パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第51話 奇襲作戦

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 黒い球体――神罰兵器。その正体が、祈りを力に変え、さらに追放者たちの命を燃料にして動く“儀式装置”だと判明した夜から、谷は一変した。

 誰もが怒りに震え、涙を流し、それでも戦う決意を固めた。
「追放者を犠牲にするなんて……絶対に許せない!」リナが叫び、仲間全員が頷いた。



「作戦を説明する」俺は焚き火の前で地図を広げた。
「神罰兵器は詠唱で維持されている。聖職者の輪を崩せば一時的に止まるはずだ」

 セリウスが補足する。
「詠唱は百人以上で交代しながら続けられています。全員を倒す必要はない。指揮役を潰せば混乱するでしょう」

「問題は……その中心にいる追放者たちをどう救うか」俺は言った。
「彼らを解放しなければ、また力を吸われて復活する」



「俺が行く!」グレンが立ち上がった。
「突っ込んでぶっ壊してやる!」

「無茶だよ!」リナが止める。
「正面突破なんて自殺行為だ!」

「だからこそ俺がやるんだよ!」



「違う」俺は首を振った。
「これは全員で挑む作戦だ。一人で死ぬんじゃない。全員で生きて帰る」

 沈黙の後、仲間たちが力強く頷いた。
「一緒に行く」
「追放者の尊厳を取り戻す!」
「絶対に犠牲にさせない!」



 翌夜。作戦決行。

 月明かりの下、俺たちは森を抜けて王都軍の陣営へと忍び込んだ。
 遠くに黒球が不気味に脈動し、詠唱の声が波のように押し寄せてくる。

「……始めるぞ」俺は剣を抜いた。



 最初の合図はフィオの炎だった。
「――フレイムバースト!」

 炎が夜空を裂き、聖職者の輪の一角を爆破する。悲鳴と共に詠唱が乱れた。

「今だ!」

 グレンとガンツが突撃し、鉄槌と大剣で敵兵をなぎ払う。
「道を開けろォ!」

 ロディとマリアの歌声が響き、村人の士気を鼓舞する。
「生き残れ! ここが俺たちの国だ!」



 だがすぐに聖騎士団が立ち塞がった。
「反逆者どもを討て!」

 銀の鎧に聖光を纏い、圧倒的な力で迫る。
「カイル!」リナが叫ぶ。

「任せろ!」俺は剣を振るい、聖騎士の刃を受け止めた。
「俺たちはもう物語の捨て駒じゃない!」



 その間にセリウスとミーナ、エレナが中央の台座へと走る。
 鎖に繋がれた追放者たちがうめき声を上げていた。
「助けて……」
「生きたい……」

「必ず助ける!」エレナが叫び、布で鎖を覆う。
「これを切って!」ミーナが薬で錆を溶かし、セリウスが短剣で鎖を断ち切った。

 追放者たちが涙を流しながら倒れ込む。



 だがその時、黒球が轟音を上げて脈動した。
 詠唱の指揮役が新たな力を注ぎ込んでいたのだ。

「止まらない……!?」フィオが顔を青ざめさせる。
「まだ詠唱が続いている……!」セリウスが叫ぶ。

 空気が震え、大地が揺れる。

「来るぞ――!」



 次の瞬間、神罰の光が放たれた。

 轟音と共に大地が抉れ、夜空が白に染まる。
 追放者連合は必死に身を投げ出し、爆風に吹き飛ばされた。



 煙の中で俺は剣を支え、荒い息を吐いた。
「……段取りを間違えたか」

 だが視線を上げると、救い出した追放者の子どもが震えながらも立っていた。
「ありがとう……生きてる……」

 その瞳に宿る光を見て、俺は剣を握り直した。
「まだだ。段取りは終わっていない。必ず止める!」



 ――神罰兵器を止めるための奇襲作戦は始まったばかりだった。
 仲間たちの命と尊厳を懸けた戦いは、さらに激化していく。
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