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17.第三王子と
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バレリア公爵家は王家と仲良くしているが、それでも交流というものが頻繁に行われているとは言い難い。
それは単純に、王族が忙しいからだ。アドルヴ殿下を含めて王子達は既に王国のために尽力している。それぞれに役目が与えられて、それをこなしているのだ。
加えて、私達の方も暇という訳ではなかった。バレリア公爵家の一員としてやらなければならないこともあるのだ。
結局の所、予定が合わないことが多いということである。
そのため、どちらかが王城や屋敷を訪ねて、偶然予定があった者と話すということが結構な頻度で起こったりする。
今回、王国の第三王子であるヴァナキスが訪ねて来たのを私が迎えているのも、そのパターンだ。リルルナは出掛けており、ルドールは家庭教師の先生と勉強中である。そのため、私しか彼と話すことはできそうにない。
「……ラルリアも、最近は大変なんじゃないか?」
「え? あ、うん。そうだね。結構大変かもしれない」
「兄上が迷惑をかけていることを謝罪しなければならないか」
「謝罪なんて、別にいらないよ。アドルヴ殿下に迷惑をかけられているという訳でもないし」
ヴァナキスは私よりも年下であるため、結構気楽に話せる間柄である。あちらも私に対しては、結構遠慮なくものを言うし、王族の中でも特に近しい距離感だといえるかもしれない。
もちろん公的な場ではそれなりの対応をするが、今は私的な場だ。つまり私は、かなり気が抜けている。ただそれでいいのだろう。親族と顔を合わせるために気を引き締めるなんて変な話だ。
「兄上が迷惑をかけていないなんてことはあり得ないとは思うが、まあラルリアがそう思っているのなら、別にそれでも良いが」
「まあ、やっぱり家族といとこに見せる姿は違うんだろうね」
「……そうだな」
ヴァナキスは、アドルヴ殿下への評価がどこか辛辣である。
弟であるため、色々と不満があるということだろうか。私もリリルナかルドールからどう思われているか、不安である。リルルナなどは特に、辛辣な評価をしていそうだ。
「下の子からの評価というのは、結構気になるかもしれない……」
「うん? ああ、ラルリアの場合は大丈夫だろうさ」
「え?」
「リルルナなんかはいつも褒めているというか、なんというか……すごいぞ?」
「そ、そうなんだ………」
ヴァナキスの言葉に、私は驚くことになった。
リルルナが私を褒めているなんて、知らなかった。結構意外である。
ただ、ヴァナキスが言葉を濁していることから、その褒め方というのも少々捻くれているのかもしれない。彼女のことだ。素直に褒めるなんてことはないのではないだろうか。
それは単純に、王族が忙しいからだ。アドルヴ殿下を含めて王子達は既に王国のために尽力している。それぞれに役目が与えられて、それをこなしているのだ。
加えて、私達の方も暇という訳ではなかった。バレリア公爵家の一員としてやらなければならないこともあるのだ。
結局の所、予定が合わないことが多いということである。
そのため、どちらかが王城や屋敷を訪ねて、偶然予定があった者と話すということが結構な頻度で起こったりする。
今回、王国の第三王子であるヴァナキスが訪ねて来たのを私が迎えているのも、そのパターンだ。リルルナは出掛けており、ルドールは家庭教師の先生と勉強中である。そのため、私しか彼と話すことはできそうにない。
「……ラルリアも、最近は大変なんじゃないか?」
「え? あ、うん。そうだね。結構大変かもしれない」
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「謝罪なんて、別にいらないよ。アドルヴ殿下に迷惑をかけられているという訳でもないし」
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もちろん公的な場ではそれなりの対応をするが、今は私的な場だ。つまり私は、かなり気が抜けている。ただそれでいいのだろう。親族と顔を合わせるために気を引き締めるなんて変な話だ。
「兄上が迷惑をかけていないなんてことはあり得ないとは思うが、まあラルリアがそう思っているのなら、別にそれでも良いが」
「まあ、やっぱり家族といとこに見せる姿は違うんだろうね」
「……そうだな」
ヴァナキスは、アドルヴ殿下への評価がどこか辛辣である。
弟であるため、色々と不満があるということだろうか。私もリリルナかルドールからどう思われているか、不安である。リルルナなどは特に、辛辣な評価をしていそうだ。
「下の子からの評価というのは、結構気になるかもしれない……」
「うん? ああ、ラルリアの場合は大丈夫だろうさ」
「え?」
「リルルナなんかはいつも褒めているというか、なんというか……すごいぞ?」
「そ、そうなんだ………」
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リルルナが私を褒めているなんて、知らなかった。結構意外である。
ただ、ヴァナキスが言葉を濁していることから、その褒め方というのも少々捻くれているのかもしれない。彼女のことだ。素直に褒めるなんてことはないのではないだろうか。
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