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まったりー

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4章 制覇

69話 ビーズアニマル救出隊

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ご主人様の命でウチたちは隊列を組んで走っていて、その速度は音を超えていたチュ。


「チュッチュッそろそろ2つに別れるチュ」
「了解ちゅ、そっちも健闘を祈るちゅ」
「もちろんチュ、失敗はありえないチュ」


既に目的の人たちがいる場所は把握していて、残る問題は間に合うかという事だったチュ。
でもそれは時間の問題で、音速で移動している小さなウチたちは誰にも止められなかったチュ。


「とはいえ、モンスターと遭遇したらそれまでチュ」
「1号、モンスターの反応が近づいているちゅちゅ」
「了解チュ3号、このまま進んでやるチュ」
「了解ちゅちゅ」


ここのモンスター程度ではウチたちの速度にはついてこれないし、攻撃力は皆無のウチたちにはどうすることもできなかったチュ。
モンスターが見える範囲に来てそのまま通り過ぎると、相手は気づきもしなくて、やはりその程度と思ったチュよ。


「この程度の場所で苦戦している人たちを勧誘しようとしているご主人様は、この後苦労しそうチュ」
「ちゅちゅ、それは仕方ないちゅちゅよ、人は弱いものなんだちゅちゅ」
「おしゃべりは良いチュ3号、早く別れるチュ」
「了解ちゅちゅ」


更に部隊を分け、ウチたちはどんどんと少なく細かく目標に向かったチュ。
そして、次々に目標の反応がダンジョンから消えていき、ウチも目的の相手を見つけたチュ。


「クソっ!どうしてこんなことに、金はどこだ」


目標は、副隊長を務めていた一人で、これでご主人様の命令が達成できると思ったチュが、何やら不穏な事を口にしたから様子を見ることにしたチュ。
もう一人の副隊長、金というやつと一緒に立てていた計画は、隊長である女性を不幸のどん底に落とすことで、それを見られないんじゃ意味がないとか言っていたチュ。


「弱っているあの女に優しい声を掛けるのが俺たちの役目だったのに、これじゃ何もできないし、あの生意気な女をモノに出来ない」


すごく楽しみにしていたと言って、何やらニヤニヤして気持ちが悪く、これでも助けないといけないのか疑問だったチュ。
とはいえご主人様の命令は絶対だから、ウチはまず助けてからご主人様に報告しようと考えたチュ。


「呪いなんて気持ちの悪い力を持ってるが、身体と顔は良いからな」


なにやら、助けるのも嫌になる事をブツブツ言いながら歩いていて、ご主人様に報告を先にしなくてはいけない事態になったのでチュ。
報告をすぐに行い、助けなくて良いのではないかと聞いたのでチュが、ご主人様はそれでも助けると言ってきたのでチュ。


「どうしてでチュ?こいつは確実に裏切るのでチュよ」
「そうだとしても、戻ってからだよ1号」
「それって、依頼者の女性の為チュ?」
「そうだよ、助けられなかった事を悲しむのは困る」


だから戻ってから密かに始末するようで、既にその部隊には連絡していると聞いたんだチュ。
それなら良いかと、ウチはすぐに男の肩に乗り転移したのでチュが、肩に乗った事にも気付かなくて慌てていたチュ。


「そんなに驚くなチュ、これで戻れるのチュよ」
「な、なんだお前は」
「ウチは子リス型ビーズアニマルでチュ」
「なんだよそれ、いったいどうなってるんだ」


転移先は工房で、既にほとんどが戻ってきたでチュが、恐怖で立ち上がれない者や負傷している者もいて治療が急がれていたチュ。
そんな中、依頼者の人がウチが助けた男に気付いて安心した表情を浮かべて声を掛けたチュ。


「姐さん、これは一体」
「話は後よ銀、まずは治療を手伝って」
「了解っす姐さん」


何事もなかったのでチュが、ウチはご主人様の肩に移動し改めて報告したチュ。
危険が予想されていた為、ウチはあの男ではなく依頼者の肩に乗って力を貸すように命を受け、あの男が何かしないか見ていることにしたチュ。


「あら、あなたも手伝ってくれるのね」
「チュチュ~」
「魔法を使えるのはすごいわね、ありがとう」


肩に移動してすぐに回復魔法を使ったら、依頼者が素直にお礼を伝えてくれて、こんな人だからご主人様も助ける事を選んだんだとわかったチュ。
それなのに、依頼者の仲間である男は、危険な状態である双子を心配するでもなく、恨みを持ったようで依頼者を睨んでいたチュ。


「姐さんとか言って慕っていたくせに、裏切りチュ」
「リス君、何か言ったかしら?」
「チュチュ~」


頭を左右に振って知らん顔をしたチュが、あの男が双子の懐に入っていた短剣を抜きこちらに歩いて来て、ウチはご主人様に念話を送りながら警戒したチュ。
依頼者は気づかず、後ろに回って短剣を振り上げたから、火の魔法を腹に放ってやったチュ。


「な、なに今の音は!」
「チュ~チュチュ」
「こ、この」
「銀、あなた」


違うと言いながら短剣を後ろに隠す男だったチュだが、短剣を見られた時点で終わっていて、依頼者はとても悲しそうな顔をしていたチュ。
その気持ちは昔の仲間にも抱いていたようで、また裏切られたと泣いてしまったチュ。


「お前が悪いんだ、弟は今死にそうなんだぞ」
「ごめんなさい」
「謝る必要はないよアスラさん、こいつは何も分かってない」


ご主人様がいつの間にか近くにいて、男から短剣を奪って組み伏せたチュ。
そのままの体勢でご主人様は話を続け、探索者は命の危険があって誰かのせいにするモノではないと断言したチュ。


「すべて自己責任、それをこいつは君に押し付けたんだ」
「でも、指示を出したのはアタシなのよマダラ」
「アスラ、それに従うのはこいつの勝手だよ」


ご主人様の意見にウチは静かにうなずき、先のお話を聞いても変わらなかったチュ。
組み伏せられている男は、依頼者を利用していただけで、裏切っていたのはそいつだったんだチュ。


「こいつらは君が失敗するのを待っていたんだ、そもそもの目的が違ったんだよ」
「そんな・・・本当なの銀」
「う、嘘だ、信じちゃダメだ姐さん」
「信じなくても良いよアスラ、こいつが後ろから刺そうとしたのは事実だし、それだけでも十分伝わるよね?」


それはそうだとウチも思い、最後の仕上げにご主人様が入るのを待ったんだチュ。
ご主人様は、組み伏せている男の行いが悪い事を知らせる為、今動けない金という双子を殺すと言い出したチュ。


「なっ!」
「お前の行った事が原因だ、お前が悪いんだ」
「止めてマダラ、そんな事する必要はないわ」
「そう、それだよアスラ、君はそう言ってみんなに指示を出した、その程度の強制力しかないのにどこが悪いんだよ」


ご主人様は、本当に慕って付いてきた者なら責任はあると言ったチュが、組み伏せている男には必要ないと再び伝え、従う訳がないと言い切ったチュ。
自分たちの作戦が失敗した程度で責任転換したのが悪いと、男の腕をへし折ったチュ。


「ぐぎゃっ!」
「痛いよね、でもアスラが受けた心の傷はもっと痛いんだ、それはお前たちを信じていたからなんだぞ」
「そ、そんな事知るか、俺たちは最初から仲間になんてなってねぇんだよ」
「ほら、これがこいつらの本音だよアスラ、だから止める必要はない」


犯罪者になっているから止める必要もないし、このまま拘束して警察に届けると、ご主人様が伝えたチュ。
その後は、ご主人様がアスラさんを勧誘し、それについていくと言ってきた仲間が声をあげたチュ。


「ほら、あれが本当の仲間だよ」
「そうなのかな・・・そうだよね」
「そうだよ、だから仕切り直そうアスラ」
「分かったわマダラ・・・これからよろしく」


新たな仲間が加わり、この国で最強が更に力を付けたのでチュ。
もう誰にも止められないと思っていたチュが、それを止める奴が国から派遣されてきたのでチュ。
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