誰も信じてくれないので、森の獣達と暮らすことにしました。その結果、国が大変なことになっているようですが、私には関係ありません。

木山楽斗

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4.調べるべきこと

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 私は、エルドー王国を出て行くことにした。
 それには、とある理由がある。

 そもそもの発端は、私が見た予知夢だ。
 私は、あの夢をかなり気にしていた。ずっと胸騒ぎがしていたのだ。

「龍、龍……あった」

 という訳で、私はあの夢について少し調べてみることにした。
 まず調べようと思ったのは、龍についてのことだ。

 龍というものは、伝説上の生き物である。
 実在しない生物だ。もしもあれが現実になるとしたら、その前提が覆ることになる。
 だから、私は龍を調べることにした。その生物が実在する可能性があるのかどうか。それを調べるのだ。

 王国の図書室には、様々な文献がある。
 調べ物をするには、ここが最適だ。

「これとこれと……これもかな」

 私は、本棚の中から数冊の本を取り出した。
 どれも、龍に関する文献だ。

 龍というものは、おとぎ話や伝承などといったものに記されている。
 そういったものを研究している人が、論文などを書いている。その論文を読めば、何かわかるかもしれない。

「はあ、こういうものを見るのは、結構辛いけど……」

 こういった論文などを読むのは、中々に辛いことだ。
 だが、毎回あの夢を見て、それが気になるという現状が続くのはもっと辛いことである。
 という訳で、私は文献を読み進めていく。そこには、何故龍という存在が生まれたのかなどといったことが記されている。

「あまりはっきりしていない……」

 文献を読んではっきりとわかったのは、龍というものの起源はあまりはっきりしていないということだ。
 いつ人類がその存在を認識したのか、何が元になったのか。結論は、出ていないようだ。

 そもそも、龍というものは、地域によって姿形も異なる。
 その辺りのことも相まって、龍というものは非常に不可思議な存在であるようだ。

「でも、起源がわからないということは、実際にいたとしてもおかしくはなかったということになるのかな……?」

 調べてわかったのは、龍というものが存在する可能性はない訳ではないということだ。
 はっきりとした起源がわからない以上、いるともいないともいえない。それが、龍という存在なのだ。

 どうやら、これ以上龍に関して調べても無駄のようである。
 はっきりとした結論は出そうにないため、早い所切り上げた方がいいだろう。

「別の角度から考えるべきなのかな……」

 という訳で、私は少し考える。
 私のあの夢が起こる可能性を検証するために、何を調べる必要があるのだろうか。

「今まで起こった天災とか、かな?」

 とりあえず、私はそんなことを調べることにした。
 それで結論が出るのかは、正直わからない。もしかしたら、それは無駄なことなのかもしれない。
 だが、私は調べずにいられなかった。どうしても、私はあの夢について、結論を出したかったのだ。
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