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■笹原side
俺は、千景くんの書く本が大好きだった。
千景君が書いてるとは知らずに、千景君の本の話を熱く語っちゃった時は恥ずかしかったなぁ。
俺は無言の加害者っていうか、千景君に対するいじめを見て見ぬ振りしていた最低野郎なのに、千景君はそれを許してくれて友達になってくれた。
あの頃、千景君が死んで多くの人が悲しんだ。
テレビでは連日、千景君の死が語られるほどで書いた本は爆発的に売れ、その印税は全て各施設に寄付されたらしい。
俺は千景君から余命を伝えられていたおかげなのか、友人の死を乗り越えるのは早かった。
千景君は亡くなった時、満足そうな顔をしていたと聞いたし、待っていてくれる人がいると言っていたから、俺なりの解釈で千景君は今はどこかで静かに、幸せに暮らしているんだと思っていた。だから、薄情と言われても仕方ないかもしれないけど、千景君の死は胸にしまって前向きに生きていた。
そんなある日、俺は死にそうな顔をした青砥に呼び出された。
ストロベリー&チョコチップフラペチーノを飲みながら青戸の話を促す。
正直に言って、青砥とほとんど話もしたことないからこの空間は苦痛だ。
いまだに千景君の死を引きずってますって顔で、千景君の小説の話を始めた青砥に、俺は何も気がついてないですって顔で千景君の残した小説について語った。
その数日後くらいに、今度は和樹に呼び出された。
「呪いとかって信じる?」
開口一番そう言ってのけた和樹に俺は首を傾げた。
「いや、まぁ信じるっていうかあるんじゃないかなぁくらいは」
「最近、風邪を拗らせることが多くなったんだ。今日はたまたま体調が良いから、こうやって笹原に会えているんだけど」
「そうなんだ」
風邪を拗らせるなんて、和樹が言ってても信用ならないなと思いながら適当に答えた。
けど、見た目的に言えば確かに体調はかなり悪そうだ。顔色は青色通り越して灰色みたいだし、目の焦点もあっていないように見える。
「それ、呪いなんじゃないかと思って」
ポツリと和樹が呟いた。
「そうかー、じゃあ神社とか寺とか行ったほうがいいんじゃないの? 俺じゃなくて」
「そうなんだけど、笹原は千景と仲良かったから」
「千景君が呪ってるんじゃないかって? そんな訳ないじゃん。不愉快だよ」
「でも」
「でも、なに」
「ここ最近、ずっとついてなくて、それに3日前から目に黒いもやがかかっているように見えて、それでそれがどんどん悪化してるんだ。今は、少ししか見えてない。明日にはもう何も見えなくなるかもしれない」
「それは眼科に行ったほうがいいんじゃないか?」
「眼科なんてもう行ったよ! 内科の病院にも行った。だけど、風邪の治りも悪いままだし、目も治らないんだ」
「千景君以外にも心当たりあるでしょ?」
「そんなのないよ」
「嘘だ。色々噂は聞いてるよ。大学でも千景君にしたのと同じようなことをしてるでしょう? それで、どのアルファも青砥みたいにバカじゃないから、君はアルファから遠巻きにされてるって噂だけど?」
「っ、だって、僕は可愛くて美しいから、いいアルファを見つけないと。僕の隣には良いアルファが居るべきだから、その近くにオメガがいたら排除してたよ。でも、その中で死んでるのは千景だけだから、呪ってるなら千景でしょ!」
死んだ後まで千景君を悪く言われて、俺は心底ムカついた。
「呪うのなんて生きてる人間だってするでしょ? むしろ生きてる人間がするやつでしょ?」
「だ、だって、僕……怖いんだよ」
「自業自得だと思うな俺は」
そう告げ、お茶の代金を置いて去ろうとすると、和樹は突然咳き込み始めた。
それは仮病みたいには見えなくて、相当やばい感じだった。
カフェの店員さんがすぐに救急車を呼んでくれて、俺はそれに付き添う羽目になった。
俺は、千景くんの書く本が大好きだった。
千景君が書いてるとは知らずに、千景君の本の話を熱く語っちゃった時は恥ずかしかったなぁ。
俺は無言の加害者っていうか、千景君に対するいじめを見て見ぬ振りしていた最低野郎なのに、千景君はそれを許してくれて友達になってくれた。
あの頃、千景君が死んで多くの人が悲しんだ。
テレビでは連日、千景君の死が語られるほどで書いた本は爆発的に売れ、その印税は全て各施設に寄付されたらしい。
俺は千景君から余命を伝えられていたおかげなのか、友人の死を乗り越えるのは早かった。
千景君は亡くなった時、満足そうな顔をしていたと聞いたし、待っていてくれる人がいると言っていたから、俺なりの解釈で千景君は今はどこかで静かに、幸せに暮らしているんだと思っていた。だから、薄情と言われても仕方ないかもしれないけど、千景君の死は胸にしまって前向きに生きていた。
そんなある日、俺は死にそうな顔をした青砥に呼び出された。
ストロベリー&チョコチップフラペチーノを飲みながら青戸の話を促す。
正直に言って、青砥とほとんど話もしたことないからこの空間は苦痛だ。
いまだに千景君の死を引きずってますって顔で、千景君の小説の話を始めた青砥に、俺は何も気がついてないですって顔で千景君の残した小説について語った。
その数日後くらいに、今度は和樹に呼び出された。
「呪いとかって信じる?」
開口一番そう言ってのけた和樹に俺は首を傾げた。
「いや、まぁ信じるっていうかあるんじゃないかなぁくらいは」
「最近、風邪を拗らせることが多くなったんだ。今日はたまたま体調が良いから、こうやって笹原に会えているんだけど」
「そうなんだ」
風邪を拗らせるなんて、和樹が言ってても信用ならないなと思いながら適当に答えた。
けど、見た目的に言えば確かに体調はかなり悪そうだ。顔色は青色通り越して灰色みたいだし、目の焦点もあっていないように見える。
「それ、呪いなんじゃないかと思って」
ポツリと和樹が呟いた。
「そうかー、じゃあ神社とか寺とか行ったほうがいいんじゃないの? 俺じゃなくて」
「そうなんだけど、笹原は千景と仲良かったから」
「千景君が呪ってるんじゃないかって? そんな訳ないじゃん。不愉快だよ」
「でも」
「でも、なに」
「ここ最近、ずっとついてなくて、それに3日前から目に黒いもやがかかっているように見えて、それでそれがどんどん悪化してるんだ。今は、少ししか見えてない。明日にはもう何も見えなくなるかもしれない」
「それは眼科に行ったほうがいいんじゃないか?」
「眼科なんてもう行ったよ! 内科の病院にも行った。だけど、風邪の治りも悪いままだし、目も治らないんだ」
「千景君以外にも心当たりあるでしょ?」
「そんなのないよ」
「嘘だ。色々噂は聞いてるよ。大学でも千景君にしたのと同じようなことをしてるでしょう? それで、どのアルファも青砥みたいにバカじゃないから、君はアルファから遠巻きにされてるって噂だけど?」
「っ、だって、僕は可愛くて美しいから、いいアルファを見つけないと。僕の隣には良いアルファが居るべきだから、その近くにオメガがいたら排除してたよ。でも、その中で死んでるのは千景だけだから、呪ってるなら千景でしょ!」
死んだ後まで千景君を悪く言われて、俺は心底ムカついた。
「呪うのなんて生きてる人間だってするでしょ? むしろ生きてる人間がするやつでしょ?」
「だ、だって、僕……怖いんだよ」
「自業自得だと思うな俺は」
そう告げ、お茶の代金を置いて去ろうとすると、和樹は突然咳き込み始めた。
それは仮病みたいには見えなくて、相当やばい感じだった。
カフェの店員さんがすぐに救急車を呼んでくれて、俺はそれに付き添う羽目になった。
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