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ミリアムのドキドキ大作戦☆

初デートはお庭です! 2

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 沙良がシヴァの部屋で一夜をすごした日から数日たった、ある日の午後。

 ふらりとやってきたアスヴィルにバスケットを差し出されて、沙良は首をひねった。

 受け取って中身を見ると、クッキーやケーキなどのお菓子がこんもりと入っている。

「どうしたんですか、これ」

 アスヴィルはいつもお手製のお菓子を午後のティータイムのときに差し入れてくれるが、こんなにたくさんのお菓子をバスケットごともらったのは、はじめてだった。

 アスヴィルはほんのちょっぴり困った顔をして、一通の手紙を差し出した。


『沙良ちゃんへ
 やっほー 沙良ちゃん
 お元気かしらぁ?
 今日はとってもいいお天気だし
 アスヴィルにお菓子を作らせたから
 よかったらお庭の迷路でティータイムをしないこと?
 迷路の真ん中に四阿あずまやがあるの
 今ちょうど、四阿の周りの蔓薔薇つるばらもきれいに咲いているし、ね?
 いいでしょう?
 四阿のところで待っているからぜひ来て頂戴ね!
 愛をこめて       ミリアムより』


 沙良は少しびっくりした。

 ミリアムとは過去に一度会ったきりだったのだ。

 まさかティータイムに誘ってもらえるとは思わず、アスヴィルから受け取ったバスケットを見下ろす。

(これが俗にいう、女子会ですか!?)

 しかも、外に出ることができる。

 考えてみれば、沙良は一度も城より外に出たことがなかった。

 窓から見下ろしていたあのきれいな庭でティータイムを楽しめるのだ。

 わくわくしないはずがない。

「あとで迎えに来るから、支度しておけ」

「支度、ですか?」

 沙良は自分の格好を見下ろした。

 相変わらず、ミリーによってフリフリなドレスを着せられている。今日は空のような青色に、白いリボンや真珠が散りばめられたドレスだった。

 充分豪華だが、このままではいけないのだろうか?

「ミリアムが、ティータイム用にドレスも用意している。あとから届けられるはずだからそれに着替えて待っていろ」

 沙良は「ティータイム」のためにわざわざ着替える必要性は理解できなかったが、アスヴィルがそう言うのであれば、と頷いた。

「わかりました!」

 素直に頷く沙良に、アスヴィルは何か言いたそうな視線をよこしたが、結局何も言わずに、「またな」と言って彼は部屋を出て行ったのだった。
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