パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第50話 神罰兵器の正体

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 黒い球体が森を焦がした夜から一日。追放者連合は辛うじて態勢を保っていたが、負傷者の呻きと焦土の匂いが谷を覆っていた。
 リナは泣きはらした目で鍋をかき混ぜ、フィオは震える手で杖を磨き、エレナとミーナは包帯と薬を必死に繋いでいた。

「……このままじゃ、全部焼かれる」
 セリウスが険しい顔で地図を睨む。
「神罰兵器の威力は戦術でどうにかできる範疇を超えている。……だが、必ず弱点があるはずだ」

 俺は剣を握りしめて言った。
「調べるしかない。命懸けでな」



 偵察に選ばれたのは、俺とセリウス、そしてフィオ。
「私も行く!」リナが叫んだ。
「駄目だ、危険すぎる」
「危険だからこそ、食料も薬も運べる人が必要なんでしょう!」

 彼女の強い瞳に押され、結局同行を許した。



 夜、森の影を伝い、俺たちは王都軍の陣営に忍び込んだ。
 遠くに見えるのは黒い球体――神罰兵器。その周囲には聖職者たちが輪を描くように並び、絶え間なく詠唱を続けている。

「なるほど……」セリウスが囁いた。
「あれは魔導兵器ではなく、祈りを力に変えて放つ“儀式装置”だ。詠唱を止めれば機能を失う」

「じゃあ、聖職者を倒せば……!」リナが小声で言う。
「数は数百。容易ではない」



 その時、フィオが目を細めた。
「……黒い球体の下、何かある」

 俺たちは息を呑んだ。
 球体を支える台座には、鎖で繋がれた人影があった。
 少年や少女――追放者らしき者たちが、力を吸い上げられるように膝をついていたのだ。

「まさか……」リナが青ざめる。
「追放者の命を……燃料にしてるの?」

 セリウスが顔を歪めた。
「だからこそ、あれほどの力がある。役立たずとされた者を犠牲にして、王都は“正義の兵器”を作ったんだ……!」



 怒りで胸が震えた。
「……追放者を利用して、追放者を焼き払うのか」
 拳を握りしめ、俺は低く呟いた。
「ふざけるな」



 その時、見張りの兵が近づき、こちらに気づいた。
「誰だ!」

「逃げろ!」俺たちは飛び出し、剣で道を切り開いた。
 フィオの炎が夜を照らし、リナが必死に荷を抱えて走る。

「早く!」

 追撃の矢が飛び、肩に突き刺さる痛みに俺は歯を食いしばった。
「構うな! 急げ!」



 辛うじて谷へ戻った俺たちは、全員を集めて報告した。

「神罰兵器は祈りで動いている。詠唱を止めればいい。だが、それ以上に……燃料にされていたのは追放者たちだった」

 広場が静まり返る。誰もが怒りと涙で震えていた。

「許せない……!」リナが叫んだ。
「私たちの仲間を……!」

「必ず止める。段取りを間違えなければ、あんな兵器に勝てる!」俺は剣を掲げ、皆を見渡した。

 旗が炎に照らされ、夜空に高く揺れた。



 ――追放者を犠牲に生まれた神罰兵器。
 その正体を知った時、谷の誰もが決意を固めた。

 次の戦いは、追放者の尊厳そのものを賭けた戦いとなる。
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