刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。

木山楽斗

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18.お昼寝の後に⑥

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「あ、そうだ。エルッサさん、昼食は食べましたか?」
「え? ああ、そういえば、まだだね」
「ごめんなさい。私、昼寝していて……」
「気にしなくていいよ。別に、私の昼食を作るのは、あなたの義務という訳ではないのだから」

 そこで、私は昼食のことについて、思い出した。
 基本的に、私は自分とエルッサさんの昼食を作っている。今日は、それを完全に忘れていたのだ。
 昼寝の際は、寝ぼけていたこともあったのか、そんなことは気にしていなかった。だが、よく考えてみれば、エルッサさんの食事を作らなければならなかったのだ。

「今からすぐに作りますから、もう少しだけ時間をもらえますか?」
「ああ。フェリナ、本当に気にしなくていいからね」
「わかっています。それで、一つお願いなんですけど、リルフを厨房に入れてもいいですか?」
「うん? ああ、なるほど、大体どういうことを言いたいかはわかったわ。大丈夫、今の姿を見たら、駄目なんて思わないよ」
「ありがとうございます」

 私の提案を、エルッサさんは受け入れてくれた。これで、リルフと離れずに厨房に行ける。
 小さな頃の姿だったら、流石にここまで簡単ではなかったはずだ。リルフが人間の姿になったことが、有益に働いたといえるだろう。

「それじゃあ、リルフ、行こうか?」
「あ、うん……」
「うん? どうかしたの?」
「え? その……なんだか、恥ずかしくて……」

 リルフは、何故か恥ずかしそうにしていた。もしかしたら、私と離れたくないということをエルッサさんに知られたのが、恥ずかしいのだろうか。
 その様子から、私はリルフが少しだけ変化していることを理解した。それは、先程から心の片隅にあった思いだ。
 リルフの内面は、あの小さな姿だった頃に比べると成長している。甘え方も少し控えめになっているし、このようなことを恥ずかしがっている。根本的な部分は変わっていないが、少しだけ変化しているのだ。
 外見から考えると、それは年相応のようにも思える。その姿ともに、内面も成長したということなのだろうか。

「お母さん? どうかしたの?」
「ううん、なんでもないよ。それじゃあ、行こうか」
「うん……」

 リルフは、とても不可思議な生き物である。その生態には謎が多く、まだまだわからないことが多い。
 しかし、そんなことを今は気にする必要はないのだろう。私にとって、リルフはリルフ。それでいいのだ。
 そんなことを考えながら、私はリルフとともに厨房に向かうのだった。
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