旦那様は魔王様!

狭山ひびき

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ミリアムのドキドキ大作戦☆

新事実にびっくりです!? 1

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 アスヴィルは苦悩していた。

 彼の目の前には、真っ赤な髪をツインテールにして、黒のひらひらしたひざ丈のドレスを身に着けているミリーがいる。

 彼女はふんふんと鼻歌を歌いながら沙良さらの部屋の窓に張りついて、そこから見える庭の迷路の中を観察していた。

 アスヴィルは先ほどから胃がキリキリしていて、ついに良心の呵責かしゃくに耐え切れなくなり口を開いた。

「さすがに、今回のはやりすぎだったのでは……」

 対して、ミリーはあっけらかんと答えた。

「なに言ってるんですか。このくらいしないと、あの二人はいつまでもこのままなんですよ。全然らぶらぶしないじゃないですか! わたしは愛のキューピッドなんです。やりすぎもへったくれもありません!」

 魔界に住んでいるものがキューピッドも何もないと思うが、そこを突っ込むとうるさそうなので、アスヴィルはそこには触れずに続けた。

「だが、いくらなんでもあれは……」

 手伝え、と言われてミリアムに極甘のアスヴィルは言われた通り素直に従ったが、思い返せば自分もどうかしていた。

「いいんですよ! そんなに強いものは使ってないでしょ?」

「そうだが……」

 アスヴィルはミリーの隣に静かに歩み寄り、そこから窓外を見下ろした。

 遠くに見える庭の四阿は、屋根があるので中で二人がどうなっているのかは伺えないが、アスヴィルは心配そうに眉を下げる。

「押してダメなら引いてみろなんて言いますけどねえぇ、わたしは引くなんてまどろっこしいことはしません! 押してダメならさらに押せばいいんです!!」

「いや、それは当人たちに言えることであって、周りが押すものではないだろう……」

 アスヴィルはため息交じりに突っ込んだ。

 ミリーはふふんと笑って、ミリーの倍の身長はあるアスヴィルを見上げた。

「あらだって、あの二人、周りが何とかしないと、いつまでも進展ないんだもの」
 
 ミリーのその声と口調がぐっと大人の女のものになり、アスヴィルは閉口した。

 一瞬垣間見えた表情は、子供の顔には似つかわしくないほど艶やかだった。

 だが、その顔はすぐに子供特有の無邪気なものに戻る。

「んふ、だから、こうしてお手伝いしてるんですよぉ」

 もはや、アスヴィルは何も言えなかった。
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