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18.貴族の使命
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「……言っておくが、お前を熊の前に出したりはしないぞ?」
「アルディス様……」
戦う準備を整えた私に、アルディス様は真剣な顔で立ちはだかってきた。
本当に、彼は私を行かせたくないらしい。それがその表情から、よく伝わってくる。
ただ、この村で戦えるのは多分私くらいだ。私が戦わなければ、この村はみすみす被害を出すことになってしまう。
「隠し子とはいえ、お前はアルカルド公爵家の令嬢なのだぞ? そんなお前が、熊と戦うなど許容できるはずがない」
「……貴族には使命があると、アルディス様は言っていたではありませんか。これだって、その使命の一つではないのでしょうか?」
「それは……」
私の言葉に、アルディス様は怯んでいた。
どうやら、私の論に納得してしまったみたいだ。
「……む?」
「あっ……」
そこで私達は、大きな音を聞いた。
同時に聞こえてきたのは、悲鳴である。どうやら熊が、再びやって来たようだ。
流石に私も、まさかこれ程まで早く決断の時がやって来るとは思っていなかった。しかし迷っている暇はない。今も誰かが襲われているのだから。
「アルディス様、私は行きます……」
「……待て。そこにあるのは、弓と矢の予備か?」
「え? あ、はい。そうですけど……」
「ならば、俺も行こう。腕に自信がある訳ではないが、お前一人を行かせるなどそれこそ許容することはできん」
「アルディス様……」
私の隣で、アルディス様は弓と矢を身に着けた。
彼も、アルカルド公爵家としての使命を果たすつもりということなのだろう。正直不安だったので、その対応はありがたい。
「いいか。とにかく熊を退けることが重要だ。熊に悟られることなく近づいて、矢を当てるのだ」
「ええ、それはもちろん心得ています。真正面から戦って、勝てる相手ではありませんから」
「それなら行くぞ。あくまで、慎重にだ」
「はい……」
私とアルディス様は、静かに家から出た。
すると、人々が逃げ纏う様が目に入ってきた。どうやら、熊はその方向にいるらしい。
私達は、家々に隠れながらその方向に向かう。するとそこには、大きな熊がいた。
「……畑の作物を漁っているようだな?」
「ええ、そのようですね」
「……あれならわざわざ刺激する必要はないかもしれん。周りにも人は……いや」
そこでアルディス様は、熊の近くで震えている一人の男性に気付いた。
あそこにいるのは、村長の孫であるロルガーである。どうやら、逃げ遅れてしまったようだ。
作物を楽しんだ熊は、もしかしたらそちらに牙を向けるかもしれない。そうなったら、もう矢を放つしかないだろう。
できることなら、作物だけで満足して欲しかった。それで帰ってくれるなら、確実にその方がいい。作物だけで済むなら安いものだ。
「アルディス様……」
戦う準備を整えた私に、アルディス様は真剣な顔で立ちはだかってきた。
本当に、彼は私を行かせたくないらしい。それがその表情から、よく伝わってくる。
ただ、この村で戦えるのは多分私くらいだ。私が戦わなければ、この村はみすみす被害を出すことになってしまう。
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「……貴族には使命があると、アルディス様は言っていたではありませんか。これだって、その使命の一つではないのでしょうか?」
「それは……」
私の言葉に、アルディス様は怯んでいた。
どうやら、私の論に納得してしまったみたいだ。
「……む?」
「あっ……」
そこで私達は、大きな音を聞いた。
同時に聞こえてきたのは、悲鳴である。どうやら熊が、再びやって来たようだ。
流石に私も、まさかこれ程まで早く決断の時がやって来るとは思っていなかった。しかし迷っている暇はない。今も誰かが襲われているのだから。
「アルディス様、私は行きます……」
「……待て。そこにあるのは、弓と矢の予備か?」
「え? あ、はい。そうですけど……」
「ならば、俺も行こう。腕に自信がある訳ではないが、お前一人を行かせるなどそれこそ許容することはできん」
「アルディス様……」
私の隣で、アルディス様は弓と矢を身に着けた。
彼も、アルカルド公爵家としての使命を果たすつもりということなのだろう。正直不安だったので、その対応はありがたい。
「いいか。とにかく熊を退けることが重要だ。熊に悟られることなく近づいて、矢を当てるのだ」
「ええ、それはもちろん心得ています。真正面から戦って、勝てる相手ではありませんから」
「それなら行くぞ。あくまで、慎重にだ」
「はい……」
私とアルディス様は、静かに家から出た。
すると、人々が逃げ纏う様が目に入ってきた。どうやら、熊はその方向にいるらしい。
私達は、家々に隠れながらその方向に向かう。するとそこには、大きな熊がいた。
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作物を楽しんだ熊は、もしかしたらそちらに牙を向けるかもしれない。そうなったら、もう矢を放つしかないだろう。
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