パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第49話 神罰の光

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 夜の森を揺るがす不気味な詠唱。遠くの地平線に浮かぶ黒い球体は、雷雲と炎を閉じ込めたように脈動していた。
 周囲を取り巻く聖職者たちが一斉に祈りを捧げると、球体の中心が赤く染まり、空気そのものが悲鳴を上げた。

「来るぞ……!」俺は剣を握りしめ、仲間に叫んだ。
「全員、構えろ!」



 次の瞬間、光が奔った。

 轟音と共に大地が裂け、森の一角が丸ごと吹き飛ぶ。
 木々は灰となり、岩は溶け、地面に巨大なクレーターが刻まれた。

「な、何だあれは……!」グレンが目を見開く。
「魔法じゃない……これは……」セリウスが声を震わせた。
「……神罰」フィオの顔が蒼白に染まった。



 避難所から子どもの泣き声が響く。
「お母さん……こわい……」
 リナが必死に抱きしめ、震える声で言った。
「大丈夫、大丈夫だから……」

 だが次の光が放たれると、遠くの山肌が抉れ、轟音と共に崩れ落ちた。
 逃げ遅れた追放者の数人が、悲鳴を上げる間もなく消し飛んだ。

「やめろぉぉぉ!」ガンツが鉄槌を振り回し、無力に叫んだ。



「どうする!? カイル!」セリウスが詰め寄る。
「通常戦力では勝てません! あれは兵器というより……災害だ!」

「分かってる!」俺は歯を食いしばった。
「だが段取りはまだ残ってる。――時間を稼げ!」



 飛竜戦で残った槍兵たちが前へ出て、光の詠唱を妨害しようと突撃する。
「止めろ! 止めてやる!」

 だが聖職者を守る王都兵が立ちはだかり、突撃は失敗。
 再び黒球が閃光を放ち、突撃した者ごと地面を飲み込んだ。

「ぎゃあああ!」
「うわああ!」

 広場に絶望の声が広がった。



 ロディが竪琴を鳴らし、マリアが声を張り上げる。
「恐れるな! 生き残れ!」
「ここは私たちの居場所!」

 歌声が士気を繋ぎ止め、崩れかけた心を奮い立たせた。
 リナが震える手で鍋を差し出す。
「食べて! まだ戦える!」

 仲間の支えに、わずかに前へ出る者が増えた。



 それでも“神罰兵器”の威力は止まらない。
 ひとたび放たれれば、数百の兵すらまとめて消し飛ばす。

「……これが王都の本気か」俺は息を呑んだ。
「だが、段取りを間違えなければ……必ず止められる!」

 剣を掲げ、声を張り上げた。
「全員、持ちこたえろ! この兵器に勝つ段取りを見つけるまで!」

 旗が炎と煙の中で揺れ、仲間たちが必死に叫びを返した。

「俺たちは追放者だ!」
「だが生きるために抗う!」



 ――その夜、追放者連合は“神罰兵器”の恐ろしさを思い知った。
 森はさらに焦土と化し、多くの仲間が倒れた。
 だが誰一人として、逃げようとはしなかった。

 次の戦いは、もはや人と人の戦ではない。
 ――神と追放者との戦いだった。
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