身分違いの恋に燃えていると婚約破棄したではありませんか。没落したから助けて欲しいなんて言わないでください。

木山楽斗

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18.帰って来た二人

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 王都からソルダスとお母様が帰って来たのは、婚約の話がまとまってしばらくしてのことだった。
 現在、学校は長期休暇に入っている。二人が帰って来られるのは、この間くらいだ。それ以外は、余程のことがない限りは戻らない。
 アルガール侯爵の死は余程のことだといえるが、諸々の事情で帰らないということになった。
 そもそも、私やお父様に比べて二人はアルガール侯爵との親交がなかった。どうしても行きたいとまではならない。そんな関係性だったのだ。

「まあもちろん、お世話になった人だから偲ぶ気持ちはあっただろうけどね」
「その辺りは、事情や心情を織り交ぜた結果、ということでしょうか?」
「ああ、オンラルト侯爵家としての体裁は保てていたし、全てを投げ打ってまで参加するべきではないと判断したということだろう」

 そんな話をしながら、私とお父様は二人の元へと向かっていた。
 玄関まで行って二人を迎える。それは、長期休暇の度に行われていることだ。
 かつて、帰ってくるのは私だった。それも、今となっては懐かしい話である。
 そんなことを考えている内に、私達は玄関まで辿り着いていた。そこには、見知った顔が二つある。

「……おお、二人ともお帰り」
「お帰りなさいませ、お母様、それにお帰り、ソルダス」
「ふふ、ただいま」
「ただいま帰りました、父上、姉さん」

 お母様は笑顔で、ソルダスは真剣な顔で私達の言葉に返してくれた。
 二人とも、いつも通りの返答だ。久し振りに会うが、二人ともそこまで変わっているという訳ではないようだ。

「私達が王都にいる間に、色々とあったみたいね……」
「はい、本当に色々とありました」
「手紙で話は伺っていますが、前の長期休暇からここまで変化が起こるとは思っていませんでした……」
「ああ、考えてみれば、そうなるか……本当に、色々と変わってしまったな」

 私はお母様と、お父様はソルダスとそれぞれ会話を交わした。
 二人が帰ってくるまでの間に、私が婚約破棄されて、アルガール侯爵が亡くなり、私がバルギード様と婚約したのだ。事態が二転三転している。二人にとっては、驚くことが多い期間だったといえるだろう。

「さて、セリティア……あなたには、婚約おめでとうというべきかしら?」
「そうですね……色々とありましたが、無事に相手が見つかりました」
「それは何よりね」

 お母様は、私に笑顔を向けてくれた。
 今の私は、それなりに幸福である。バルギード様という良き婚約者と巡り会うことができたからだ。
 だから、今回の婚約を祝ってもらいたい。そう思うのである。
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