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11.心に刻んで
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「さてと、君は王位継承権を持つ者――つまり兄弟達のことをどれ程知っているのかな?」
自身の事情を説明し終えたのか、クロード様は私に質問を投げかけてきた。
王家に属する人のことは、もちろん知っている。この国で暮らしている以上、それを知らない人などはいないだろう。
いや私は、クロード様のことは知らなかったか。私のことも平民の人達には知らされていないだろうし、表向きのことしか私も認識できていないのかもしれない。
「アゼルト殿下――いいえ、アゼルトお兄様にはお世話になっています」
「お兄様か……なるほど、僕のこともそう呼んでもらえるかな? 君とは仲良くしたいと思っているからね」
「わかりました。クロード……お兄様がそう仰るなら」
クロードお兄様は、私のことを妹として認めてくれているようだった。
それは正直、嬉しいものである。この王城において、心を許せる人はやはり貴重だから。
浮かれながらも私は、王家のことを思い出す。今はその質問に、答えるとしよう。
「第二王子は、イルガン殿下ですよね。それから唯一の王女であるウルティナ姫、最後に私よりも年下の第三王子エンディ殿下……」
「ああ、その四人が王位継承権を持っている。とはいえ、エンディ殿下は王位に興味などはないだろう。基本的に次の王位は、上の三人で争うことになるはずだ」
現国王様は、王妃様との間に四人の子供を設けた。
私はその内、アゼルト殿下としか関わっていない。他の王子様や王女様とは、実の所顔を合わせたことさえないのだ。多分それは、避けられているということだろう。
「王位争いは、結構大変なんですか?」
「大変といえば大変であるかもしれない。今の所は、アゼルトが優勢だ。まあ基本的には、年功序列で決まるからね。ただイルガンも支持者は多いらしい。少しの要素で、逆転ということもあるだろう。ウルティナに関しても同じだ」
「それに関しては、なんとなく聞いていたことと同じですね。平民として暮らしている時から、情勢は耳に入ってきていました」
次期国王が誰になるかは、常に噂されていることだった。王国で暮らしていれば、自然に情報は入ってくる。
「僕達はその王位継承争いに関わらない方が良いだろう。元々僕の今の立場も、そういうことで定められているものだ」
「そうですね。個人的には、仲良くさせてもらっていることもあって、アゼルトお兄様を支持したい所ですが……」
「やめておくべきだ。今は鳴りを潜めているが、良からぬことを考える者がいつ動き出すかわからない。その辺りに関しては、のらりくらりと躱していくことが必要だ」
「わかりました。心に刻んでおきます」
クロードお兄様の言葉に、私は力強く頷く。
当然のことながら、面倒なことに巻き込まれたくはない。アゼルトお兄様に迷惑をかけたくもないし、ここはクロードお兄様の言葉に従うことにしよう。
「……随分と都合の良い言い分をするものですね」
「え?」
「まあ、あなたは昔からそういう人でしたか」
「おっと……」
私が決意を新たにしていると、書庫に声が響いてきた。
聞こえてきた方向に、私は目を向ける。するとそこには、一人の男性が立っていた。
その人のことを、私は知っている。彼はこの国の第二王子であるイルガン殿下だ。
自身の事情を説明し終えたのか、クロード様は私に質問を投げかけてきた。
王家に属する人のことは、もちろん知っている。この国で暮らしている以上、それを知らない人などはいないだろう。
いや私は、クロード様のことは知らなかったか。私のことも平民の人達には知らされていないだろうし、表向きのことしか私も認識できていないのかもしれない。
「アゼルト殿下――いいえ、アゼルトお兄様にはお世話になっています」
「お兄様か……なるほど、僕のこともそう呼んでもらえるかな? 君とは仲良くしたいと思っているからね」
「わかりました。クロード……お兄様がそう仰るなら」
クロードお兄様は、私のことを妹として認めてくれているようだった。
それは正直、嬉しいものである。この王城において、心を許せる人はやはり貴重だから。
浮かれながらも私は、王家のことを思い出す。今はその質問に、答えるとしよう。
「第二王子は、イルガン殿下ですよね。それから唯一の王女であるウルティナ姫、最後に私よりも年下の第三王子エンディ殿下……」
「ああ、その四人が王位継承権を持っている。とはいえ、エンディ殿下は王位に興味などはないだろう。基本的に次の王位は、上の三人で争うことになるはずだ」
現国王様は、王妃様との間に四人の子供を設けた。
私はその内、アゼルト殿下としか関わっていない。他の王子様や王女様とは、実の所顔を合わせたことさえないのだ。多分それは、避けられているということだろう。
「王位争いは、結構大変なんですか?」
「大変といえば大変であるかもしれない。今の所は、アゼルトが優勢だ。まあ基本的には、年功序列で決まるからね。ただイルガンも支持者は多いらしい。少しの要素で、逆転ということもあるだろう。ウルティナに関しても同じだ」
「それに関しては、なんとなく聞いていたことと同じですね。平民として暮らしている時から、情勢は耳に入ってきていました」
次期国王が誰になるかは、常に噂されていることだった。王国で暮らしていれば、自然に情報は入ってくる。
「僕達はその王位継承争いに関わらない方が良いだろう。元々僕の今の立場も、そういうことで定められているものだ」
「そうですね。個人的には、仲良くさせてもらっていることもあって、アゼルトお兄様を支持したい所ですが……」
「やめておくべきだ。今は鳴りを潜めているが、良からぬことを考える者がいつ動き出すかわからない。その辺りに関しては、のらりくらりと躱していくことが必要だ」
「わかりました。心に刻んでおきます」
クロードお兄様の言葉に、私は力強く頷く。
当然のことながら、面倒なことに巻き込まれたくはない。アゼルトお兄様に迷惑をかけたくもないし、ここはクロードお兄様の言葉に従うことにしよう。
「……随分と都合の良い言い分をするものですね」
「え?」
「まあ、あなたは昔からそういう人でしたか」
「おっと……」
私が決意を新たにしていると、書庫に声が響いてきた。
聞こえてきた方向に、私は目を向ける。するとそこには、一人の男性が立っていた。
その人のことを、私は知っている。彼はこの国の第二王子であるイルガン殿下だ。
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