70 / 82
4章 制覇
70話 異世界でのレベルアップ
しおりを挟む
レベルアップが驚異的なのは知っていたけど、アタシはまだ本当の凄さを知りませんでした。
「なるほど、これは隠しておきたいわね」
マダラの護衛をしている斑鳩君が連れて来てくれたここは、なんと異世界というとんでもない場所で、アタシは斑鳩君に言われるがままに冒険者登録をしたわ。
これで街に入る時に身分証となるらしく、これからここに何度も来ることになりそうだわ。
「さて、早速ですけどモンスターを倒しに行きますよアスラさん」
「それは勿論だけど、依頼とか受けなくていいのかしら?」
「こちらでランクを上げる必要は無いからね、目的はレベル上げだけなんだ」
アタシがここに呼ばれた理由という事で、街を出てしばらく歩き遠くに見える冒険者を眺めて実感したわ。
ここは剣と魔法の世界で、命のやり取りが普通なんだと怖くなってきたのよ。
「二人だけで来て平気なの?」
「アスラさん、心配ですか?」
「それはそうよ、だってあれを見たら怖いわ」
アタシの今のレベルは5だし、今見えるゴブリンにも複数で囲まれたら負ける可能性がありました。
ステータスを変更してもその可能性はあって怖かったけど、そうならない為に斑鳩君が守ってくれると言ってくれたんです。
「ダンジョンで言ったら2つ星クラス、そんな奴らに負けるアスラさんではありませんよ」
「自信が無くなって弱気なのは分かってるわ、でも攻撃特化のステータスだと当たらないとダメなのよ」
「ダンジョンでは当てやすいからね、でもそれなら仲間がそう言った動きをすれば良いんだよ」
そう言って着いた先は草も生えない荒野で、広い視界が更に広く感じたわ。
これでアタシの攻撃が当たるのかとても不安になったのだけど、斑鳩君はニコニコして余裕だったわ。
「さて、じゃあ当たる事を教える為に、まずは小さなモンスターを持ってくるよ」
「持ってくるって、そんな簡単に」
「簡単だよアスラさん、まぁ見ててよ」
斑鳩君が地面に手を当てた後、1分もしない間に地震が起きて、目の前の土が盛り上がってきました。
出てきたのはモグラのモンスターで、小さくて可愛いと思ったわ。
「出てきたねモグーラス」
「小さすぎるわ斑鳩君、それに土の中に逃げられたら大変じゃない」
「そうだね、だけどそうさせないのが僕の見せたい事なんだ」
今までのアタシの戦い方は、それぞれ分担していて、最後の攻撃である遠距離攻撃が当たればよいという考え方でした。
8つ星ダンジョンではそれも当たらず、当たっても通用しなければ打つ手がなくなると分かったんです。
「当たらないなら当てるタイミングを作れば良いし、ダメージが通らならないのなら、通すようにするのさ」
斑鳩君はそう言って地面をたたき、その衝撃はモグーラスに伝わって穴から飛び上がってきたわ。
宙に浮いたモグーラスに攻撃を避ける余裕はなく、これが斑鳩君の見せたかった事でした。
「なるほど、これは当てられるわね」
「アスラさん、問題はもう1つあるでしょう」
「ええ、当たっても倒せなければ意味がない」
「そう、極振りしているのなら一撃で倒さないといけない」
その為には威力が必要という事で、レベルを上げにここに来たと言われました。
秘密にしていたこの場所は、使うつもりはなかったそうですけど、マダラにお願いされたと斑鳩君が教えてくれたわ。
「ビーズアニマルのレベル上げでも良かったんだけど、お願いされたからね」
「嬉しいけど・・・でも、そこまでする必要があったの?」
「それなんだけど、ちょっと向こうで問題があってね、急がないといけなくなったんだ」
なんでも、国から招集がかかっているらしく、それはとても悪い事が起きていると嫌そうな顔をした斑鳩君が話してきて、アタシもそれには関係していたわ。
8つ星に行く時、アタシはかなり国に圧力を掛けていて、斑鳩君たちに迷惑が掛かっていたんです。
「ごめんなさい、呪いの力で強引に許可を貰ったのは間違いだったわ」
「いやいや、そっちはどうでも良いんだよ、問題はその先なんだ」
「え!」
「僕たちはね、8つ星9つ星を飛ばして10つ星に挑戦するつもりなんだ」
それはかなり問題で、絶対に許可が下りないとアタシは言い切りましたよ。
それと言うのも、急がないといけない理由があり、それが一番の問題とアタシは内容を聞いて唸ってしまったわ。
「他の国からの圧力ですか、それは国が許しませんね」
「そうなんだよ、世界でも7つ星が踏破されたのはジャーパンが初めてで、次の8つ星の挑戦がされたでしょう、だから他国が焦ってるんだ」
「踏破できなくてもそれは同じで、だからこそ決まる前に進めたいのね」
呼び出しも来ているから、ここで1度きりのチャンスを掴み取る事にしているそうです。
だからこその10つ星挑戦という事で、その為にはアタシの力が欲しいと言ってくれたわ。
「極振りの一撃、それはとても魅力なんだ」
「だからレベルを上げたいのね、良く分かったわ」
「いや、それは1段階目でね、ステータスが上がったら次に進んでほしいんだ」
次というのは装備の数値変更で、さらに次は道具の効果上昇だったわ。
装備の方はいつもやっているし分かったんだけど、道具の方はやった事なくて出来るか分からなかったわ。
「出来るさ、その為のレベル上げだからね」
「それって新たなスキルって事?」
「そういう事だよアスラさん」
本当にすごいというのが伝わってきて、これは競い合うレベルにはいないと感じました。
レベルを上げて、アタシはその後の10つ星挑戦までずっと作業をすることになったけど、斑鳩君はその間、国の責任者と大変な話し合いをしていましたよ。
「なるほど、これは隠しておきたいわね」
マダラの護衛をしている斑鳩君が連れて来てくれたここは、なんと異世界というとんでもない場所で、アタシは斑鳩君に言われるがままに冒険者登録をしたわ。
これで街に入る時に身分証となるらしく、これからここに何度も来ることになりそうだわ。
「さて、早速ですけどモンスターを倒しに行きますよアスラさん」
「それは勿論だけど、依頼とか受けなくていいのかしら?」
「こちらでランクを上げる必要は無いからね、目的はレベル上げだけなんだ」
アタシがここに呼ばれた理由という事で、街を出てしばらく歩き遠くに見える冒険者を眺めて実感したわ。
ここは剣と魔法の世界で、命のやり取りが普通なんだと怖くなってきたのよ。
「二人だけで来て平気なの?」
「アスラさん、心配ですか?」
「それはそうよ、だってあれを見たら怖いわ」
アタシの今のレベルは5だし、今見えるゴブリンにも複数で囲まれたら負ける可能性がありました。
ステータスを変更してもその可能性はあって怖かったけど、そうならない為に斑鳩君が守ってくれると言ってくれたんです。
「ダンジョンで言ったら2つ星クラス、そんな奴らに負けるアスラさんではありませんよ」
「自信が無くなって弱気なのは分かってるわ、でも攻撃特化のステータスだと当たらないとダメなのよ」
「ダンジョンでは当てやすいからね、でもそれなら仲間がそう言った動きをすれば良いんだよ」
そう言って着いた先は草も生えない荒野で、広い視界が更に広く感じたわ。
これでアタシの攻撃が当たるのかとても不安になったのだけど、斑鳩君はニコニコして余裕だったわ。
「さて、じゃあ当たる事を教える為に、まずは小さなモンスターを持ってくるよ」
「持ってくるって、そんな簡単に」
「簡単だよアスラさん、まぁ見ててよ」
斑鳩君が地面に手を当てた後、1分もしない間に地震が起きて、目の前の土が盛り上がってきました。
出てきたのはモグラのモンスターで、小さくて可愛いと思ったわ。
「出てきたねモグーラス」
「小さすぎるわ斑鳩君、それに土の中に逃げられたら大変じゃない」
「そうだね、だけどそうさせないのが僕の見せたい事なんだ」
今までのアタシの戦い方は、それぞれ分担していて、最後の攻撃である遠距離攻撃が当たればよいという考え方でした。
8つ星ダンジョンではそれも当たらず、当たっても通用しなければ打つ手がなくなると分かったんです。
「当たらないなら当てるタイミングを作れば良いし、ダメージが通らならないのなら、通すようにするのさ」
斑鳩君はそう言って地面をたたき、その衝撃はモグーラスに伝わって穴から飛び上がってきたわ。
宙に浮いたモグーラスに攻撃を避ける余裕はなく、これが斑鳩君の見せたかった事でした。
「なるほど、これは当てられるわね」
「アスラさん、問題はもう1つあるでしょう」
「ええ、当たっても倒せなければ意味がない」
「そう、極振りしているのなら一撃で倒さないといけない」
その為には威力が必要という事で、レベルを上げにここに来たと言われました。
秘密にしていたこの場所は、使うつもりはなかったそうですけど、マダラにお願いされたと斑鳩君が教えてくれたわ。
「ビーズアニマルのレベル上げでも良かったんだけど、お願いされたからね」
「嬉しいけど・・・でも、そこまでする必要があったの?」
「それなんだけど、ちょっと向こうで問題があってね、急がないといけなくなったんだ」
なんでも、国から招集がかかっているらしく、それはとても悪い事が起きていると嫌そうな顔をした斑鳩君が話してきて、アタシもそれには関係していたわ。
8つ星に行く時、アタシはかなり国に圧力を掛けていて、斑鳩君たちに迷惑が掛かっていたんです。
「ごめんなさい、呪いの力で強引に許可を貰ったのは間違いだったわ」
「いやいや、そっちはどうでも良いんだよ、問題はその先なんだ」
「え!」
「僕たちはね、8つ星9つ星を飛ばして10つ星に挑戦するつもりなんだ」
それはかなり問題で、絶対に許可が下りないとアタシは言い切りましたよ。
それと言うのも、急がないといけない理由があり、それが一番の問題とアタシは内容を聞いて唸ってしまったわ。
「他の国からの圧力ですか、それは国が許しませんね」
「そうなんだよ、世界でも7つ星が踏破されたのはジャーパンが初めてで、次の8つ星の挑戦がされたでしょう、だから他国が焦ってるんだ」
「踏破できなくてもそれは同じで、だからこそ決まる前に進めたいのね」
呼び出しも来ているから、ここで1度きりのチャンスを掴み取る事にしているそうです。
だからこその10つ星挑戦という事で、その為にはアタシの力が欲しいと言ってくれたわ。
「極振りの一撃、それはとても魅力なんだ」
「だからレベルを上げたいのね、良く分かったわ」
「いや、それは1段階目でね、ステータスが上がったら次に進んでほしいんだ」
次というのは装備の数値変更で、さらに次は道具の効果上昇だったわ。
装備の方はいつもやっているし分かったんだけど、道具の方はやった事なくて出来るか分からなかったわ。
「出来るさ、その為のレベル上げだからね」
「それって新たなスキルって事?」
「そういう事だよアスラさん」
本当にすごいというのが伝わってきて、これは競い合うレベルにはいないと感じました。
レベルを上げて、アタシはその後の10つ星挑戦までずっと作業をすることになったけど、斑鳩君はその間、国の責任者と大変な話し合いをしていましたよ。
8
あなたにおすすめの小説
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
スキル『レベル1固定』は最強チートだけど、俺はステータスウィンドウで無双する
うーぱー
ファンタジー
アーサーはハズレスキル『レベル1固定』を授かったため、家を追放されてしまう。
そして、ショック死してしまう。
その体に転成した主人公は、とりあえず、目の前にいた弟を腹パンざまぁ。
屋敷を逃げ出すのであった――。
ハズレスキル扱いされるが『レベル1固定』は他人のレベルを1に落とせるから、ツヨツヨだった。
スキルを活かしてアーサーは大活躍する……はず。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します
三門鉄狼
ファンタジー
目覚めると、リビングアーマーだった。
身体は鎧、中身はなし。しかもレベルは1で超弱い。
そんな状態でダンジョンに迷い込んでしまったから、なんとか生き残らないと!
これは、いつか英雄になるかもしれない、さまよう鎧の冒険譚。
※小説家になろう、カクヨム、待ラノ、ノベルアップ+、NOVEL DAYS、ラノベストリート、アルファポリス、ノベリズムで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる