ウォーキング・オブ・ザ・ヒーロー!ウォークゲーマーの僕は今日もゲーム(スキル)の為に異世界を歩く

まったりー

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友とのセカンドステップ

37歩目 変わった行商人

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「ようこそミズク村へ」


僕たちは2日掛けて下山し、荒野を1日進んで村に着きました、この村はちょっとした小山の上に作られすごく綺麗な円形をしています、門番さんが僕の商人カードを見て凄い笑顔です、そして馬車の中を見ないで普通に通してくれましたよ、アマンダが拍子抜けしています。


「あれで仕事をしてるのか?どう見ても怪しいと思うんだがな」

「自分たちで怪しいとか言わないでよアマンダ、それに村を襲うならモンスターなんでしょ、これだけ見晴らしが良いと盗賊とかが来ないんだよ、それよりもアマンダちょっと耳貸して」


御者席に座っているアマンダに身をかがめるて貰い、ヒソヒソとマップで知った情報を話します、アマンダは頷いて元の体勢で座り馬車を操作し始めました。


「ホウホウ、これが武器ですかな?」


村長さんの家に着いた僕たちは、早速ロンゾ村で作った竹とんぼなどの武器を出し使い方を話します、その後同じ種類のガチャ武器も出し宣伝は完璧です。
村長さんは顎の髭を触りながら興味津々です、僕はこれを見て隠してるつもりなのかとツッコミを入れたくなったよ。


「そうですよ村長さん、使い方は買ってもらう時に教えます、飛ばしても戻って来るんですよ」

「ホウホウ、ブーメランと同じですな・・・分かりました、他の物も武器ですかな?」


ツッコミたい気持ちを抑え、けん玉やヨーヨーもそうだと僕は頷き、早速村の中心で馬車を止め露店を開きました、村人たちは既に知っていたようで集まっています、僕は村長よりも分からなくしていると思いつつ使い方を教えました。


「へぇ~これが武器なんだな?」

「そうですよ、子供の遊び道具にもなるんですよ、遊んでいる間にスキルも上達します、でも子供たちに使ってもらうなら安全を考えてくださいね、おもちゃの方でも当たったら怪我をします」


僕は注意点を言って値段は銀貨1枚(1000メロー)と告げました、村人はちょっと嫌がっています。


「ちょっと高いな、700メローくらいにならないか?」

「これはちょっと遠くのロンゾ村で作っていて、輸送費を考えるとこれ以上は・・・でもそうですねぇお金以外の物で取引と言うのはどうでしょう、ここら辺のモンスターはどんなのがいますか?」


ミズク村ではお金を取れそうにないと分かった僕は直ぐに方向を変えます、男性も最初は驚いてましたがモンスターの種類や強さを教えてくれましたよ。


「へぇ地中から突然襲ってくるんですか?」

「そうなんだ、ドラムワームって言うんだが厄介だぞ、ここから北にそいつらのテリトリーがあるんだ、近寄ったらまず助からない」


男性が何処から攻撃してくるか分からないと嫌そうに語ってくれます、毒も持っていてじわじわ来るとホントに嫌そうです、僕はここは平気なのかと聞いたら少し高台になっているから来れないそうです。


「情報ありがとうございます、では約束のけん玉をどうぞ」

「おおありがとう!これがあれば空から!?」


男性が言葉の途中で口を押えました、僕は既に知っていますが聞かなかった事にして笑顔で応対します、この村にはちょっと秘密があるんです。


「ドラムワームかぁ、村には玉が無いしここは行くべきかな?」


そう思いながらも次のお客さんに話(情報)を聞き商品を渡します、アマンダは主に武器の実演です、たまに子供たちにも使って貰い笑顔で仲良く教えていますよ。


「あらら、同業者がいただか?」


僕たちが昼食にしようかと言う時間、お店に大きなリュックをしょっている青年が手を振って来ました、同業者と言っていたので行商人だと思い僕も手を振り返します、格好からしても旅をしていたのが分かるので同業者ですね。


「どうも、僕はアユムって言います、こっちはアマンダです」

「これはご丁寧に、オイラはキリングっていうだ、良ければ後で商品を見せてくれだよ」


キリングと名乗った男性に了承して調理を始めます、キリングは村長の許可を貰いに行ったのがマップで分かりました、僕は結構行商人っているんだねって思いながらも調理を続けます、今日の献立は麦飯の上にオーク肉を乗せたオーク丼です、タレは向こうのでとても美味しいですよ。


「なぁアユム」

「アマンダさ~ん言わなくても分かってるよ、きっと匂いに釣られてきたんだ、あれだけ見られたらねぇ」


僕はワザとさん付けをして言います、アマンダも分かってるようで僕の頭を【コツン】と叩いて来て笑顔です、僕は食事を多めに作って視線の主たちに手招きをします。


「来ないな」

「アマンダの顔が怖いからだよ、いつもの笑顔をしてよアマンダ」


アマンダが先程の笑顔を見せています、僕もそれを見てもう一度笑顔になり手招きです、するとやっと視線の主たちがソロソロと歩いてきました。


「こ、こんにちは」

「いらっしゃい、君たちの分もあるから、良かったら話をしながら一緒に食事でもどうかな?」


僕はオーク丼を正面にいる子供に差し出しました、子供はどんぶりと僕を交互にみて迷ってます。


「そう言えば自己紹介がまだだね、僕はアユム、そっちの怖い人はアマンダだよ」


アマンダの軽めのゲンコツを貰いながら子供たちの名前を聞くと、安心したのか笑いながら先頭の子がどんぶりを受け取ってくれましたよ。


「みんなもどうぞ、そっちのアマンダお姉ちゃんにデザートを貰うと良いよ、これは商売を村で出来たお近づきだよ、遠慮なんかいらないからね」


僕はなるべく貰ってもらえるように言いました、小さい子たちには商売関係なく喜んで欲しいよね。


「うまっ!?なにこれ!」

「こっちのも美味しいよ、口の中が甘くて幸せ~」


オーク丼とデザートを食べて子供たちが嬉しそうです、でも興奮し過ぎて耳が変化してしまった子がいたんだ、他の子が咄嗟に隠して僕たちを怖がって見てきます、僕は笑顔で言ったんだよ。


「安心して、僕たちは他種族だからって何かしようとは思わないよ」

「ほ、ほんと?」


耳が羽になってしまった子供が涙を溜めて僕に問いかけてきました、その顔は小鳥みたいでとても可愛いと思いましたよ、僕は頷きミケサさんたちの話をしたんだ、とても仲良くしていたってね。


「アタシは知らないが、嫌う必要はないと思っているぞ、こうやって仲良く出来るんだ、何もケンカをする必要は無い」


隣に座っている女の子の頭を撫でています、その子は撫でられて、髪の毛が羽に変化してフワフワしてそうでした、僕はうらやましいとか思って見てます。


「でも、人種は僕たちを見つけると直ぐに襲ってくるんだ、さっき入ってきた男だって分からないよ」


最初に僕からドンブリを受け取ったフクオがちょっと怒っています、僕は気になってマップを見たんだけど、視認出来てないので分からなかったです。
後で調べてみるのを心のメモに書き込み、フクオを撫でながら落ち着かせます、楽しいお食事をするのに今のままじゃ出来ませんからね。


「ほっと、はっと」


僕は食後の運動を始めました、けん玉を子供たちに見せています、みんなにもやってもらっていますよ、遊びながらここの事を聞いたんだ。


「ここが少し山になっているのは、下に大木の切り株があるからなんだねフクオ」

「そうだよアユムお兄さん、だからドラムワームは来ないんだ、そこに生えてる木は枝なんだよ」


フクオが指差した方角には、細い木が沢山あります、リンゴが生ってる様にも見えました、どうやらここの食料らしいですよ。


「最近出来が悪いんだ、土はあまり耕せないからみんなお腹を空かせてる・・・あのアユムお兄さん」


フクオが申し訳なさそうに何かを言いかけます、僕はフクオの肩に手を置いて止めました、言わなくても分かるよねって事です、それにここでメインクエストが発生しました。


【メインクエスト】
・ミズク村を救え
《クリア条件》
・村人の食料確保
・村人の安全確保


「フクオそれ以上言わなくてもいいよ、さっき話したミケサさんたちにはすごくお世話になった、だから他種族の人達には恩を感じてるんだ、僕に出来る事なら手伝うよ」

「ほんと!?ありがとうお兄さん」


フクオがヨーヨーを落として僕に抱き着いてきました、僕は頭を撫でて対策を考えます、普通に敷地を広げると下からワームが来ます、ここの様に硬い台を作らないとダメです。


「おやおや楽しそうですだな」


僕がいくつかの方法を考えていると、キリングが戻ってきました、直ぐにマップで確認しましたが表示は青です、でもこいつは商人ではなく盗賊でしたよ。


「どうもキリングさん、商売の許可は下りましたか?」

「それがなぁ、オラの商品は薬に使う薬草なんだ、今は足りているって事で断られちまっただよ、だから今日は泊まるだけして明日には出発だなや」


午後は買い付けだけでもしようかと言っています、僕の商品もそれに入るそうで楽しみみたいです、村のお店を見たらまた来るそうですよ。


「おいアユム、どうだった?」

「アマンダ」


僕はアマンダの名前だけ言って頷きました、それを見てアマンダも分かったんでしょう、かなり怒っています、それを見て子供たちが引いてしまっています、アマンダは直ぐに顔を戻して撫でていました、僕は笑顔をしながら食料問題よりも問題だと思っています。
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