224 / 329
四章
再び森へ
しおりを挟む
「弟の言葉は気にしなくて良いニャ。ルイは何時も楽しようとしてばっかりニャ」
「何言ってるにゃ?楽して生きて行きたいと思うのはネコとして当然にゃ。でも、使い道がにゃいから、現物支給とかの方が良いからいらないにゃ。それより、さっさと用事を終わらせて寝たいにゃ」
兄様の不穏な言葉やネアの態度など気にした様子もなく、あくまで自分中心のようだった。そんなルイの様子に、ウルは呆れたように片を落とすと、ティの方へと視線を向けた。
「ティ様。何時までもお邪魔してないで、そろそろ帰るニャ」
「いやよ!まだ、食べてないお菓子があるんだから!」
「あれだけ食べてたのに、まだ食べるのかよ…」
「当然でしょ!甘い物は別腹よ!」
胸焼けでもしたような表情を浮かべながら言うバルドの言葉に、ティは堂々とした態度で答えていたけど、何処にあの量が入っているのか、本当に分からない。
「使者さんにも迷惑掛けたのに、これ以上迷惑掛ける訳に行かないのニャ」
「そうだな。使いを送ったのは、昨日だったとと思ったのだが?」
「そ、それはニャ…」
「煩いのがいにゃい方が静かに寝れるのに、慌てて迎えに行くわけないにゃ。そもそも、ルイは迎えに来たくなかったにゃ」
まるで来るのが遅い事を非難でもするような父様の言葉に、ウルは口を濁しながら目を泳がせるけれど、横にいるルイはいっさい動じる様子もなく、窓際で寝そべりながら寛いだ様子で、あくび混じりに不満を口にする。
「それにゃのに、ウルがしつこくルイを起こして連れて行こうとするから、10時間しか寝れにゃかったにゃ」
「いや…十分寝てるだろ…」
「そんにゃ事にゃいにゃ!ネコにしたら短いにゃ!それに、何度も起こされたせいで寝た気がしにゃいにゃ!」
バルドが溢した呟きに、ルイは感情をあらわにしながら、威嚇するように牙を見えながら反論するけど、そんなルイを見下ろすウルは、今にもため息でも付きそうな、悲壮感にも似た空気を放っていた。
「此処に来る途中も、何度も寝ようとしたルイを起こして連れて来るのは大変だったニャ…」
「歩くだけでも疲れるのに、何度も起こされながら夜道を歩かされたルイも大変だったにゃ」
お互い大変だったと言うけれど、明らかに片方だけの負担が大きいような気がする。遅れて来た理由に、父様も半ばあきれ顔をしているような気さえする。
「でも、そんなに来たくないって言っているなら、置いて来れば良かったんじゃないのか?」
「そうにゃ。置いて行って欲しかったにゃ」
「そんなわけにはいかないニャ!ルイがティ様のお世話係になってるのに、置いて行けるわけないニャ!」
「面倒にゃ…」
「だったら、引き受けなきゃ良かっただろ…」
「引き受けたかったわけじゃないにゃ…」
「そもそも、どうやって決めるたの?」
「「くじ引きニャ(にゃ)」」
「それで良いのか…」
ルイが選ばれた理由が分からなくて訪ねたら、2人同時にそんな答えが帰って来た。仮にも女王の側近を決めるための方法が余りにも杜撰過ぎて、バルドでさえも戸惑ったような声を上げるけれど、それに答えたのは何故かティだった。
「話し合いで決まらなかったから仕方ないのよ。まぁ!それだけ私が人気だって事だけどね!ルイは当たりを引いたのよ!!」
「ある意味では、大当たりだったにゃ…」
「…良いなぁ」
まるでハズレでも引いたかのような哀愁を漂わせながらルイが俯くけれど、ティは気付いた様子もなく自慢げな顔を浮かべていた。ネアはネアで、そんなティを何処か羨ましげな視線で見ていた。
「何か疲れたにゃ…。速く帰って寝たいにゃ…」
「その方が良いニャ。さぁ、ティ様も帰るニャ。何時までもお邪魔してたら、みんなからも怒られますニャ」
「シェリア達は優しいから、私の事を怒ったりしないわよ!だから、まだ帰らないわ!」
ティはまだ帰る気がないようで、ウルから言われた事を無視するようにそっぽを向く。そんなティの様子に、ウルは困った様子を見せていると、それを見かねたようなルイが、やる気のなさそうな声を掛ける。
「此処でお菓子を独り占めにしてたら、みんにゃから嫌われるにゃ」
「ひ、独り占めになんてしてないわよ!」
「でも、一人だけ食べてるのは事実にゃ」
「うっ…ッ…」
ルイから痛い所を突かれたのか、ティは食べかけのお菓子を後ろに隠しながら、呻き声に似た声を上げる。
「でも、今お土産を持って帰れば、みんなの人気者に成れるにゃ」
「!!?し、仕方ないわね!帰って上げるわ!シェリア!お土産のお菓子をお願い!出来るだけ多くね!!」
「ふふっ、分かったわ~」
「単純で助かるにゃ」
「…やっと帰るのか」
まるで天啓でも受けたようなティの変わり身の速さに、僕は呆気に取られるけれど、お姉さんに取っては何時もの事なのか、微笑ましげな様子で笑っていた。そんな中、父様はやっとこの状況を抜け出せる事に、何処かホッとしたような声を上げていた。
急な来客などはあったけれど、朝食を食べ終わった僕達は昨日と同じように森の中を歩いていた。だけど、状況は昨日と大きく違っていた。
「なぁ?何で俺達が荷物運びさせられてるんだ?」
「仕方ないでしょ。エレナ達に荷物運びを頼むわけにはいかないし、アイツ等はやる事があるって言うんだから!それとも何!?私1人でこの量の荷物を持てって帰れって言うの!?」
お姉さんがティのために準備してくれたお土産用の菓子が、とてもティには持って行けなさそうな箱に入っており、しかも、それが狙ったかのように4つ分置かれていた。そのため、ティから言われるがまま僕達が運ばされる事になった事もあって、バルドは不満そうだった。
「持って帰れないにしても、他に誰か持てそうな奴いないのかよ!?」
「ルイ達も、持って歩けないにゃ」
「お前も歩いてすらないだろ!ネアが持つ分、俺が変わりに持ってるんだぞ!」
「無駄に体力がありそうにゃ奴は、黙ってきりきり働くにゃ」
「そうよ!きりきり働きなさい!」
歩きたくないと言い、途中で寝てしまいそうなルイをネアが抱えている分、バルドがネアが持つはずだった荷物を持っているため、前も良く見えずに歩き難そうにしているバルドは不満を口にするけれど、僕の頭の上からも容赦ない言葉が飛んでくる。
「だったら、せめて自力で歩くくらいしろよ!」
「「いや!(にゃ)」」
僕の頭の上に乗るティとネアの腕の中で寛ぐルイが、きっぱりとした口調で拒否していた。
「なんか…すまないニャ…」
「い、いや、お前は良いって!」
四足歩行で荷物を持てないウルが、申し訳なさそうな声を上げれば、バルドは少し慌てた様子でウルに声を掛けていた。
「それにしても、帰りは乗り物があって楽にゃ」
「それは良かった」
「ネア…お前は、乗り物扱いで良いのか…?」
「あぁ、腕全体に感じるぬくもりと重み、そして身動きした時に感じる毛並や肉球や感触。幸せしかない」
「そ、そっか…」
溶けるような顔で幸せそうに笑うネアに、バルドは若干引いた様子で言葉を濁していたけれど、腕の中のルイは気にした様子もなく、ネアへと声を掛ける。
「ルイを運べたお礼に、今度ささみ持って来るにゃ」
「分かった」
「いや、運んだ方がお礼っておかしくね!?」
「何言ってるんだ?ネコを運んだらお礼をするのは普通だろ?」
「普通にゃ」
「俺が間違ってるのか!?」
「今回だけは、間違ってないと思いますよ…」
「うん…」
「重ね重ね、弟達がすまないニャ…」
横を歩きながら付いて来るウルが、凄く申し訳なさそうな声を上げていた。でも、ウルが悪いわけじゃないのに、そんなに恐縮されると、こっちも申し訳なくなって来る。
「ウルが悪くないのは分かってますから、そんなに謝らなくて良いですよ」
「そうですかニャ…?何か予定とかはなかったですかニャ?」
「ううん。今日は特に何も予定はなかったよ」
「それなら良かったですニャ」
僕の答えを聞くと、ウルは安堵したような声を上げていた。母様との約束はあったけれど、屋敷を出る前に母様がお供として召喚獣を見せてくれたから、嘘は言っていない。その母様の召喚獣であるオコジョのフィーは、今は僕達の前を先導するようにして歩いていた。父様の召喚獣のカルロも、ゆっくりと旋回しながら僕達の上を飛んでいた。
「それにしても、何で猫なのに喋れるんだ?」
もう文句を言っても仕方がないと思ったのか、それともウルの反応に申し訳なくなったのか、バルドがウルへと疑問を投げかける。
「外見が猫なだけで、ウル達は妖精の一種だから話せるニャ。普通の猫は無理ニャ」
2人とは違ってしっかりと疑問に答えたくれたウルだったけれど、説明されたはずのバルドは、何処か納得行ってないような様子だった。
「じゃあ、さっきルイが猫って言ってたのは嘘か?」
「失礼にゃ。ルイは身も心も可愛いネコさんにゃ。それに、さっきから細かい事ばかり気にしてちっちゃい男にゃ。器が知れるにゃ。もてないにゃ」
「何だと!?」
「正直に言っただけなのに、可愛いネコさんに怒るなんて酷い奴にゃ」
「そうだぞ。ネコさんに謝れ」
「今のは俺が悪いのか!?先に喧嘩を売って来たのは向こうだろ!!」
「ネコさんは、何をしても許される」
「さっき猫じゃないって言ってただろ!!」
「そうだな。猫は天使ではなくて妖精だったと言う話だったな」
「いや…お前、本当に話し聞いてたか…?」
「バルド。今のネアには、何を言っても通じないと思いますよ…」
「うん…」
猫の事になると思考能力が少しおかしくなっているネアには何を言っても仕方がないと、僕達が半ば呆れながら返事を返していると、僕の頭の上に座っていたティが声を上げた。
「此処よ!着いたわ!」
そう言われて視線を向けた場所は、少し開けただけの何もない広場みたいな所だった。
「何言ってるにゃ?楽して生きて行きたいと思うのはネコとして当然にゃ。でも、使い道がにゃいから、現物支給とかの方が良いからいらないにゃ。それより、さっさと用事を終わらせて寝たいにゃ」
兄様の不穏な言葉やネアの態度など気にした様子もなく、あくまで自分中心のようだった。そんなルイの様子に、ウルは呆れたように片を落とすと、ティの方へと視線を向けた。
「ティ様。何時までもお邪魔してないで、そろそろ帰るニャ」
「いやよ!まだ、食べてないお菓子があるんだから!」
「あれだけ食べてたのに、まだ食べるのかよ…」
「当然でしょ!甘い物は別腹よ!」
胸焼けでもしたような表情を浮かべながら言うバルドの言葉に、ティは堂々とした態度で答えていたけど、何処にあの量が入っているのか、本当に分からない。
「使者さんにも迷惑掛けたのに、これ以上迷惑掛ける訳に行かないのニャ」
「そうだな。使いを送ったのは、昨日だったとと思ったのだが?」
「そ、それはニャ…」
「煩いのがいにゃい方が静かに寝れるのに、慌てて迎えに行くわけないにゃ。そもそも、ルイは迎えに来たくなかったにゃ」
まるで来るのが遅い事を非難でもするような父様の言葉に、ウルは口を濁しながら目を泳がせるけれど、横にいるルイはいっさい動じる様子もなく、窓際で寝そべりながら寛いだ様子で、あくび混じりに不満を口にする。
「それにゃのに、ウルがしつこくルイを起こして連れて行こうとするから、10時間しか寝れにゃかったにゃ」
「いや…十分寝てるだろ…」
「そんにゃ事にゃいにゃ!ネコにしたら短いにゃ!それに、何度も起こされたせいで寝た気がしにゃいにゃ!」
バルドが溢した呟きに、ルイは感情をあらわにしながら、威嚇するように牙を見えながら反論するけど、そんなルイを見下ろすウルは、今にもため息でも付きそうな、悲壮感にも似た空気を放っていた。
「此処に来る途中も、何度も寝ようとしたルイを起こして連れて来るのは大変だったニャ…」
「歩くだけでも疲れるのに、何度も起こされながら夜道を歩かされたルイも大変だったにゃ」
お互い大変だったと言うけれど、明らかに片方だけの負担が大きいような気がする。遅れて来た理由に、父様も半ばあきれ顔をしているような気さえする。
「でも、そんなに来たくないって言っているなら、置いて来れば良かったんじゃないのか?」
「そうにゃ。置いて行って欲しかったにゃ」
「そんなわけにはいかないニャ!ルイがティ様のお世話係になってるのに、置いて行けるわけないニャ!」
「面倒にゃ…」
「だったら、引き受けなきゃ良かっただろ…」
「引き受けたかったわけじゃないにゃ…」
「そもそも、どうやって決めるたの?」
「「くじ引きニャ(にゃ)」」
「それで良いのか…」
ルイが選ばれた理由が分からなくて訪ねたら、2人同時にそんな答えが帰って来た。仮にも女王の側近を決めるための方法が余りにも杜撰過ぎて、バルドでさえも戸惑ったような声を上げるけれど、それに答えたのは何故かティだった。
「話し合いで決まらなかったから仕方ないのよ。まぁ!それだけ私が人気だって事だけどね!ルイは当たりを引いたのよ!!」
「ある意味では、大当たりだったにゃ…」
「…良いなぁ」
まるでハズレでも引いたかのような哀愁を漂わせながらルイが俯くけれど、ティは気付いた様子もなく自慢げな顔を浮かべていた。ネアはネアで、そんなティを何処か羨ましげな視線で見ていた。
「何か疲れたにゃ…。速く帰って寝たいにゃ…」
「その方が良いニャ。さぁ、ティ様も帰るニャ。何時までもお邪魔してたら、みんなからも怒られますニャ」
「シェリア達は優しいから、私の事を怒ったりしないわよ!だから、まだ帰らないわ!」
ティはまだ帰る気がないようで、ウルから言われた事を無視するようにそっぽを向く。そんなティの様子に、ウルは困った様子を見せていると、それを見かねたようなルイが、やる気のなさそうな声を掛ける。
「此処でお菓子を独り占めにしてたら、みんにゃから嫌われるにゃ」
「ひ、独り占めになんてしてないわよ!」
「でも、一人だけ食べてるのは事実にゃ」
「うっ…ッ…」
ルイから痛い所を突かれたのか、ティは食べかけのお菓子を後ろに隠しながら、呻き声に似た声を上げる。
「でも、今お土産を持って帰れば、みんなの人気者に成れるにゃ」
「!!?し、仕方ないわね!帰って上げるわ!シェリア!お土産のお菓子をお願い!出来るだけ多くね!!」
「ふふっ、分かったわ~」
「単純で助かるにゃ」
「…やっと帰るのか」
まるで天啓でも受けたようなティの変わり身の速さに、僕は呆気に取られるけれど、お姉さんに取っては何時もの事なのか、微笑ましげな様子で笑っていた。そんな中、父様はやっとこの状況を抜け出せる事に、何処かホッとしたような声を上げていた。
急な来客などはあったけれど、朝食を食べ終わった僕達は昨日と同じように森の中を歩いていた。だけど、状況は昨日と大きく違っていた。
「なぁ?何で俺達が荷物運びさせられてるんだ?」
「仕方ないでしょ。エレナ達に荷物運びを頼むわけにはいかないし、アイツ等はやる事があるって言うんだから!それとも何!?私1人でこの量の荷物を持てって帰れって言うの!?」
お姉さんがティのために準備してくれたお土産用の菓子が、とてもティには持って行けなさそうな箱に入っており、しかも、それが狙ったかのように4つ分置かれていた。そのため、ティから言われるがまま僕達が運ばされる事になった事もあって、バルドは不満そうだった。
「持って帰れないにしても、他に誰か持てそうな奴いないのかよ!?」
「ルイ達も、持って歩けないにゃ」
「お前も歩いてすらないだろ!ネアが持つ分、俺が変わりに持ってるんだぞ!」
「無駄に体力がありそうにゃ奴は、黙ってきりきり働くにゃ」
「そうよ!きりきり働きなさい!」
歩きたくないと言い、途中で寝てしまいそうなルイをネアが抱えている分、バルドがネアが持つはずだった荷物を持っているため、前も良く見えずに歩き難そうにしているバルドは不満を口にするけれど、僕の頭の上からも容赦ない言葉が飛んでくる。
「だったら、せめて自力で歩くくらいしろよ!」
「「いや!(にゃ)」」
僕の頭の上に乗るティとネアの腕の中で寛ぐルイが、きっぱりとした口調で拒否していた。
「なんか…すまないニャ…」
「い、いや、お前は良いって!」
四足歩行で荷物を持てないウルが、申し訳なさそうな声を上げれば、バルドは少し慌てた様子でウルに声を掛けていた。
「それにしても、帰りは乗り物があって楽にゃ」
「それは良かった」
「ネア…お前は、乗り物扱いで良いのか…?」
「あぁ、腕全体に感じるぬくもりと重み、そして身動きした時に感じる毛並や肉球や感触。幸せしかない」
「そ、そっか…」
溶けるような顔で幸せそうに笑うネアに、バルドは若干引いた様子で言葉を濁していたけれど、腕の中のルイは気にした様子もなく、ネアへと声を掛ける。
「ルイを運べたお礼に、今度ささみ持って来るにゃ」
「分かった」
「いや、運んだ方がお礼っておかしくね!?」
「何言ってるんだ?ネコを運んだらお礼をするのは普通だろ?」
「普通にゃ」
「俺が間違ってるのか!?」
「今回だけは、間違ってないと思いますよ…」
「うん…」
「重ね重ね、弟達がすまないニャ…」
横を歩きながら付いて来るウルが、凄く申し訳なさそうな声を上げていた。でも、ウルが悪いわけじゃないのに、そんなに恐縮されると、こっちも申し訳なくなって来る。
「ウルが悪くないのは分かってますから、そんなに謝らなくて良いですよ」
「そうですかニャ…?何か予定とかはなかったですかニャ?」
「ううん。今日は特に何も予定はなかったよ」
「それなら良かったですニャ」
僕の答えを聞くと、ウルは安堵したような声を上げていた。母様との約束はあったけれど、屋敷を出る前に母様がお供として召喚獣を見せてくれたから、嘘は言っていない。その母様の召喚獣であるオコジョのフィーは、今は僕達の前を先導するようにして歩いていた。父様の召喚獣のカルロも、ゆっくりと旋回しながら僕達の上を飛んでいた。
「それにしても、何で猫なのに喋れるんだ?」
もう文句を言っても仕方がないと思ったのか、それともウルの反応に申し訳なくなったのか、バルドがウルへと疑問を投げかける。
「外見が猫なだけで、ウル達は妖精の一種だから話せるニャ。普通の猫は無理ニャ」
2人とは違ってしっかりと疑問に答えたくれたウルだったけれど、説明されたはずのバルドは、何処か納得行ってないような様子だった。
「じゃあ、さっきルイが猫って言ってたのは嘘か?」
「失礼にゃ。ルイは身も心も可愛いネコさんにゃ。それに、さっきから細かい事ばかり気にしてちっちゃい男にゃ。器が知れるにゃ。もてないにゃ」
「何だと!?」
「正直に言っただけなのに、可愛いネコさんに怒るなんて酷い奴にゃ」
「そうだぞ。ネコさんに謝れ」
「今のは俺が悪いのか!?先に喧嘩を売って来たのは向こうだろ!!」
「ネコさんは、何をしても許される」
「さっき猫じゃないって言ってただろ!!」
「そうだな。猫は天使ではなくて妖精だったと言う話だったな」
「いや…お前、本当に話し聞いてたか…?」
「バルド。今のネアには、何を言っても通じないと思いますよ…」
「うん…」
猫の事になると思考能力が少しおかしくなっているネアには何を言っても仕方がないと、僕達が半ば呆れながら返事を返していると、僕の頭の上に座っていたティが声を上げた。
「此処よ!着いたわ!」
そう言われて視線を向けた場所は、少し開けただけの何もない広場みたいな所だった。
0
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~
荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。
それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。
「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」
『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。
しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。
家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。
メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。
努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。
『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』
※別サイトにも掲載しています。
倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです
桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる