25 / 137
ミリアムのドキドキ大作戦☆
初デートはお庭です! 3
しおりを挟む
アスヴィルが去った後にやってきたミリーによって、沙良はなぜか、ミリアムが用意したというエプロンドレスに着替えさせられた。
紺色のスカートに白いフリフリしたエプロンの、メイドが着ていそうなエプロンドレスである。
もっと謎なことに、頭にカチューシャをつけられて、髪をツインテールにされた。
(……メイドさん?)
なぜ、ティータイムに行くのに、メイドの格好なのだろうか。
沙良は以前、シヴァの愛人にメイドに間違えられたことはあったが、こうしてメイドの格好をするのははじめてだった。
だが、何事もスローテンポの沙良が、なぜメイドの格好なのかと問いただす前に、「行ってらっしゃい~」とミリーによってポンッと庭の迷路に飛ばされる。
沙良は、一瞬後に迷路の中にある四阿の前に立っていた。
目の前の四阿は、白い柱が何本も立っていて、大きな鳥かごのように見える。
四阿の中にはベンチと、真ん中に丸いテーブルがあった。
ミリアムの手紙にもあった通り、四阿の周りを取り囲んでいる蔓薔薇は、白やピンクの花を咲かせていて、とても幻想的な光景だ。
ミリアムはまだ来ていないようである。
沙良はテーブルの上にバスケットをおくと、ミリアムを待っているあいだ、薔薇の花を見て楽しむことにした。
写真や絵では見たことがあるが、実は、本物の薔薇の花を見るのはこれがはじめてなのだ。
「いい匂い……」
たくさんの薔薇が咲いているからか、あたり一帯、沙良の大好きな香りがする。
一輪手折って帰ったら怒られるかな、と沙良が白薔薇の前で真剣に悩んでいると、背後から足音が聞こえてきた。
ミリアムが来たのだろうか、と振り返った沙良は、そこにいた人物に目を丸くした。
「シヴァ様……?」
いつの間にか、沙良の背後にシヴァがいた。
シヴァと会うのは、ミリーに嵌められて同じベッドで眠ることになった日以来で――、シヴァの顔を見て、その時のことを思い出した沙良は、ボンッと顔を染めた。
抱きしめられた時のシヴァの体温までまざまざと思い出してしまった。
(ミリーのばかぁ……)
恥ずかしくて、シヴァの顔がまともに見れない。
「どうしてお前がここにいる?」
シヴァに訊ねられて、沙良は反射的にシヴァの顔を見上げてから、ぱっと視線を落とした。
「み、ミリアム様に、お茶に誘われたんです……」
四阿のテーブルの上のバスケットを指さすと、シヴァは怪訝な顔をした。
「俺はアスヴィルに話があるからと呼び出されたんだが……、ああ、なるほど」
はぁー、とシヴァは長く息を吐いた。
「つくづく、あの馬鹿どもはろくなことをしないな……」
独り言ちて嘆息するシヴァに、沙良は首をひねる。
シヴァは苦笑して「また嵌められたんだ」と答えると、四阿のベンチに腰を下ろした。
ぼーっと立っているのもおかしな気がして、沙良もシヴァの隣にちょこんと座る。
「あのー、嵌められたって……?」
「ああ、あの馬鹿二人は、俺とお前が鉢合わせするように仕向けたんだろうよ。次から次へと、あの手この手でご苦労なことだ……」
「つまり、ミリアム様は、こないんですか?」
「そうだ」
シヴァに即答され、沙良はバスケットに視線を投げた。
シヴァも沙良の視線の動きに気がついてバスケットを見やる。
「それは?」
「お菓子です。お茶会用の」
沙良は少し考えてバスケットを開けた。クッキーやケーキをシヴァに見せる。
「またずいぶんと持ってきたな」
「はい。……せっかくだから、シヴァ様、食べませんか?」
シヴァはバスケットの中身を見た。そこにはシヴァの好きなチョコチップクッキーも入っている。
シヴァは無言でパチンと指を鳴らした。
次の瞬間には四阿のテーブルの上に二人分のティーセットがあらわれた。
シヴァは何も言わなかったが、沙良はティーセットが登場したことにホッとした。これはシヴァの同意だ。
沙良はバスケットの中をのぞいて、一番気になっていたフルーツケーキを手に取った。
シヴァも当然のようにチョコチップクッキーを手にする。
「シヴァ様はよくここにくるんですか?」
甘いお菓子と紅茶でリラックスした沙良は、にこにことシヴァに訊ねた。
「たまにな」
「すてきなところですよね。わたし、本物の薔薇を見たの、はじめてなんです! きれいだし、いい匂いだし、ここ、大好きになりました」
「そうか」
「また、来てもいいですか?」
シヴァは、ふっと小さく笑った。
「好きな時に来ればいい。ただし、来るときは誰かと一緒にしろ。周りの迷路で迷うぞ」
「はいっ」
シヴァは黙っていたら相変わらず冷たい雰囲気で少し怖いが、こうして微かにでも笑ったときの顔はとても優しい。
沙良は嬉しくなり、幸せな気持ちでフルーツケーキにかぶりついた。
バターがたっぷり使ってあるフルーツケーキは、フワフワだけどしっとりしていて、甘くて、中に入っているドライフルーツの酸味も絶妙だ。
思わず沙良の顔がにやける。
いつも思うが、アスヴィルの作るお菓子は絶品だ。
お菓子を作るアスヴィルの姿は、正直まだ違和感が強い。背が高くて筋肉質で厳つい顔をした彼が、どうしてこんな繊細な味のお菓子を作り出せるのか、沙良はいまだに不思議で仕方がない。
しかし、こんなにおいしいお菓子を毎回差し入れてくれるアスヴィルに、沙良はとても感謝していた。
アスヴィルは、見かけによらず繊細で、ミリーの言葉を借りるなら「オトメン」で、とても優しいのだ。
幸せそうな顔をしてケーキを頬張る沙良を見て、シヴァは微苦笑を浮かべた。
「うまいか?」
「はい!」
「よかったな」
そう言いながら、シヴァもチョコチップクッキーを口に入れる。――ややして、シヴァは眉間に深く皺を刻んだ。
「沙良、もう食べるな」
そう言ったがすでに遅く、沙良は一つ目のフルーツケーキを食べ終えたあとだった。
「どうかしたんですか?」
沙良は首をかしげながら、少しだけ頭がふわふわするなと思った。
酒は飲んだことはないが、酒を飲んで酔ったときはこんな感じなのだろうか――そんな、酩酊したような感覚だ。
どうしたのかな、と思っているうちに酩酊に似た感覚はひどくなって、徐々に目が回りはじめる。
「チッ」
シヴァは舌打ちして、体がぐらぐら揺れはじめた沙良を膝の上に抱きかかえるようにして支えた。
頭の中が靄がかったようにぼんやりしている沙良の耳に、忌々し気なシヴァの声が届いた。
「あの馬鹿どもが―――、まったく、ろくなことをしない……!」
紺色のスカートに白いフリフリしたエプロンの、メイドが着ていそうなエプロンドレスである。
もっと謎なことに、頭にカチューシャをつけられて、髪をツインテールにされた。
(……メイドさん?)
なぜ、ティータイムに行くのに、メイドの格好なのだろうか。
沙良は以前、シヴァの愛人にメイドに間違えられたことはあったが、こうしてメイドの格好をするのははじめてだった。
だが、何事もスローテンポの沙良が、なぜメイドの格好なのかと問いただす前に、「行ってらっしゃい~」とミリーによってポンッと庭の迷路に飛ばされる。
沙良は、一瞬後に迷路の中にある四阿の前に立っていた。
目の前の四阿は、白い柱が何本も立っていて、大きな鳥かごのように見える。
四阿の中にはベンチと、真ん中に丸いテーブルがあった。
ミリアムの手紙にもあった通り、四阿の周りを取り囲んでいる蔓薔薇は、白やピンクの花を咲かせていて、とても幻想的な光景だ。
ミリアムはまだ来ていないようである。
沙良はテーブルの上にバスケットをおくと、ミリアムを待っているあいだ、薔薇の花を見て楽しむことにした。
写真や絵では見たことがあるが、実は、本物の薔薇の花を見るのはこれがはじめてなのだ。
「いい匂い……」
たくさんの薔薇が咲いているからか、あたり一帯、沙良の大好きな香りがする。
一輪手折って帰ったら怒られるかな、と沙良が白薔薇の前で真剣に悩んでいると、背後から足音が聞こえてきた。
ミリアムが来たのだろうか、と振り返った沙良は、そこにいた人物に目を丸くした。
「シヴァ様……?」
いつの間にか、沙良の背後にシヴァがいた。
シヴァと会うのは、ミリーに嵌められて同じベッドで眠ることになった日以来で――、シヴァの顔を見て、その時のことを思い出した沙良は、ボンッと顔を染めた。
抱きしめられた時のシヴァの体温までまざまざと思い出してしまった。
(ミリーのばかぁ……)
恥ずかしくて、シヴァの顔がまともに見れない。
「どうしてお前がここにいる?」
シヴァに訊ねられて、沙良は反射的にシヴァの顔を見上げてから、ぱっと視線を落とした。
「み、ミリアム様に、お茶に誘われたんです……」
四阿のテーブルの上のバスケットを指さすと、シヴァは怪訝な顔をした。
「俺はアスヴィルに話があるからと呼び出されたんだが……、ああ、なるほど」
はぁー、とシヴァは長く息を吐いた。
「つくづく、あの馬鹿どもはろくなことをしないな……」
独り言ちて嘆息するシヴァに、沙良は首をひねる。
シヴァは苦笑して「また嵌められたんだ」と答えると、四阿のベンチに腰を下ろした。
ぼーっと立っているのもおかしな気がして、沙良もシヴァの隣にちょこんと座る。
「あのー、嵌められたって……?」
「ああ、あの馬鹿二人は、俺とお前が鉢合わせするように仕向けたんだろうよ。次から次へと、あの手この手でご苦労なことだ……」
「つまり、ミリアム様は、こないんですか?」
「そうだ」
シヴァに即答され、沙良はバスケットに視線を投げた。
シヴァも沙良の視線の動きに気がついてバスケットを見やる。
「それは?」
「お菓子です。お茶会用の」
沙良は少し考えてバスケットを開けた。クッキーやケーキをシヴァに見せる。
「またずいぶんと持ってきたな」
「はい。……せっかくだから、シヴァ様、食べませんか?」
シヴァはバスケットの中身を見た。そこにはシヴァの好きなチョコチップクッキーも入っている。
シヴァは無言でパチンと指を鳴らした。
次の瞬間には四阿のテーブルの上に二人分のティーセットがあらわれた。
シヴァは何も言わなかったが、沙良はティーセットが登場したことにホッとした。これはシヴァの同意だ。
沙良はバスケットの中をのぞいて、一番気になっていたフルーツケーキを手に取った。
シヴァも当然のようにチョコチップクッキーを手にする。
「シヴァ様はよくここにくるんですか?」
甘いお菓子と紅茶でリラックスした沙良は、にこにことシヴァに訊ねた。
「たまにな」
「すてきなところですよね。わたし、本物の薔薇を見たの、はじめてなんです! きれいだし、いい匂いだし、ここ、大好きになりました」
「そうか」
「また、来てもいいですか?」
シヴァは、ふっと小さく笑った。
「好きな時に来ればいい。ただし、来るときは誰かと一緒にしろ。周りの迷路で迷うぞ」
「はいっ」
シヴァは黙っていたら相変わらず冷たい雰囲気で少し怖いが、こうして微かにでも笑ったときの顔はとても優しい。
沙良は嬉しくなり、幸せな気持ちでフルーツケーキにかぶりついた。
バターがたっぷり使ってあるフルーツケーキは、フワフワだけどしっとりしていて、甘くて、中に入っているドライフルーツの酸味も絶妙だ。
思わず沙良の顔がにやける。
いつも思うが、アスヴィルの作るお菓子は絶品だ。
お菓子を作るアスヴィルの姿は、正直まだ違和感が強い。背が高くて筋肉質で厳つい顔をした彼が、どうしてこんな繊細な味のお菓子を作り出せるのか、沙良はいまだに不思議で仕方がない。
しかし、こんなにおいしいお菓子を毎回差し入れてくれるアスヴィルに、沙良はとても感謝していた。
アスヴィルは、見かけによらず繊細で、ミリーの言葉を借りるなら「オトメン」で、とても優しいのだ。
幸せそうな顔をしてケーキを頬張る沙良を見て、シヴァは微苦笑を浮かべた。
「うまいか?」
「はい!」
「よかったな」
そう言いながら、シヴァもチョコチップクッキーを口に入れる。――ややして、シヴァは眉間に深く皺を刻んだ。
「沙良、もう食べるな」
そう言ったがすでに遅く、沙良は一つ目のフルーツケーキを食べ終えたあとだった。
「どうかしたんですか?」
沙良は首をかしげながら、少しだけ頭がふわふわするなと思った。
酒は飲んだことはないが、酒を飲んで酔ったときはこんな感じなのだろうか――そんな、酩酊したような感覚だ。
どうしたのかな、と思っているうちに酩酊に似た感覚はひどくなって、徐々に目が回りはじめる。
「チッ」
シヴァは舌打ちして、体がぐらぐら揺れはじめた沙良を膝の上に抱きかかえるようにして支えた。
頭の中が靄がかったようにぼんやりしている沙良の耳に、忌々し気なシヴァの声が届いた。
「あの馬鹿どもが―――、まったく、ろくなことをしない……!」
1
あなたにおすすめの小説
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
【完結】タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する
雨香
恋愛
【完結済】美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。
ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。
「シェイド様、大好き!!」
「〜〜〜〜っっっ!!???」
逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
お飾り王妃のはずなのに、黒い魔法を使ったら溺愛されてます
りんりん
恋愛
特産物のないポプリ国で、唯一有名なのは魔法だ。
初代女王は、歴史に名を残すほどの魔法使い。
それから数千年、高い魔力を引き継いだ女王の子孫達がこの国をおさめてきた。
時はアンバー女王の時代。
アンバー女王の夫シュリ王婿は、他国の第八王子であった。
どこか影の薄い王婿は、三女ローズウッドを不義の子ではと疑っている。
なぜなら、ローズウッドだけが
自分と同じ金髪碧眼でなかったからだ。
ローズウッドの薄いピンク色の髪と瞳は宰相ククスにそっくりなのも、気にいらない。
アンバー女王の子供は四人で、すべて女の子だった。
なかでもローズウッドは、女王の悩みの種だ。
ローズウッドは、現在14才。
誰に似たのか、呑気で魔力も乏しい。
ある日ストーン国のレオ王から、ローズウッド王女を妻にしたいとうい申し出が届いた。
ポプリ国は、ストーン国から魔法石の原料になる石を輸入している。
その石はストーン国からしか採れない。
そんな関係にある国の申し出を、断ることはできなかった。
しかし、レオ王に愛人がいるという噂を気にしたアンバー女王は悩む。
しかし、ローズウッド王女は嫁ぐことにする。
そして。
異国で使い魔のブーニャンや、チューちゃんと暮らしているうちに、ローズウッドはレオ王にひかれていってしまう。
ある日、偶然ローズウッドは、レオ王に呪いがかけられていることを知る。
ローズウッドは、王にかけられた呪いをとこうと行動をおこすのだった。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
何もしない公爵夫人ですが、なぜか屋敷がうまく回っています
鷹 綾
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスの妻となったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、屋敷を仕切ることも、改革を行うことも、声高に意見を述べることもしなかった。
指示を出さない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
「何もしない夫人」として、ただ静かにそこにいるだけ。
それなのに――
いつの間にか屋敷は落ち着き、
使用人たちは迷わなくなり、
人は出入りし、戻り、また進んでいくようになる。
誰かに依存しない。
誰かを支配しない。
それでも確かに“安心できる場所”は、彼女の周りに残っていた。
必要とされなくてもいい。
役に立たなくてもいい。
それでも、ここにいていい。
これは、
「何もしない」ことで壊れなかった関係と、
「奪わない」ことで続いていった日常を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる