入れ替わりのモニター

廣瀬純七

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保育園でのトラブル

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朝、**拓也(沙織の体)**は慣れないスカートをひらりとさせながら、保育園の門をくぐった。  

今朝、**沙織(拓也の体)**にしっかりメイクを施され、念入りに指導を受けながら仕上げたおかげで、普段よりも**目元がパッチリして可愛らしい雰囲気**になっていた。  

「おはようございまーす!」  

「おはようございます、沙織先生!」  

すでに登園していた同僚の**佐藤先生**が、拓也に笑顔を向ける。  

「あれ? 今日、なんか雰囲気違いません?」  

「えっ!? そ、そう?」  

「うん、すごく綺麗にメイクしてる! なんか**大人っぽくて可愛い感じ**になってる!」  

**ドキッ!**  

昨日まで適当に済ませていたメイクが、いきなり褒められるとは思っていなかった拓也は、少し動揺しながらも、ぎこちなく笑った。  

「えへへ……ちょっと気合い入れてみたんです……」  

「すごい! アイメイクとかすごく丁寧にされてますね!**どうやってるんですか?**」  

「えっ……えーと、それは……」  

……メイクの師匠は本物の沙織です。

とは口が裂けても言えない。  

「えっと……あの……友達に教えてもらって……?」  

「へぇー! すごいですね! 今度コツ教えてください!」  

「は、はい!」  

(いや、俺に聞かれても困るんだが!!)  

心の中で叫びつつも、なんとか誤魔化した拓也。  

そこに園児たちが元気に駆け寄ってきた。  

「さおりせんせー! おはよー!」  

「あら、みんな元気ね~!」  

「せんせー、なんか今日いつもよりかわいい!」  

「えっ!? そ、そう?」  

まさか園児たちにまで気づかれるとは……! 

(……やばい、本当に俺の女子力、上がってる……?)  

そんなことを考えながらも、褒められるのが悪い気はしなかった。  

こうして、「沙織の体の拓也」の保育士ライフは、女子力向上とともに進んでいくのであった……。

保育園はいつもと変わらず、子どもたちの元気な声でにぎわっていた。  
沙織の体の拓也も、すこし保育士としての仕事に慣れ始めていた。  

「沙織先生、こっち来てー!」  

「はーい!」  

元気よく返事をして園児のもとへ駆け寄ろうとした、その時——  

「きゃああああああっ!!」  

突然、園内に響き渡る**悲鳴**。  

(え!? 何!?)  

振り向くと、**佐藤先生**が園庭の方で慌てふためいていた。  

「ど、どうしました!?」  

「たいへん! **お散歩中の子どもが迷子になったの!**」  

「えええっ!?」  

聞けば、園庭の外でお散歩していた**年少クラスの子**が、先生の目を離した隙にふらっとどこかへ行ってしまったらしい。  

「他の先生たちは手分けして探してるんだけど、まだ見つからなくて……!」  

「わ、分かりました! 私も探します!」  

(ちょっと待てよ!? 俺、保育士になってまだ数日なのに、いきなりこんな大ピンチに!?)  

動揺しつつも、急いで園の外に駆け出した。  
  

**しばらく捜索**  

(どこに行ったんだ!?)  

ふと、公園の方に目を向けると——  

(あれ……? あの子……!)  

**いた!!**  

ベンチにちょこんと座る、泣きそうな顔の**たくみくん**。  

「たくみくーん!!」  

「あっ……! さおりせんせ……」  

「よかったぁぁぁぁ! もう、勝手にいなくなっちゃダメだよー!」  

駆け寄って膝をつき、ほっとした沙織(拓也)が声をかけると、たくみくんは涙目になりながら、ぽつりとつぶやいた。  

「せんせー……ママがいい……」  

(あぁ……そういうことか……)  

どうやら、お散歩中にふとママを思い出して、寂しくなってしまい、一人でここまで歩いてきたらしい。  

「そっかぁ……でも、ママもたくみくんのこと大好きだから、迎えに来てくれるまで先生たちと一緒に待ってようね!」  

そう言って、沙織(拓也)は優しく手を差し伸べた。  

「うん……!」  

たくみくんが小さな手をぎゅっと握り返したその瞬間——  

(あ、俺、今めっちゃ**保育士っぽい……!**)  

不思議な感覚になりながらも、無事にたくみくんを園に連れ帰ることができた。  

「沙織先生! ありがとう!!」  

園に戻ると、先生たちが安堵の表情で出迎えてくれた。  

「いや~、もうほんと焦りましたよ……!」  

「でも無事で本当に良かった……さすが沙織先生!」  

「いや、俺の方が凄く焦ったんですけど……」  

そう心の中でツッコみつつも、子どもたちの命を預かる保育士の責任の重さを改めて実感する拓也であった——。  

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