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女子会の洗礼
しおりを挟む保育園の仕事を終えて帰ろうとしたところ、**佐藤先生**に声をかけられた。
「沙織先生! 今日、仕事終わりに女子会やるんだけど、一緒にどう?」
「じょ、女子会!?」
(えっ、どうしよう……でも、断るのも不自然か……)
「じゃ、じゃあ……お邪魔させてもらいます!」
**こうして、沙織の体の拓也は人生初(?)の女子会に参加することになった。**
女子会の会場は、駅前の**おしゃれなカフェバー**。
仕事帰りの女性たちが集まり、華やかな雰囲気だった。
(あ、あれ……俺、場違い感やばくないか……?)
沙織(拓也)は緊張しながら席に座ると、すぐに女子会特有のテンションに巻き込まれた。
「**かんぱーい!**」
「**今日もお疲れさまー!**」
(お、おお……)
さっそく話題はそれぞれの**恋愛トーク**へと突入していく。
「そういえば、沙織先生って結婚してるんだよね?」
「う、うん……(というか俺が沙織と結婚してるんだけど)」
「結婚ってどう? **幸せ?**」
「えっ……し、幸せ……?」
(ど、どう答えるのが正解なんだ!?)
とりあえず、笑顔を作って返す。
「ま、まあ……うん、幸せ……かな?」
「いいなぁ~! うちの彼氏、結婚の話すると微妙な顔するんだよね~」
「分かるー! **男って結婚に慎重すぎるよね!**」
「ね! もっとガツンとプロポーズしてほしいよね!」
(そ、そうなのか……?)
拓也(沙織の体)は女子たちの恋愛観に圧倒されつつも、なんとか話についていこうと頷き続ける。
「でね、結婚生活って実際どうなの?」
「旦那さんって優しい?」
「夫婦喧嘩とかする?」
「家事の分担は?」
「夜の方は……」
「ちょ、ちょっと待って!? そんなに一気に聞かれても答えられないよ!」
「あはは! だって気になるんだもーん!」
(やばい、完全に質問攻めだ……!)
「え、えっと……うちの旦那(つまり俺)は……**優しい……かな?**」
「おお~! やっぱり**ラブラブ夫婦**って感じ?」
「い、いや、まあ……**喧嘩もするけど**……」
(俺たち、最近はむしろ入れ替わったことに振り回されてばっかだけどな……)
「え~、でも仲良さそうだよね!」
「沙織先生みたいな奥さんがいる旦那さん、**絶対幸せだよ~!**」
(いや、今の俺、**奥さん側**なんだけど!?)
**女子会は終始、恋愛トークと結婚生活の質問責めで大盛り上がり。**
拓也(沙織の体)は心の中で「これは完全に沙織の役目だろ……」と嘆きながらも、なんとかその場をやり過ごしたのだった——。
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