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19.お昼寝の後に⑦
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私は、リルフとともに厨房に来ていた。これから、私達の昼食を作るのだ。
まず確認しなければならないことがある。それは、リルフが何を食べられるのかということだ。
「ねえ、リルフ、あなたは何を食べられるかわかる?」
「わからない……」
「そっか……まあ、そうだよね」
リルフに聞いてみたが、本人にも何が食べられるかはわからないようである。
一応聞いてみたが、そういう反応が返ってくることは予想していた。自分が何を食べられるかなんて、普通はわからないものだからだ。
私だって、自分が何を食べられるかなんて、正確にわかる訳ではない。私がそれを判断できるのは、先人達の知恵があるからだ。
それがないリルフに、こういうことは判断できない。それは、なんとなく予想していたことである。もしかしたら希望があるかもしれないと聞いてみたが、やはり駄目なようだ。
「肉と野菜、どっちがおいしそう?」
「え? ……こっちかな? でも、こっちも別に嫌な感じはしない」
「そうなんだ……」
私は、リルフに牛肉とキャベツを実際に掲げて、どちらが食べられそうかを聞いてみることにした。すると、リルフはお肉の方を指差した。そちらの方が、おいしそうなに思えるようだ。
でも、別に野菜も嫌な感じはしないらしい。それなら、どちらでも食べられるということなのだろうか。
「お米とか、パンとかは、どうなんだろう? これとこれなら、どっちかな?」
「えっと……こっちかな? こっちは、あんまりおいしそうには見えない」
「そっか……まあ、これはまだ炊いていないからなのかな?」
米とパンを見せてみると、パンの方を指差した。ただ、米については、炊く前なので、これだけでは判断できないかもしれない。
「やっぱり、雑食ということなのかな……はあ、どうなんだろう?」
「お母さん、ボクは今、人間の姿だから、人間と同じものが食べられるんじゃないかな?」
「そうなのかな? そうだといいんだけど……」
確かに、今のリルフを見ていると、人間と同じものを食べてもまったく問題ないように思える。
だが、もし食べたらまずいものがあったらと考えると、少しそれを躊躇ってしまうのだ。
しかし、結局の所、食べてもらう以外に判別する方法がないというのが現状である。リルフの感覚を信じるくらいしか、私にはできないのかもしれない。
「リルフ、食事をしていて、何か違和感とかを覚えたら、私にすぐに知らせると約束してくれる?」
「うん、約束する」
「……わかった。それなら、とりあえず私達と同じものを食べてみようか。今は、そうすることしかできないし……」
私は、とりあえずリルフに私達と同じものを食べてもらうことにした。そうすることしかできないのだから、それは仕方ないことだ。
もし、リルフに何かあったら、信用できる先生の元に駆け込もう。人間だけではなく、動物も診られる人なので、きっと力になってくれるはずだ。
まず確認しなければならないことがある。それは、リルフが何を食べられるのかということだ。
「ねえ、リルフ、あなたは何を食べられるかわかる?」
「わからない……」
「そっか……まあ、そうだよね」
リルフに聞いてみたが、本人にも何が食べられるかはわからないようである。
一応聞いてみたが、そういう反応が返ってくることは予想していた。自分が何を食べられるかなんて、普通はわからないものだからだ。
私だって、自分が何を食べられるかなんて、正確にわかる訳ではない。私がそれを判断できるのは、先人達の知恵があるからだ。
それがないリルフに、こういうことは判断できない。それは、なんとなく予想していたことである。もしかしたら希望があるかもしれないと聞いてみたが、やはり駄目なようだ。
「肉と野菜、どっちがおいしそう?」
「え? ……こっちかな? でも、こっちも別に嫌な感じはしない」
「そうなんだ……」
私は、リルフに牛肉とキャベツを実際に掲げて、どちらが食べられそうかを聞いてみることにした。すると、リルフはお肉の方を指差した。そちらの方が、おいしそうなに思えるようだ。
でも、別に野菜も嫌な感じはしないらしい。それなら、どちらでも食べられるということなのだろうか。
「お米とか、パンとかは、どうなんだろう? これとこれなら、どっちかな?」
「えっと……こっちかな? こっちは、あんまりおいしそうには見えない」
「そっか……まあ、これはまだ炊いていないからなのかな?」
米とパンを見せてみると、パンの方を指差した。ただ、米については、炊く前なので、これだけでは判断できないかもしれない。
「やっぱり、雑食ということなのかな……はあ、どうなんだろう?」
「お母さん、ボクは今、人間の姿だから、人間と同じものが食べられるんじゃないかな?」
「そうなのかな? そうだといいんだけど……」
確かに、今のリルフを見ていると、人間と同じものを食べてもまったく問題ないように思える。
だが、もし食べたらまずいものがあったらと考えると、少しそれを躊躇ってしまうのだ。
しかし、結局の所、食べてもらう以外に判別する方法がないというのが現状である。リルフの感覚を信じるくらいしか、私にはできないのかもしれない。
「リルフ、食事をしていて、何か違和感とかを覚えたら、私にすぐに知らせると約束してくれる?」
「うん、約束する」
「……わかった。それなら、とりあえず私達と同じものを食べてみようか。今は、そうすることしかできないし……」
私は、とりあえずリルフに私達と同じものを食べてもらうことにした。そうすることしかできないのだから、それは仕方ないことだ。
もし、リルフに何かあったら、信用できる先生の元に駆け込もう。人間だけではなく、動物も診られる人なので、きっと力になってくれるはずだ。
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