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第8話 雪と灯の夜
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整えました。読みやすいように改行しています。
昼過ぎから降りはじめた雪は、夕方には音を持った。砦の壁に当たり、回廊の角で渦を巻き、窓硝子に細い指で叩くみたいな連打を置いていく。庭の覆い布は白く脈を打ち、風の入口はすっかり冬の口ぶりになった。ローザは手袋のまま布の端を撫で、「また明日」と囁いて部屋へ戻った。
夜。炉に薪を足すと、炎が息を吸って大きくなった。橙の灯りは壁を柔らかく撫でて、石の冷たさをほんの少し忘れさせる。湯をわかして、小さな袋から乾いたハーブをひとつまみ落とした。タイム、カモミール、そして王都から密かに持ってきた薄切りの砂糖菓子を一枚。湯気に甘い匂いが溶け、鼻腔の奥がほどけていく。
扉の向こうで風が走り、続いて軽いノックが二度。鉄の従者かと思って「どうぞ」と言うと、入ってきたのはカイゼルだった。灰の上衣の裾に、外の雪がまだらに残っている。銀の瞳は相変わらず色を持たないのに、炎の前に立つと、輪郭だけが柔らかくなる。
「吹雪だ」
「聞こえてます。窓が少し震えるくらい」
「砦の骨には届かない。だが人の骨には届く」
「……暖まりに来たの?」
「見回りのついでだ」
彼は炉の側に腰を下ろした。ローザは二つ目のマグに湯を注ぎ、ハーブを少し多めに落とす。差し出すと、彼は目だけで問うた。
「人の“甘さ”は約束を短くすると言ったな」
「うん。だから今日は、甘さは控えめ。香りだけ」
「よろしい」
マグを受け取った彼の指の関節は薄く赤い。外で風に当たっていた証拠。ローザは毛布を引き寄せ、半分を彼の肩へそっと掛ける。彼は特に拒まない。肩の上で毛布の重みが落ち着くのを待ってから、彼はようやくマグに唇をつけた。
「……悪くない」
「塩の効いたスープに飽きたころの、癒やしの味」
「人の舌は忙しい」
沈黙が一度落ち、炎の音が部屋の中心になる。吹雪の音は遠くへ退き、ここだけ別の季節が張られたみたいだ。ローザはマグを両手で包み、蒸気で指を温めながら言った。
「花の名前、覚える気、ある?」
「ない」
「正直」
「名前は持っていかれる」
「またそれ。でも、今夜は“灯りとして”覚えるの。暗いところで足元を見るために。名前にはその力がある」
彼は反論しなかった。しなかったことが、承諾だと勝手に受け取る。ローザは炉の側に小さな木片を並べ、指で一本ずつ叩いてゆっくりと音をつくった。
「最初は、ルピナス。わたしが温室から連れてきた子。『狼』の意味、って習った。やせた土でも根を深く伸ばして、空の窒素をつかまえて土に返す。荒れ地を肥やす、寡黙な働き者」
「狼の花」
「次は、セラフィム。これはこの地の呼び名。王都では“銀花”って呼ばれてる。夜にだけ薄く光るから、旅人の目印になる。……いつか庭で、本当に光ったらいいな」
「光は目を引く。目は牙を呼ぶ」
「呼ばれても、覆いがある。あなたがいる」
彼の瞳が微かに動く。
「他は」
「タイム。『勇気』のハーブ。細いのに強い。雪の縁でも香る。セージ。『救い』。疲れたときに湯に落とすと、胸の重さが少し動く。カモミール。『逆境に負けない』。踏まれると強くなるから、庭の縁に植えると良いって本に書いてあった。……そして、エーデルワイス。これはここでは手に入らないけど、いつか山の高いところで見てみたい。風に削られても、白い星の形のまま立ってる花」
「花に込められた意味は誰が決めた」
「だれか。けど、だれかが付けた意味に、私たちが今の意味を少し重ねて使うの。そういう“上書き”は、優しい」
カイゼルはマグの湯気を見つめ、短く息を吐いた。
「お前の声は、夜に向いている」
「よく言われる。たぶん、静かだから」
「いや――」
炎がぱちりと鳴り、吹雪が一段強く窓を叩いた。その大きな音の切れ目、彼は小さく言った。
「お前の声は、氷を砕く音のようだ」
ローザは瞬きを一つだけした。胸の奥のどこか、固いところに細い亀裂が走る感覚。痛みではない。空気が通った。
「いい音?」
「氷にとっては終わりの音。だが、水にとっては始まりの音」
「じゃあ、春の音だ」
彼は何も足さない。足さない沈黙は、否定ではない。彼女はひざを寄せ、炉の火に小枝を一本足した。
「昨日、背中に触れたとき、わたし、ちょっと怖かった」
「自分のしたことが?」
「ううん。あなたの傷の“深さ”が。人の裏切りが、こんなに長く残るんだって、体で知ってしまったから。言葉じゃなくて、温度で」
「温度は嘘をつかない」
「だから、わたしは、わたしができる温度で返す。大したことはできないけど、夜に湯を沸かすとか、雪の前に覆いを直すとか、名前を灯りにするとか。そういう“手の届くこと”を積み上げる」
「積み上げるのは得意そうだ」
「土はそう教えてくれる。焦ると根が裂けるって」
風が一段落し、外の音が遠くなった。砦はまた呼吸し始め、壁のどこかで古い石が小さくなった。カイゼルは毛布を少しずらし、マグを置いて立ち上がった。
「文庫で、古い地図を見つけた。谷の下に村の跡がある」
「工房の手前の、井戸のあるところ?」
「そこからさらに東。雪が止んだら連れていく。お前の“庭”に足りないものがある。風除け、石壁、陽だまり」
「……本当に?」
「三日の契約はまだ生きている。客に用を出すのは主の役目だ」
「それ、少し優しい言い換え」
「気に入らないか」
「大好き」
彼はわずかに肩を竦め、窓辺に歩み寄って覆いの影を覗いた。布の角が微かに震え、下で芽の呼吸が続いているのが、ふたりには分かった。
「芽は、雪に慣れる」
「うん。わたしたちも」
そのとき、扉が軽く叩かれた。鉄の従者が、籠を一つ抱えて立っている。中には乾いた板切れ、ほつれた麻紐、古い毛皮の端。他所から集めてきたらしい「使える残り物」。ローザが顔を上げると、従者は無言で頷きに似た動きをして、去っていった。
「従者も協力的」
「命令していない」
「“見ている”のよ。風の入口に、なにかが生まれているって」
「なら、砦は少し利口だ」
ローザは籠から毛皮を取り、覆いの外側に巻く構想を口にした。布は風で鳴く。鳴く音の周波が変われば、雪の重さが分かる。鳴き方の辞書をつくろう。そう言うと、カイゼルは珍しく楽しそうに口角を上げた。
「辞書?」
「ええ。『カサ、は軽雪』『ザワ、は風のいたずら』『コト、は板の緩み』『シン、と無音は、たぶん寝息』」
「寝息」
「芽も寝る。寝ないと伸びない」
「人もだ」
「あなたは?」
「わたしは見張る」
「じゃあ、交代で。今夜はあなたが少し寝て。わたしが火の側で見張る」
「契約にない」
「追加しよう。“眠れる方が眠る”」
「……面倒な花嫁だ」
「仮の、ね」
彼は毛布を戻し、わずかに視線を落とした。「仮の」は言葉の上では軽いのに、彼の口から出ると、重さを持たずに、形だけ残した。
「眠る。少しだけ」
「うん」
彼は部屋を出る前にもう一度窓辺に目をやり、吹雪を測るみたいに耳をすませた。それから、炉の前のローザに短く視線を戻し、扉の向こうへ消えた。扉の音は雪に吸われ、跡を残さない。
ローザは火に薪を足し、籠の麻紐を指でほどきながら、今日覚えた音を一つずつ心に貼っていく。吹雪の早口、炎の笑い、従者の無音、芽の寝息、そして――氷のきしみの前触れに似た自分の声。
夜は長い。けれど、長さは敵じゃない。時間は、作業の味方だ。マグの底に残った温度を舌で確かめ、彼女は日記を開いた。
〈雪。灯。名前は灯り。ルピナス=狼の根、セラフィム=夜の目印、タイム=勇気、セージ=救い、カモミール=踏まれて強い。お前の声は、氷を砕く音のようだ、と言われた。氷の終わり、水の始まり。〉
書いて、火の前で膝を抱え、目を閉じる。遠くで風が方向を変えた。近くで火が息を整える。砦のどこかで石がひとつ、眠りに落ちる音を立てた。彼女は耳を澄ませ、起きているすべてと、眠っているすべてに、小さな声で順番に挨拶をする。
「おやすみ。起きていて。おやすみ。起きていて」
言葉は矛盾していない。誰かが眠れば、誰かが起きていられる。今夜は彼が眠り、彼女が火を見る番。明日は風がやみ、雪がやむ。やんだあとの静けさに、最初の音が返ってくる。砦の骨に、春の匂いが最初に触れるのは、きっと風の入口だ。
氷の世界に、灯りをひとつ置いた。灯りは小さい。けれど、確かに温度を持っている。彼の背の古い線にも、いつか届くと信じて、ローザはもう一度薪を足し、夜の長さを数えはじめた。
昼過ぎから降りはじめた雪は、夕方には音を持った。砦の壁に当たり、回廊の角で渦を巻き、窓硝子に細い指で叩くみたいな連打を置いていく。庭の覆い布は白く脈を打ち、風の入口はすっかり冬の口ぶりになった。ローザは手袋のまま布の端を撫で、「また明日」と囁いて部屋へ戻った。
夜。炉に薪を足すと、炎が息を吸って大きくなった。橙の灯りは壁を柔らかく撫でて、石の冷たさをほんの少し忘れさせる。湯をわかして、小さな袋から乾いたハーブをひとつまみ落とした。タイム、カモミール、そして王都から密かに持ってきた薄切りの砂糖菓子を一枚。湯気に甘い匂いが溶け、鼻腔の奥がほどけていく。
扉の向こうで風が走り、続いて軽いノックが二度。鉄の従者かと思って「どうぞ」と言うと、入ってきたのはカイゼルだった。灰の上衣の裾に、外の雪がまだらに残っている。銀の瞳は相変わらず色を持たないのに、炎の前に立つと、輪郭だけが柔らかくなる。
「吹雪だ」
「聞こえてます。窓が少し震えるくらい」
「砦の骨には届かない。だが人の骨には届く」
「……暖まりに来たの?」
「見回りのついでだ」
彼は炉の側に腰を下ろした。ローザは二つ目のマグに湯を注ぎ、ハーブを少し多めに落とす。差し出すと、彼は目だけで問うた。
「人の“甘さ”は約束を短くすると言ったな」
「うん。だから今日は、甘さは控えめ。香りだけ」
「よろしい」
マグを受け取った彼の指の関節は薄く赤い。外で風に当たっていた証拠。ローザは毛布を引き寄せ、半分を彼の肩へそっと掛ける。彼は特に拒まない。肩の上で毛布の重みが落ち着くのを待ってから、彼はようやくマグに唇をつけた。
「……悪くない」
「塩の効いたスープに飽きたころの、癒やしの味」
「人の舌は忙しい」
沈黙が一度落ち、炎の音が部屋の中心になる。吹雪の音は遠くへ退き、ここだけ別の季節が張られたみたいだ。ローザはマグを両手で包み、蒸気で指を温めながら言った。
「花の名前、覚える気、ある?」
「ない」
「正直」
「名前は持っていかれる」
「またそれ。でも、今夜は“灯りとして”覚えるの。暗いところで足元を見るために。名前にはその力がある」
彼は反論しなかった。しなかったことが、承諾だと勝手に受け取る。ローザは炉の側に小さな木片を並べ、指で一本ずつ叩いてゆっくりと音をつくった。
「最初は、ルピナス。わたしが温室から連れてきた子。『狼』の意味、って習った。やせた土でも根を深く伸ばして、空の窒素をつかまえて土に返す。荒れ地を肥やす、寡黙な働き者」
「狼の花」
「次は、セラフィム。これはこの地の呼び名。王都では“銀花”って呼ばれてる。夜にだけ薄く光るから、旅人の目印になる。……いつか庭で、本当に光ったらいいな」
「光は目を引く。目は牙を呼ぶ」
「呼ばれても、覆いがある。あなたがいる」
彼の瞳が微かに動く。
「他は」
「タイム。『勇気』のハーブ。細いのに強い。雪の縁でも香る。セージ。『救い』。疲れたときに湯に落とすと、胸の重さが少し動く。カモミール。『逆境に負けない』。踏まれると強くなるから、庭の縁に植えると良いって本に書いてあった。……そして、エーデルワイス。これはここでは手に入らないけど、いつか山の高いところで見てみたい。風に削られても、白い星の形のまま立ってる花」
「花に込められた意味は誰が決めた」
「だれか。けど、だれかが付けた意味に、私たちが今の意味を少し重ねて使うの。そういう“上書き”は、優しい」
カイゼルはマグの湯気を見つめ、短く息を吐いた。
「お前の声は、夜に向いている」
「よく言われる。たぶん、静かだから」
「いや――」
炎がぱちりと鳴り、吹雪が一段強く窓を叩いた。その大きな音の切れ目、彼は小さく言った。
「お前の声は、氷を砕く音のようだ」
ローザは瞬きを一つだけした。胸の奥のどこか、固いところに細い亀裂が走る感覚。痛みではない。空気が通った。
「いい音?」
「氷にとっては終わりの音。だが、水にとっては始まりの音」
「じゃあ、春の音だ」
彼は何も足さない。足さない沈黙は、否定ではない。彼女はひざを寄せ、炉の火に小枝を一本足した。
「昨日、背中に触れたとき、わたし、ちょっと怖かった」
「自分のしたことが?」
「ううん。あなたの傷の“深さ”が。人の裏切りが、こんなに長く残るんだって、体で知ってしまったから。言葉じゃなくて、温度で」
「温度は嘘をつかない」
「だから、わたしは、わたしができる温度で返す。大したことはできないけど、夜に湯を沸かすとか、雪の前に覆いを直すとか、名前を灯りにするとか。そういう“手の届くこと”を積み上げる」
「積み上げるのは得意そうだ」
「土はそう教えてくれる。焦ると根が裂けるって」
風が一段落し、外の音が遠くなった。砦はまた呼吸し始め、壁のどこかで古い石が小さくなった。カイゼルは毛布を少しずらし、マグを置いて立ち上がった。
「文庫で、古い地図を見つけた。谷の下に村の跡がある」
「工房の手前の、井戸のあるところ?」
「そこからさらに東。雪が止んだら連れていく。お前の“庭”に足りないものがある。風除け、石壁、陽だまり」
「……本当に?」
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「気に入らないか」
「大好き」
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「芽は、雪に慣れる」
「うん。わたしたちも」
そのとき、扉が軽く叩かれた。鉄の従者が、籠を一つ抱えて立っている。中には乾いた板切れ、ほつれた麻紐、古い毛皮の端。他所から集めてきたらしい「使える残り物」。ローザが顔を上げると、従者は無言で頷きに似た動きをして、去っていった。
「従者も協力的」
「命令していない」
「“見ている”のよ。風の入口に、なにかが生まれているって」
「なら、砦は少し利口だ」
ローザは籠から毛皮を取り、覆いの外側に巻く構想を口にした。布は風で鳴く。鳴く音の周波が変われば、雪の重さが分かる。鳴き方の辞書をつくろう。そう言うと、カイゼルは珍しく楽しそうに口角を上げた。
「辞書?」
「ええ。『カサ、は軽雪』『ザワ、は風のいたずら』『コト、は板の緩み』『シン、と無音は、たぶん寝息』」
「寝息」
「芽も寝る。寝ないと伸びない」
「人もだ」
「あなたは?」
「わたしは見張る」
「じゃあ、交代で。今夜はあなたが少し寝て。わたしが火の側で見張る」
「契約にない」
「追加しよう。“眠れる方が眠る”」
「……面倒な花嫁だ」
「仮の、ね」
彼は毛布を戻し、わずかに視線を落とした。「仮の」は言葉の上では軽いのに、彼の口から出ると、重さを持たずに、形だけ残した。
「眠る。少しだけ」
「うん」
彼は部屋を出る前にもう一度窓辺に目をやり、吹雪を測るみたいに耳をすませた。それから、炉の前のローザに短く視線を戻し、扉の向こうへ消えた。扉の音は雪に吸われ、跡を残さない。
ローザは火に薪を足し、籠の麻紐を指でほどきながら、今日覚えた音を一つずつ心に貼っていく。吹雪の早口、炎の笑い、従者の無音、芽の寝息、そして――氷のきしみの前触れに似た自分の声。
夜は長い。けれど、長さは敵じゃない。時間は、作業の味方だ。マグの底に残った温度を舌で確かめ、彼女は日記を開いた。
〈雪。灯。名前は灯り。ルピナス=狼の根、セラフィム=夜の目印、タイム=勇気、セージ=救い、カモミール=踏まれて強い。お前の声は、氷を砕く音のようだ、と言われた。氷の終わり、水の始まり。〉
書いて、火の前で膝を抱え、目を閉じる。遠くで風が方向を変えた。近くで火が息を整える。砦のどこかで石がひとつ、眠りに落ちる音を立てた。彼女は耳を澄ませ、起きているすべてと、眠っているすべてに、小さな声で順番に挨拶をする。
「おやすみ。起きていて。おやすみ。起きていて」
言葉は矛盾していない。誰かが眠れば、誰かが起きていられる。今夜は彼が眠り、彼女が火を見る番。明日は風がやみ、雪がやむ。やんだあとの静けさに、最初の音が返ってくる。砦の骨に、春の匂いが最初に触れるのは、きっと風の入口だ。
氷の世界に、灯りをひとつ置いた。灯りは小さい。けれど、確かに温度を持っている。彼の背の古い線にも、いつか届くと信じて、ローザはもう一度薪を足し、夜の長さを数えはじめた。
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