ウォーキング・オブ・ザ・ヒーロー!ウォークゲーマーの僕は今日もゲーム(スキル)の為に異世界を歩く

まったりー

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勉学のファイブステップ

84歩目 新たな仲間?

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「それでアユム・・・こいつらがその魔族なんだな」


馬車の中に入りアマンダとイーシャに紹介中です、アマンダは腕を組みちょっと怖い感じを出します、対してイーシャは気にしていない感じでお茶とお菓子を配ってくれてるんだ、二人はまだヘビの姿を見ていません、もう少し話を進めてからと思っています。


「美味しい!こんなにおいしいお菓子、ユニ初めて食べたよ」

「そうなのねユニちゃん、これは普通のクッキーの中心にジャムやチョコレートを乗せただけなのよ、もっと変わったのもあるからちょっと待っててね」


イーシャがユニちゃんを気に入ったのか、せわしなく接待をしてくれています、ウモンとサモンは自己紹介をした後ずっと同じ体勢です、頭を床に付け土下座をしているんだよ、アマンダは僕が何かしたと思って見て来ているので怒っているように見えます、頭を上げるように言ったんだけどまだあげてくれません。


「魔族って言うのは本当だよ、今は人の姿をしてるけど僕が会った時は下半身が蛇になってたんだ」

「ほう、そうなのか」


アマンダは小さく呟いて二人を見ます、顔を上げないので目を合わせていませんが、もし合わせていたら相当怖かったでしょう、僕はいきさつを詳しく話しお茶を飲んで話しはこれで全部だって伝えました、アマンダはまだ腕を組んで怒っている感じです。


「アマンダだって同じ状況だったら助けたよ、僕は当然の事をしただけなんだから怒らないでよね」

「あたしは怒っていない!またライバルが増えるとか思っているだけだ」


アマンダが良く分からないことをイーシャの方を向いて言ってます、僕は良く分からないって思いながらも、ウモンとサモンの肩に手を乗せ頭を上げてもらいました。


「すみませんでした、助けてもらったのにオレは酷い態度を取ってしまっていた、ほんとにすみません」

「もういいよサモン君、それにウモンさんもそんな顔しないで、ユニが心配しちゃうよ」


僕はクレープを頬張っているユニに託しました、クリームを顔につけてとても嬉しそうです、この子を助ける為にふたりはがんばっていたんです、警戒し過ぎるくらいが丁度良いのは分かります。


「それで、お前たちはこれからどうするんだ?」


ふたりがユニの世話をし始めると、アマンダが話を進めました、僕もそれは聞きたい所です、二人は顔を見合って考えます、でもどうやら悩んでいるみたいだよ。


「決まらないなら、ここにしばらくいると良いよ、その姿なら鱗人として見られるだろうし、マージョルなら騒ぎにならないからね」


アマンダが商業ギルドのゴーレムたちを思い出して頷いています、調査をしなければ見つかる事はありません、だから外の人達に興味が無いので調べる事もしないんです、二人もそれには賛成の様で頷いています、でも僕の世話になるのはどうしても抵抗があるみたいですよ。


「救ってもらって更に世話になるのは心苦しいです、体調が整い次第出発したいと思います」

「そうは言ってもサモン、あのサキーナってやつには勝てなかったでしょ、旅を急ぐ理由は知らないけど、次はもっと準備をしてくるはずだよ、ふたりが旅を続けるのはあいつも分かっているから待ち構えて危険じゃないかな」


ふたりを強くして旅立ってもらうのが今考えられる最善策です、ほんとは3人の素性も知ってるんだけど、話してくれないので聞きません、旅の目的はまだですけど、きっとユニの為に何かをしたいのは想像付きます。


「こ、今回はこちらに油断があったからだ、今の私なら返り討ちにしてやる」

「ウモンがどれくらい強いのか知らないけど、サキーナと同じ位にしか感じないよ、今の実力だと守りながらじゃ、きっと同じ結果が待ってる、僕が鍛えてあげるからそれまでここで生活しなよ」


僕の実力はアラァ~に聞いているはずなので、ちょっと考えた後渋々頷いていました、僕の隣でアマンダが「ほら見ろ」って小言で言っています、僕はなにが?って思いながらも先に進めます。


「僕たちは今、この森で生徒たちの教育をしてるんだ、後4日はここで滞在するからそのつもりでね、分かってると思うけどヘビの姿では外に出ないように、それさえ守ってくれれば何も問題ないよ」


僕は注意事項を話して3人の方からも注意事項を聞きます、食べれない物とかがあるかもしれませんからね。


「お、オレたちは何でも食べれる、ユニ様はニンジンとピーマンが苦手だ、オレたちが出すと大抵食べてくれない」


サモンがそんな愚痴を言ってきました、少しは打ち解けたかなってニコッて笑顔を作ると、サモンが僕の顔を見て横を向いたんだ、少し心を許してしまったと、恥ずかしかったのかもと気にしないで僕は続けます。


「好き嫌いはダメだね、じゃあ今日の夕飯はそれを使った料理を作ろう」

「えー!ユニやだよー!」


ユニがいち早く宣言してきてウモンがそれを宥めています、サモンもユニを撫でて言い聞かせている姿は、まさに兄妹って感じに見えたんですよ。


「ちょっとうらやましいかな」

「アユムにはワタシたちがいるでしょ」

「そうだぞアユム、アタシたちも負けてない」


イーシャとアマンダが僕にくっ付いて来て対抗してきました、僕がユニの位置だと言うのがちょっと気になりますが、それでも嬉しい気分です。


「ふたりは夕飯まで生徒を見ててね、今日はちょっと時間のかかる料理にするよ」


アマンダたちは嬉しそうに外に出ました、二人を見送り嫌がっているユニちゃんの傍に僕はしゃがみます。


「ユニちゃんは何か好きな物はあるかな?」


嫌いな物は好きな物と一緒に食べればきっとおいしく食べれます、ユニちゃんは肉が好きみたいですよ。


「それとね、シュワシュワが一番好きなんだよ」

「シュワシュワ?」


ユニちゃんが体全体で表現して嬉しそうにしているのを見て、ほんとに好きなんだろうとサモンとウモンに聞いてみました、それは口の中でぱちぱちと弾ける水だそうです。


「弾けるって・・・飲んでも平気なの?」

「ああ、弾けると言っても感覚的な物なんだ、味はしないし爆発してるわけじゃない」

「サモンの言う通りだ、ユニ様はその触感が好きなのだ、この旅もそれを手に入れる為のモノだ、こちらの西側にある国がその生産地なんだ」


ウモンとサモンの説明では、それほど危ないモノではなさそうです、西の人種族の国にその湖があって、特産品として交易にも使っているそうですよ、飲み物と考えるのが良いと久しぶりにアイテム交換をしましたよ、味もしっかりと付いているあれです。


「サモンにウモン、これをちょっと味見してくれるかな?」


緑色の飲み物が入った逆三角形のグラスを見てふたりが嫌そうな顔をします、毒ではないかと匂いを嗅ぎます、毒ではないと僕も自分のを交換して飲んでみせました、二人はそれに続き驚いた顔をしています。


「これって泡の水じゃないか!?」

「ほんとだねウモン、でもこっちの方が断然美味しい・・・アユム殿、持っていたのですね」


サモンが報酬を渡すから譲ってくれと言ってきました、僕はそれを断ったんです、炭酸を渡せば3人は魔族の大陸に戻ろうとします、そうなればきっと途中で襲撃されるでしょう、僕は付いて行けないから断ります。


「強くなってからでも良いでしょサモン、ここにいればもっとおいしい泡の水が作れる僕がいるしね、ユニも飲んでみたいでしょ」


ユニにも渡すと直ぐに飲み出しました、サモンとウモンはかなり焦っています、飲み終わったユニを見てちょっと考えが変わったかもです、美味しいってユニが喜んだからですね。


「それはメロンソーダって言うんだ、他にもコーラフロートとか料理にも使えるんだよ、楽しみにしててね」


ユニを撫でながら僕は言いました、彼女の笑顔を見てサモンもウモンはほんとにホッとしています、これでほんとに信頼してくれるかもですね。


「じゃあ夕飯は、堅いお肉を泡の水で柔らかくしたステーキにしよう、とっても美味しいよ」


ユニの喜ぶ声の中、僕は料理を始めました、ウモンとサモンはとても料理が上手で手伝ってくれて助かりました。
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