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7.第二王子の来訪
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リオレス殿下がヤウダン公爵家の屋敷を訪ねて来たのは、彼の手紙が届いてから一週間以上後のことだった。
フードによって顔を隠した彼の前に、ヤウダン公爵家の一同とソネリアを除くセルダン子爵家の面々が集まっている。
「申し訳ありませんね。僕がこちらに正式に来る場合、色々と面倒がありまして……今回はお忍びということにさせてもらいました。その方が都合も良かったというのが、正直な所ですが。まあこういったことには慣れていますからご安心を。ばれることはないと思います」
「……そうですか」
リオレス殿下の言葉に、お父様はゆっくりと頷いた。
今回の来訪にはこちらも気を張っていたが、本当にばれてはいないと思う。どちら側の重鎮達も、特に反応してないのだ。私が王城に訪問する時とは違って、実に静かなものである。
精力的に国を動き回っているリオレス殿下には、多方面に味方がいると聞く。そういう人達の協力などによって、ここまで来たのだろうか。
「リオレス殿下、あなたは私に手紙を出してきました。その手紙に記載されていた内容について、詳しく聞きたいと思っています」
「ユーリア嬢、もちろん僕もそのつもりです。とはいえ、正直少々罰が悪い。あなた方ヤウダン公爵家、何よりセルダン子爵家の方々に対して僕はひどいことを言わなければなりません」
「……無礼かもしれませんが、言わせてください。私達は大丈夫です。妹のソネリアについて、リオレス殿下の率直な意見をお聞かせください」
リオレス殿下の言葉に、シェリリアが答えた。彼女の両親――セルダン子爵夫妻も力強く頷いている。
それを見ながら、リオレス殿下はゆっくりとため息をついた。ソネリアに関して、彼は悪いことを言おうとしている。この面々の前でそれを口にするのは、気が重いことだろう。
「ソネリア嬢……初めて王城で彼女に会った時から思っていました。彼女は胸の中に、何か暗いものを抱えていると」
「……あの挨拶の時に、妙な反応をしたものだと思っていましたが、そういうことでしたか」
「シェリリア嬢とは違い、彼女はユーリア嬢に対してもどこか厳しい視線を向けていたように思います。その時は、ソネリア嬢に対する印象など僕の考えすぎかと思っていました。ですが、今回彼女が王城に来たことでよくわかりました。それが間違いではなかったということを」
リオレス殿下の冷たく暗い言葉が、部屋の中に響いていた。
それは私達全員が、まったく感じていなかったことだからだ。長い期間をともに過ごしすぎたことによって、どうやら私達はソネリアのことを良く見すぎていたのかもしれない。
フードによって顔を隠した彼の前に、ヤウダン公爵家の一同とソネリアを除くセルダン子爵家の面々が集まっている。
「申し訳ありませんね。僕がこちらに正式に来る場合、色々と面倒がありまして……今回はお忍びということにさせてもらいました。その方が都合も良かったというのが、正直な所ですが。まあこういったことには慣れていますからご安心を。ばれることはないと思います」
「……そうですか」
リオレス殿下の言葉に、お父様はゆっくりと頷いた。
今回の来訪にはこちらも気を張っていたが、本当にばれてはいないと思う。どちら側の重鎮達も、特に反応してないのだ。私が王城に訪問する時とは違って、実に静かなものである。
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「リオレス殿下、あなたは私に手紙を出してきました。その手紙に記載されていた内容について、詳しく聞きたいと思っています」
「ユーリア嬢、もちろん僕もそのつもりです。とはいえ、正直少々罰が悪い。あなた方ヤウダン公爵家、何よりセルダン子爵家の方々に対して僕はひどいことを言わなければなりません」
「……無礼かもしれませんが、言わせてください。私達は大丈夫です。妹のソネリアについて、リオレス殿下の率直な意見をお聞かせください」
リオレス殿下の言葉に、シェリリアが答えた。彼女の両親――セルダン子爵夫妻も力強く頷いている。
それを見ながら、リオレス殿下はゆっくりとため息をついた。ソネリアに関して、彼は悪いことを言おうとしている。この面々の前でそれを口にするのは、気が重いことだろう。
「ソネリア嬢……初めて王城で彼女に会った時から思っていました。彼女は胸の中に、何か暗いものを抱えていると」
「……あの挨拶の時に、妙な反応をしたものだと思っていましたが、そういうことでしたか」
「シェリリア嬢とは違い、彼女はユーリア嬢に対してもどこか厳しい視線を向けていたように思います。その時は、ソネリア嬢に対する印象など僕の考えすぎかと思っていました。ですが、今回彼女が王城に来たことでよくわかりました。それが間違いではなかったということを」
リオレス殿下の冷たく暗い言葉が、部屋の中に響いていた。
それは私達全員が、まったく感じていなかったことだからだ。長い期間をともに過ごしすぎたことによって、どうやら私達はソネリアのことを良く見すぎていたのかもしれない。
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