を送っていた。
ある日、ラフィーナは森の中で傷ついたドラゴンの子どもを拾った。
屋敷に連れ帰って介抱すると、驚いたことにドラゴンは人の言葉をしゃべった。『俺の名前はギドだ!』
ギドとの出会いにより、ラフィーナの生活は少しずつ変わっていく――
※他サイトにも掲載
※女性向けHOT1位感謝!7/25完結しました!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】私に可愛げが無くなったから、離縁して使用人として雇いたい? 王妃修行で自立した私は離縁だけさせてもらいます。
西東友一
恋愛
私も始めは世間知らずの無垢な少女でした。
それをレオナード王子は可愛いと言って大層可愛がってくださいました。
大した家柄でもない貴族の私を娶っていただいた時には天にも昇る想いでした。
だから、貴方様をお慕いしていた私は王妃としてこの国をよくしようと礼儀作法から始まり、国政に関わることまで勉強し、全てを把握するよう努めてまいりました。それも、貴方様と私の未来のため。
・・・なのに。
貴方様は、愛人と床を一緒にするようになりました。
貴方様に理由を聞いたら、「可愛げが無くなったのが悪い」ですって?
愛がない結婚生活などいりませんので、離縁させていただきます。
そう、申し上げたら貴方様は―――
9番と呼ばれていた妻は執着してくる夫に別れを告げる
風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から言いたいことを言えずに、両親の望み通りにしてきた。
結婚だってそうだった。
良い娘、良い姉、良い公爵令嬢でいようと思っていた。
夫の9番目の妻だと知るまでは――
「他の妻たちの嫉妬が酷くてね。リリララのことは9番と呼んでいるんだ」
嫉妬する側妃の嫌がらせにうんざりしていただけに、ターズ様が側近にこう言っているのを聞いた時、私は良い妻であることをやめることにした。
※最後はさくっと終わっております。
※独特の異世界の世界観であり、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
完結 貴方が忘れたと言うのなら私も全て忘却しましょう
音爽(ネソウ)
恋愛
商談に出立した恋人で婚約者、だが出向いた地で事故が発生。
幸い大怪我は負わなかったが頭を強打したせいで記憶を失ったという。
事故前はあれほど愛しいと言っていた容姿までバカにしてくる恋人に深く傷つく。
しかし、それはすべて大嘘だった。商談の失敗を隠蔽し、愛人を侍らせる為に偽りを語ったのだ。
己の事も婚約者の事も忘れ去った振りをして彼は甲斐甲斐しく世話をする愛人に愛を囁く。
修復不可能と判断した恋人は別れを決断した。
完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる