【運命】と言われて困っています

桜 花音

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4.サラちゃんの気持ち

4-4

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 いつもなら衣緒ちんと一緒に下校するところを「委員会の仕事があるから」と先に帰ってもらった。
 本当はそんなの、ない。
 でも衣緒ちんは「わかった、またね」って。
 衣緒ちん、うそついてごめん!
 でも、サラちゃんにどうしても会いたいし、可能性にかけてみたいんだ。

 そう思ってやってきたのは、西側校舎の近くにある、通称「すくすく広場」。
 ここを通って裏門から下校できるから、一部の人はここから下校していく。
 人がいなくなるまで、広場をぐるっと歩いてみる。
 日当たりがいいこともあって、夏の栽培活動になると、ここにみんな鉢を並べるの。
 去年はヘチマをみんなで育てたっけ。ものすごく大きくなったの持ち帰って、ママがビックリしていた。
 栽培だけじゃなくて、ここにはいろんな木や植物が育っていて、夏でもちょっと涼しい場所。
 そのすくすく広場には、色とりどりのタイルが貼られたかわいい噴水がある。
 何年か前の卒業生の卒業制作なんだって。

 下校時間からだいぶ経ったこともあって、もう人の気配はしない。
 ここなら……サラちゃんがくるんじゃないかって思った。
 だって、人気がなくて、水があって。
 わたしにイタズラする絶好のチャンスだよね。
 姿は見えないけれど、いるんじゃないかなって思っている。
 噴水に近づきすぎるとイタズラされてすぐに逃げられちゃいそうだから、噴水には近づかない。
 すぅっと息を吸って、思い切って声をかけてみる。

「サラちゃん、いるかな?」
 呼びかけてみるものの、反応はなし。
「ねぇ、お話ししない? わたし、サラちゃんとお話ししたいの」
 ……見事にわたしの声は空気に溶けるように消えていく。
 これ、はたから見たら変な人だよねぇ。
 そう思うと恥ずかしい。
 でも、見た感じ、周りに誰もいないし!

「サラちゃんが瀬戸くんのこと、大好きなのはわかるよ。わたしのことが……きらいなんだろうなっていうのも。でも、でもね。わたしはサラちゃんと仲良くなりたいし、誤解があるなら解きたいの。わたしたち、まだちゃんと話したことないじゃない? 話せばきっと……」

『――アンタに、アタシのなにがわかるのっ⁉』

 それまで気配もなかったサラちゃんが、ふいに声とともに噴水の前に現れた。
 大きな水色の瞳を釣り上げて、こぶしをプルプルと震わせている。
「やっぱり、いた」
 現れてくれたことがうれしくて、ホッとする。
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