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第3話 王都での再会
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私は、王都の中を歩いていた。
聖女というものは、王城に住み込みで働くことになる。いざという時、すぐに行動できるようにそうなっているのだ。
だから、私には今住む所がない。王都に部屋を借りたりしていないので、帰る家がないのだ。
宿をとることもできるが、この問題がいつ解決するかもわからないため、できれば腰を落ち着けたい。
そう思ったので、私はある人物を頼ることにした。その人物の元に、今は向かっているのだ。
「うん? ちょっと、いいか?」
「え?」
その道中、私は声をかけられた。
聖女として顔が知られているため、一応変装はしている。そのため、私だとばれてはいないと思うのだが、見抜かれたのだろうか。
「……リステラか?」
「え? あなたは……マルグ?」
「ああ、マルグだよ。久し振りだな!」
その人物の顔を見て、私は驚いていた。
私がよく知っている人物だったからだ。
まさか、彼がここにいるとは。思わぬ再会に、私はとても喜んでいた。
「でも、どうして、リステラがここにいるんだ? 聖女なら、王城にいるはずだよな……?」
「あ、えっと……」
「何か話しにくいことか? なら、人目のない所に行こう」
しかし、喜んでいる場合ではなかった。
聖女である私がここにいるのは、とてもおかしいことなので、彼に事情を説明しなければならないのである。
◇◇◇
私、リステラ・カルウェンファーは、とある孤児院で育った。
幼い頃に、このレバデイン王国であったとある戦いによって両親を亡くしたため、孤児院に引き取られたのである。
マルグも、私と同じような立場であり、同じ孤児院で育ったのだ。だから彼は、私にとって家族のような存在なのである。
「なるほどな……そいつは、許せないな」
私の話を聞いて、マルグはそのように言ってくれた。
親身になって怒ってもらえるのは、とてもありがたい。
「俺がそいつの元に行って、文句を言ってやる」
「あ、それは大丈夫」
だが、彼ならこう言うだろうと思っていた。
だから、少しだけ不安だったのだ。
マルグは、正義感が強い。悪事を見逃せない人なのである。
それは、もちろんいいことだ。しかし、今はそれを止めなければならない。
「ルフェンドさんという人が、第四王子のセルトス様に掛け合ってくれているから、今は待機しておいた方がいいんだ」
「ルフェンド? 誰だ? そいつは……」
「えっと……わかりやすく言えば、先生の弟子かな?」
「先生の弟子? それなら、信頼できそうだな……」
マルグは、ルフェンドさんが信頼できる人だとわかってくれた。
それは、彼が先生の弟子だからである。
先生というのは、私達の孤児院で、勉強などを教えてくれていた人だ。そして、私がこれから頼ろうとしている人でもある。
「とりあえず、私は先生の元に行こうと思っているんだ。帰る家もないし、先生なら止めてくれると思って……」
「そうなのか、それなら好都合だな。俺も丁度、先生の所に向かっていたんだ」
「あ、そうなんだ。それなら、一緒に行こうか」
どうやら、マルグも先生を訪ねて来たようだ。
何故、王都にいるのかと思っていたが、彼に何か用事だったようである。
こうして、私達は先生の元に向かうことにするのだった。
聖女というものは、王城に住み込みで働くことになる。いざという時、すぐに行動できるようにそうなっているのだ。
だから、私には今住む所がない。王都に部屋を借りたりしていないので、帰る家がないのだ。
宿をとることもできるが、この問題がいつ解決するかもわからないため、できれば腰を落ち着けたい。
そう思ったので、私はある人物を頼ることにした。その人物の元に、今は向かっているのだ。
「うん? ちょっと、いいか?」
「え?」
その道中、私は声をかけられた。
聖女として顔が知られているため、一応変装はしている。そのため、私だとばれてはいないと思うのだが、見抜かれたのだろうか。
「……リステラか?」
「え? あなたは……マルグ?」
「ああ、マルグだよ。久し振りだな!」
その人物の顔を見て、私は驚いていた。
私がよく知っている人物だったからだ。
まさか、彼がここにいるとは。思わぬ再会に、私はとても喜んでいた。
「でも、どうして、リステラがここにいるんだ? 聖女なら、王城にいるはずだよな……?」
「あ、えっと……」
「何か話しにくいことか? なら、人目のない所に行こう」
しかし、喜んでいる場合ではなかった。
聖女である私がここにいるのは、とてもおかしいことなので、彼に事情を説明しなければならないのである。
◇◇◇
私、リステラ・カルウェンファーは、とある孤児院で育った。
幼い頃に、このレバデイン王国であったとある戦いによって両親を亡くしたため、孤児院に引き取られたのである。
マルグも、私と同じような立場であり、同じ孤児院で育ったのだ。だから彼は、私にとって家族のような存在なのである。
「なるほどな……そいつは、許せないな」
私の話を聞いて、マルグはそのように言ってくれた。
親身になって怒ってもらえるのは、とてもありがたい。
「俺がそいつの元に行って、文句を言ってやる」
「あ、それは大丈夫」
だが、彼ならこう言うだろうと思っていた。
だから、少しだけ不安だったのだ。
マルグは、正義感が強い。悪事を見逃せない人なのである。
それは、もちろんいいことだ。しかし、今はそれを止めなければならない。
「ルフェンドさんという人が、第四王子のセルトス様に掛け合ってくれているから、今は待機しておいた方がいいんだ」
「ルフェンド? 誰だ? そいつは……」
「えっと……わかりやすく言えば、先生の弟子かな?」
「先生の弟子? それなら、信頼できそうだな……」
マルグは、ルフェンドさんが信頼できる人だとわかってくれた。
それは、彼が先生の弟子だからである。
先生というのは、私達の孤児院で、勉強などを教えてくれていた人だ。そして、私がこれから頼ろうとしている人でもある。
「とりあえず、私は先生の元に行こうと思っているんだ。帰る家もないし、先生なら止めてくれると思って……」
「そうなのか、それなら好都合だな。俺も丁度、先生の所に向かっていたんだ」
「あ、そうなんだ。それなら、一緒に行こうか」
どうやら、マルグも先生を訪ねて来たようだ。
何故、王都にいるのかと思っていたが、彼に何か用事だったようである。
こうして、私達は先生の元に向かうことにするのだった。
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