まさか私が王族の一員であることを知らずに、侮辱していた訳ではありませんよね?

木山楽斗

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40.素直な気持ち

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「セディルスさん、あなたに伝えておきたいことがあります」
「伝えておきたいこと、ですか? なんでしょうか?」
「私は、セディルスさんのことが……好きなんです」
「……え?」

 色々と考えていた私だったが、結局の所自分の気持ちを素直に言葉にすることにした。
 それにセディルスさんは、かなり驚いているようだった。今まで見たことがないような表情をしており、私は自分がはやったのではないかと、少し尻込みしてしまう。

 とはいえ、既に口にしたことを取り下げられる訳ではないし、今更そのようなことをしたいとは思わない。私は改めて決意して、セディルスさんと向き合うことにする。

「突然そのようなことを言ってしまって、申し訳ありません。しかし、それが私の素直な気持ちです」
「……いえ、こちらこそ驚いてしまってすみませんでした。まさかあなたから、そのようなことを言われるとは思っていなくて」
「えっと、それはつまり……」

 セディルスさんの言葉に、私は自分が彼から女性として見られていないのではないか、という考えが頭に思い浮かんできた。年は同じくらいではあるが、もしかしたら妹のように思われているのかもしれない。

「あなたには立場がありますからね……」
「ああ……それについては、問題ありません。この告白は、アゼルト殿下からも許可は得ています。というよりも、その方が都合が――」
「なんですか?」
「いいえ、なんでもありません」

 セディルスさんは、私が王家の隠し子であることを気にしているようだった。
 しかしそれは問題にはならない。それ所かアゼルトお兄様は、私と彼が結ばれる方が都合が良いとさえ考えている。それは要するに、特別な出自を持つ二人をまとめられるから。
 ただそれを彼に言うのは、もう少し後にすることにした。今聞きたいのは、そういったことではなく、彼の気持ちだったから。

「その、そういうことですから、これは単に一人の使用人の告白とお考えください。ですから、答えを下さいませんか?」
「……そうですね。余計なことばかり気にしてしまって、申し訳ありませんでした。しかしそういうことなら、答えは決まっています。私はあなたの傍にいたいと思っています。あなたを守りたいと、そう思っています」
「それは……」

 私からの問いかけに、セディルスさんはすぐに答えてくれた。どうやら彼の中では、既に答えは出ていたらしい。
 それが私は、とても嬉しかった。もしかしたらとは思っていたが、やはり実際に言葉にしてもらうまで安心はできなかったから、私はそこでやっと胸を撫で下ろす。

「ありがとうございます、セディルスさん。あなたに気持ちを受け止めてもらえたことを嬉しく思います」
「お礼を述べるのはこちらの方です。この場で勇気を示したのはメルフィナさんの方なのですから」
「それについては、色々とありまして……ああ、この婚約に関しては王家にとっても都合が良いものですから、その点は本当にご安心ください」
「なるほど……しかしそれでも、これからは少々困難があるかもしれませんね」
「ええ、ですが大丈夫ですよ」
「そうですね。そう思います」

 私もセディルスさんも、特別な出自だ。それに伴い、色々な困難はあるかもしれない。
 だけどそれも、彼と一緒なら乗り越えていける。私はそう確信しながら、セディルスさんとともに笑い合うのだった。


END
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みんなの感想(1件)

Conanlove
2025.04.26 Conanlove

続き待っています!頑張って下さいね!

2025.04.26 木山楽斗

応援ありがとうございます。
今後もこの作品で楽しんでいただけると嬉しいです。

解除

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