ウォーキング・オブ・ザ・ヒーロー!ウォークゲーマーの僕は今日もゲーム(スキル)の為に異世界を歩く

まったりー

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勉学のファイブステップ

85歩目 色々なゴーレムたち

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キャンプも最終日です、生徒たちがグループで作った1体のゴーレムを僕に見せて用途を教えてくれてるんだ、前と違って魔力が籠っている立派なゴーレムが並んでるよ。


「これは植物を採取するゴーレムです」

「ふむふむ、ゴーレムに植物の情報を記憶させ間違わないように採取するんだね、なかなか考えたじゃないかアンド」


リーダーのアンドを撫でて褒めました、アンド以外も当然撫でて褒めます、植物の情報さえ正確なら、きっとこれは良くなるでしょう、正確ならですけどね。


「次はサーラの班だね、どれどれ」


サーラが良い返事をしてゴーレムを押し出します、僕はゴーレムを見ますがどう見ても料理人ですね、サーラたちは料理が得意ではなくとても困っていました、だからゴーレムに作ってもらおうって事でしょう、説明でもそう言っています。


「目玉焼きとお肉を焼くくらいは今でも出来ますよ先生、どうでしょうか」

「なかなか良いんじゃないかな、よく考えてあるよ」


サーラたちも褒めて次に行きます、みんな良く考えています、森で使う為の物から生活に使う物、どれもすごく良い考えだと思います。


「みんなよく頑張ったね、これで試験は合格だよ」

「「「「「え!?」」」」」


喜んでいるみんなが僕たちを見て驚いています、1学期の試験は学園に帰ってからって事になっています、でも僕たちはここで採点したんです、僕が料理や魔道具を見て、アマンダがたまに出て来る獣との戦闘、イーシャが魔法を見るというわけです、生徒たちに説明すると数名が質問したくて手をあげます、アンドを当てると直ぐに言ってきました。


「実技はここで見ていたのは分かりましたよ先生、でも筆記試験がまだなのに合格って、良いんですか?」

「何言ってるんだよアンド、筆記もやったよ」


指を立てて覚えてないかいって聞いてみたんだ、みんなは思い当たる事が無いようだけど、ゴーレムを指差すと分かったようですよ。


「そうだぞお前たち、ゴーレムに使われてる処理魔法は筆記で出されるモノだ、最初から最後まで自分たちで作った時点で筆記試験をする必要はない、覚えてたって使えなければ意味がないからな」


アマンダが良い笑顔をして言ってくれました、僕とイーシャも頷きゴーレムが動かなければ、処理魔法が間違っていることになります、その班は補修だったと補足を入れます、みんな嫌そうな顔をしました。


「ゴーレムはちゃんと動いたからテストは合格、何も問題は無いよ」


マージョルで使われてるゴーレムたちを作るのと、ここで使う新たなゴーレムを作るのでは難易度が違います、教科書を覚えていて、それに書いてある物を並べて作るのがマージョルです、対してこっちは教科書の処理魔法を少し改良する、それは理解していないと出来ないことです。


「わからない所もあったかもしれない、でもそこを教え合えば済む話なんだ、紙の上での点数なんて仕事に就いてからはなんの役にもたたない、仲間で話し合い助け合う事の方が大切だよ、だからみんな合格なんだ、コアは作れるから必要がないしね」


向こうで僕は一人で旅をしていました、時にはそこで仲良くなった人もいたんだ、色々と教えて貰う事もあって結構楽しかったんです、そんな僕だから学校はつまらないと思っていましたよ。


「1年生の間にそのゴーレムを完成させることを目標にね、もちろんパートナーたちもしっかりと強化するんだよ」


パートナーゴーレムたちもこの7日間で色々動きが変わって来ています、生徒の顔色を見てすり寄ってきたり、心配そうな顔をしてくれます、僕はそれを見て手ごたえを感じました。


「さすがアユムだな、スパルタにもほどがある」

「そうねぇ・・・でも、みんな良い顔しているわ」


自分たちのゴーレムを見て、既に話し合いを始めてる班ばかりです、ふたりは僕の肩に手を置いてイヤそうにしてますよ、僕基準に染まり出してると、嬉しくなり手をたたいて次に進みます。


「じゃあみんな、今日でここでの生活も最後だからパーティーを開こうと思います、その前に今まで影でみんなをサポートしていた人たちを紹介するよ」


生徒たちが喜び、僕の後ろの森から誰が出てくるんだろうって期待して見ます、そしてその顔は恐怖に変わり、僕は焦ってテイムしたモンスターだと説明しました。


「みんなとても大人しいんだ、森で助けてもらってた子もいるんだよ、見た目で判断しないようにね」


アラァ~たちの肩に手を置いて生徒たちを安心させます、森で迷ってしまった生徒や獣に追われた時、内緒で誘導したり注意を引いたりしていたと説明しました、生徒たちは何となく分かったようです、そして怖がりながらもパーティーは始まり、ちょっとずつ仲良くなっていきましたよ。


「こう見ると、種族関係なく仲良くなれると確信が持てるね」


生徒たちと楽しく話しているアラァ~を見て僕は呟きます、見た目の障害はあります、でも本当の原因は心だと言う事です。


「アユム殿、オレたちも参加してよかったのか?」


サモンが料理をお皿に乗せて僕の席に来ました、ユニが肩車されていてサイダーを飲んでいます、こぼさないのか心配だけど器用に飲んでいますよ。


「これでマージョルに入りやすくなったでしょ、それに馬車の中にずっと居たら退屈じゃん」

「それはそうだが・・・アユム殿は疑わないのか?オレたちがあの子たちに危害を加えたらどうするとか」


サモンが不安そうです、馬車に泊めた最初の夜、僕に噛みついたのを謝罪してくれたんだ、そしてその時致死性の毒も送ったとも言っていました、だから恨んでいるんじゃないかって不安なんです、僕はその時言ったんですよ、仲間に裏切られユニを助けるのに必死なら当然だってね。


「そんな事をしない人だって知ってるからだよサモン、人はね目を見れば大体分かるんだ、君たちはそんな目をしていない、だから協力してるんだよ」


策を弄している人は目で分かります、それがこちらに害があるかまではその時は分かりません、でもサモンたちの目はそう言った考えを巡らせていない目です、ユニを第一に考えてる優しい目をしてます、きっとこんな目をする二人だから護衛に付けているんだと僕は思っています。


「アユム殿の様な人種族もいるんだな・・・そんな者たちばかりならこんなことにはならなかったと思う」

「なんのことを言ってるのか知らないけど、人は欲が深いからね、僕は平和に楽しく暮らせればいいけど、世界はそんなに単純じゃないよ」


サモンが下を向き何かを考えていました、僕は料理を食べて気にしないふりをしましたけど、きっと魔族が襲ってきていることに関係していると思ったんです、僕はサモンに飲み物を進めて言いました。


「まぁ座りなよサモン、まずは話をしてお互いをもっと知らないとね、いきなり手を上げて暴力なんてしてたらつまらないよ」


サモンがちょっと考えた後向かいに座りました、ユニもサモンの隣に座りローストビーフを食べています、サモンがユニの顔を拭いてるのを見て思いました、どうして魔族たちは攻めてきているんだろうってね。


「こっちの料理は僕のお気に入りなんだ、本当の味には勝てないけどなかなか美味しいよ」


ふたりにタコスを進めて僕も食べます、ちょっと辛かったのかユニは顔を赤くしていました、僕とサモンは笑い合いアマンダたちが試合をしたり、イーシャとダンスをしたりして、とても楽しい時間をすごせましたね。
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