レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー

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2章 始まり

35話 魔力付き装備

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シャラの住む家に到着し、ベルベドが僕の後ろに回り先に入らされそうになったから、レイナルではないからいきなり攻撃されると抵抗した。


「確かにそうなんだが、俺が最初だと」
「ああいつものか、まだ慣れてないのかいベルベド」
「ししし、仕方ないだろう、シャラの笑顔が凄すぎるんだ」


前にシャラの笑顔が原因でベルベドが倒れてしまい、それ以来誰かが前にいないと堪えられなくなっていた。
それを乗り越えないといけないといつも言っていたのに、まだダメなのかと告白するのがとても遠いのを感じた。


「このヘタレ、もっとしっかりしろよ」
「うう~」
「分かった、今回の報酬は服以外も荒療治を付けてやる、覚悟しておく様にねベルベド」
「荒療治って、報酬にはならないぞ」


そうしないと進まないと思い、シャラに想いを伝えられなくて良いのかと言ってやった。
渋々な感じのベルベドは了承してきて、僕が先頭で歩くときにはニヤついていた。


「すまない」
「友達だからね・・・さて、僕が殺されないだろうか」


シャラは言葉よりも行動が先に出るタイプで、好きなベルベドが前だとそれが無いからお互いの気持ちに僕は気づいた。
しかし、人族で知らない僕が家に入ったら、その時の行動は予測できるので、その前に分かって貰えるか心配だったよ。


「ベルベドの様に物品で分からせる方法はないし・・・どうしよう」


家に入る前で止まり、僕はどうしたものかと考え、ある考えを思いついて家に入った。
エルフの家は、何処かの遊牧民が住んでいそうな作りで、1つの部屋が一面に広がいて、入って直ぐに問題の女性は正面に座っていた。


「お前、人族っ!」
「シャラ、君はベルベドが好きなんだよね?」


人族と分かって間髪入れずに殴りかかろうと立ち上がってきたので、僕はシャラの気持ちをベルベドが後ろで聞いているにも関わらず口にした。
それは、前の僕が交わした約束を破る行為だったけど、それはシャラの拳を止めるには十分な事態で、僕の顔面寸前で止めてくれた。


「あんた、どうしてそれを」
「僕はレイナルだったからね、生まれ変わって文哉になったけど、君の事は良く知ってるよ、なんなら君がどれだけ好きなのかもっと言ってあげようか?」
「だだだダメよ、それ以上言ったら殺すわよ」
「殺されるのは嫌だな、じゃあ拳を下げてくれるよね?」


言われるのは嫌だと拳を引っ込めてくれて、僕は何とか死なずに済みました。
そして、僕の事情を座って説明して納得してもらい、鉱石をシャラからも貰えることになったんだ。


「ありがとう、大切に使わせてもらうよ」
「それは良いけど・・・あそこに立ってるベルベド、何とかしてよ」
「そういわれても、衝撃に慣れておかなかったのがいけない」
「フミヤ、ワタシもあのままはまずいと思うよ」


リンリにまで言われたけど、シャラも好きである事実を知った衝撃で立ったまま気絶していて、戻ってきたら進展すると期待していた。
でも、シャラに説明し終わってもそのままで、さすがに何とかしようと言う事になったんだよ。


「でも、嬉しいだけだと思うんだけど、シャラだって嬉しいでしょう」
「ふぇっ!」
「良いじゃないか、このままシャラからくっついちゃいなよ、ほら、ぶちゅ~っとさ」
「だだだダメよ、そんなの・・・誠実じゃないわ」


エルフのしきたりだからと言い訳を口にするシャラだが、それは理由を作っているだけで、本当は怖がっているだけだった。
そんなだから僕が転生しても想いが実っておらず、拳と同じくらい速攻で行けと言いましたよ。


「だ、だって、断られたり嫌がられたら」
「そんなことないって言ってるのに、あれを見てもまだダメなんだね」
「フミヤ、なんだかワタシもモヤモヤしてきました」


リンリも僕の気持ちが分かったのか、二人のヘタレっぷりが原因でため息が洩れたよ。
ベルベドをそのままにして、シャラから鉱石を貰って僕たちは家を出たんだけど、ベルベドはフラフラと僕の後に付いて来て、意識が回復しているのか分からなかった。


「ベルベド、どっちなんだよ」
「ああ~うん」
「返事なのかもわからないねフミヤ」
「そうだねリンリ、しばらく時間を置けばなんとかなるかな」


気持ちの整理には時間が掛かるモノで、エルフなら予想よりも時間が掛かるから、僕が生きてるうちに出来るのか不安になりました。
でも、今回は強めに押す気でいるから、今度こそ結婚まで行きたいと思ったよ。


「さて、意識がまだはっきりしないベルベドからも鉱石は貰ったし、戻ろうかリンリ」
「それは良いけど、フミヤあの服は無いんじゃないかな?」
「そうかな?セーラー服なんてこっちじゃ手に入らないよ」


ベルベドも気にいるだろうっと、僕は間違ってはいないと思っていて、意識が戻ったベルベドが喜ぶ顔が浮かんだ。
リンリは嫌そうだったけど、男なんてそういう生き物だし、早く帰って装備を作りみんなの喜ぶ顔が見たいと思ったよ。


「ほら、フミヤとあの人じゃ違うわ、全然やらしくない」
「それは、僕がみんなをそういった目で見てないからだよ」
「それって、恋愛感情が無いって事?ワタシにもそうなの?」
「姪に手を出すわけないじゃないか」


冗談にしか聞こえず、僕はリンリのしょんぼりする顔を見る事無く、工房に転移しました。
そして、最初に行ったのは、鉱石を糸状にする作業だったよ。


「まずはこの手甲を付けて魔力を通す」
「そんな方法初めて聞いたし、初めて見たんだけど」
「それはそうだね、鉱石は普通炉で溶かしたりするものだからね」


前に美穂子にも説明したけど、鋼鉄などを作る工程は僕には不要だった。
今のリンリの様に、よくわからないって顔をされそうだから、既に行ったとあの時は言いましたが、この魔力加工手甲があれば、こねるだけで混ぜたり細く伸ばしたり出来た。


「後は、同じような機能のある機織りで布を作っていく」
「美穂子たちから聞いたけど、付与も既に付けてるのよね?」
「それはまだだよリンリ、今回は手に入れた鉱石だからね、一通り作ったらスキルで買ってそこからは付与を付ける」


そう言えばそうだったと、僕は説明しながら機織りで布を作り、布地はこれで完成です。
次は金属の部分で、こねて薄く伸ばし折りたたんでまた伸ばしていきました。


「何層にもすることで、付与を沢山付ける事が出来る」
「凄いわ、こんな事出来るのね」
「この手甲があれば誰でも出来るよ」
「誰でも出来るのは、最初に出来るようにしたフミヤがいるからよ」


それが凄いと言われ、僕はちょっとテレてしまった。
前にそうして量産化出来るようにした成果で、こちらに来てポーションなども魔力手甲を使い量産が進んでいた。


「さて、素材が一通り出来たから、後は装備を作るだけだ」
「そのことなんだけどフミヤ、みんなに渡した武器、あれを元にしてあげてほしいの」
「それって、みんなに頼まれたのかな?」
「うん、みんな作って貰えて嬉しかったみたいよ」


いつか新たな装備を作る事は分かっていたらしく、僕の知らない間にそんなお話をしたそうです。
それならっと、僕は防具を新調するだけにして、武器はみんなの意見を後日聞き、ダンジョンまでに完成させました。
そして、いよいよ7つ星ダンジョンに行く日がやってきて、僕はみんなに武器を渡す事になったよ。
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