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9.書庫の住人
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王城の書庫は、アゼルトお兄様が言っていた通り膨大な量の書物が保管されているようだ。
それは、一歩足を踏み入れた瞬間からすぐに理解できた。どう考えても手が届かないような本棚が無数にあったからだ。
「すごいなぁ……」
「……ふふ、そうだろう?」
「え?」
独り言を呟いたつもりだった私は、返答があったことに動揺した。
声の聞こえてきた方向に、私は足を進めてみる。するとそこには、眼鏡をかけた男性がいた。
その男性には、見覚えがある。一瞬そう思ったが、それは恐らく勘違いだろう。王城にいるような人と、面識がある訳はない。
「僕の名はクロード。この書庫の管理人をさせてもらっている。君は……」
「……どうかしましたか?」
私の顔を見たクロード様は、その動きを止めた。
その反応には、本当に見覚えがある。私が何者であるか、セディルスさんが悟った時と同じ反応だ。彼もそういうことなのだろう。
「なるほど、アゼルトが言っていたのは君か」
「……アゼルト?」
クロード様は、アゼルトお兄様の名前を口にした。
ただそれは、なんというか気安過ぎる呼び方だ。第一王子であるアゼルトお兄様を、そのように呼べる人はそういないだろう。
「僕のことは何も知らないようだね。まあ、今更僕のことを言う者なんていないか」
「あの、クロード様、あなたは一体……」
「君の先人といった所だろうか。いや、しゃれた言い方なんてするべきではないな。僕は国王陛下の最初の隠し子だ」
「それは……」
クロード様の言葉に、私は固まることになった。
国王様の隠し子、私以外にそれが当てはまる人がいるなんて、思ってもいなかったのだ。
しかし考えてみれば、あり得ない話ではない。私の母と関係を持っているという事実がある時点で、国王様に信用なんてない訳だし。
「流石に驚いているようだね。まあ、それは当然のことだ。これは秘密だからね。他言無用で頼むよ」
「秘密というと……私のこともそうなのですが」
「ああ、僕のことも王城で働いている人ならほとんどが知っていることだ」
「なるほど、その辺りに関しても同じという訳ですか……」
「まあせっかく来てくれたことだし、話をするとしようか」
私は、ゆっくりと深呼吸した。
アゼルトお兄様が何故私をここに行かせたのか、今ならそれがわかる。要するに先人から学べということだろう。
実際の所、クロード様からは色々と学べることがありそうだ。彼が歩んだ道筋は、正しく私が歩む道筋そのものなのだから、それは間違いない。
それは、一歩足を踏み入れた瞬間からすぐに理解できた。どう考えても手が届かないような本棚が無数にあったからだ。
「すごいなぁ……」
「……ふふ、そうだろう?」
「え?」
独り言を呟いたつもりだった私は、返答があったことに動揺した。
声の聞こえてきた方向に、私は足を進めてみる。するとそこには、眼鏡をかけた男性がいた。
その男性には、見覚えがある。一瞬そう思ったが、それは恐らく勘違いだろう。王城にいるような人と、面識がある訳はない。
「僕の名はクロード。この書庫の管理人をさせてもらっている。君は……」
「……どうかしましたか?」
私の顔を見たクロード様は、その動きを止めた。
その反応には、本当に見覚えがある。私が何者であるか、セディルスさんが悟った時と同じ反応だ。彼もそういうことなのだろう。
「なるほど、アゼルトが言っていたのは君か」
「……アゼルト?」
クロード様は、アゼルトお兄様の名前を口にした。
ただそれは、なんというか気安過ぎる呼び方だ。第一王子であるアゼルトお兄様を、そのように呼べる人はそういないだろう。
「僕のことは何も知らないようだね。まあ、今更僕のことを言う者なんていないか」
「あの、クロード様、あなたは一体……」
「君の先人といった所だろうか。いや、しゃれた言い方なんてするべきではないな。僕は国王陛下の最初の隠し子だ」
「それは……」
クロード様の言葉に、私は固まることになった。
国王様の隠し子、私以外にそれが当てはまる人がいるなんて、思ってもいなかったのだ。
しかし考えてみれば、あり得ない話ではない。私の母と関係を持っているという事実がある時点で、国王様に信用なんてない訳だし。
「流石に驚いているようだね。まあ、それは当然のことだ。これは秘密だからね。他言無用で頼むよ」
「秘密というと……私のこともそうなのですが」
「ああ、僕のことも王城で働いている人ならほとんどが知っていることだ」
「なるほど、その辺りに関しても同じという訳ですか……」
「まあせっかく来てくれたことだし、話をするとしようか」
私は、ゆっくりと深呼吸した。
アゼルトお兄様が何故私をここに行かせたのか、今ならそれがわかる。要するに先人から学べということだろう。
実際の所、クロード様からは色々と学べることがありそうだ。彼が歩んだ道筋は、正しく私が歩む道筋そのものなのだから、それは間違いない。
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