11 / 20
第11話 王都の裏通りにて
しおりを挟む王都の空は、前より白かった。
雪の名残が屋根の縁で黒ずみ、朝の煙と混ざって、街全体が灰色の膜に包まれている。かつては市場の輪郭が太陽の位置でくっきり変わったのに、いまはいつ見ても曖昧だ。匂いも違う。焼きたてのパンと果物の蜜、革と香辛料――そういう生活の匂いの奥に、焦げた布と、鉄の湿りが、微量でも確かに混ざっている。
私はフードを深くかぶり、裏門から街へ入った。
足音を薄くする歩き方は、城の石床で覚えた。扉を閉める音を聞かせない癖は、カインがよくやっていた。私の中に残る彼の影に、少しだけ微笑みかけ、それをすぐ飲み込む。ここは彼の世界じゃない。私の足で、戻ってきた場所だ。
広場は、見覚えがあるのに、知らない顔をしていた。
神殿の尖塔は相変わらず空を引っかいているけれど、その根元に立つ人々の目が、前とは違う方向を見ている。誰もが誰かの顔色ではなく、塔の先の「光」を見ていた。
光は綺麗だ。否定したくなるほど、綺麗だ。
けれど、綺麗さは時々、暴力の仮装をする。
「裁きだ! 聖なる裁きだ!」
群衆のどこかで、男の声が割れた。
私の足は自然に狭い路地へ逸れる。広場を囲む裏通り。泥と灰でぬかるむ細道の向こうに、神殿の横腹が見える。石の壁は古く、ひびの中に黒い水が凍っている。
角を曲がったとき、光が走った。
閃光。
昼間なのに、昼をもう一段明るくする光。目が焼けるみたいに痛い。私は壁に手をつき、息を数える。光が引くと、空気が焦げ臭かった。人の叫びが聞こえる。泣き声、罵声、讃歌。全部が混じって、どれも真実の形をしていない。
「新聖女様がお告げを――」「嘘つきが浄められた!」「ありがてえ、ありがてえ!」
扉の隙間から覗くと、小さな広場の中央に白い衣が立っていた。
リリア。
あの祭壇の朝、光を巻き上げた少女。
彼女は以前よりも痩せ、瞳の色が濃くなっている。甘やかだった口元はきつく結ばれ、舌で祈りの言葉を押し出すたび、肩甲骨が薄い羽のように動く。彼女の周りの空気は温い。だが、その温さは、冬の陽だまりじゃない。炎の近くに立ったときの温度だ。乾いたものから先に燃やす、あの種類の熱。
「神は、見ておられる」
リリアは両手を上げ、声を高くする。
彼女の後ろには教会の神官たち。白い外套の縁から、黒い靴の先が均等に並ぶ。誰も彼女の肩に触れない。触れれば、火傷するのだろう。
「この者は、パンの重さをごまかし、皆の飢えを笑った」
男が引き出され、膝をつかされた。痩せた店主。私も何度か彼の店で硬いパンを買ったことがある。肩で息をし、子どもが泣きながら裾を掴む。
リリアの指先に、光が宿る。
祈りも、準備も、呼吸の置き方もない。ただ、光は彼女の皮膚の側面から湧き出て、真上から男に落ちた。
焼ける匂い。
悲鳴。
私は動き出しかけて、止まった。
あれは――あれは私の知っている「癒し」ではない。
なのに、根っこは同じ匂いがする。
私の胸が、内側から引っ張られるみたいに痛んだ。
誰かが私の袖を引いた。
振り向くと、少女がひとり、目を真っ赤にして見上げている。片方の靴しか履いていない。震える唇で「助けて」と言おうとして、声が出ない顔。
「どうしたの」
「お母さんが、裁かれるって……。“新聖女様のお告げを疑った罪”で」
私は膝をつき、少女の冷たい手を包んだ。
手は、怒りに冷える。恐れに冷える。空腹にも、冷える。
「名前は」
「ノア」
「ノア。ここで待てる?」
彼女は首を振った。「やだ。いっしょに……」
「大丈夫。私は目立たない。声も出さない。風みたいに行って、風みたいに戻る」
ノアは鼻をすすり、ぎゅっと私の手を握った。私は立ち上がり、広場と裏通りの境界へ再び視線を滑らせる。
光の落ちた男は、まだ動いている。焼けてはいない。皮膚の表面に赤い痕が浮き、膝から崩れただけだ。リリアは納得いかない顔をして、一歩近づく。光が濃くなる。
――濃くしなくていい。
喉の奥で、声にならない声が反射する。私の掌が熱を持つ。
その熱は、長い間忘れていた熱だ。
私は、自分の力が奪われたと思っていた。あの日、祭壇の前で、すべてを剥がされたと思っていた。
違う。
奪われたのではない。分けたのだ。
分け与えた先が、彼女だった。
頭の内側で、何かが静かに合致した。
合致音は小さいのに、世界の輪郭を変える。私は壁から肩を離し、もっと近づく。リリアの周りに立つ神官の列の隙間を、影の動きに合わせてすり抜ける。
壇の近くには、布で覆われた台がある。包まれた細長い何か――杖か、剣か。祈りの道具として飾られているのかもしれない。私は視線で距離を測り、群衆の呼吸の明滅に合わせた。
「次は、あの女だ!」
神官が叫び、ノアの母親が引き出される。細い身体。目の下に深い影。
リリアは彼女を見下ろし、薄く笑った。
その笑みは、よく知っている。誰かに付けられた重荷を、いつの間にか自分の形として抱え込んだ人の笑み。
彼女の光は、彼女自身を焼いている。
「お告げを疑った?」
リリアが問う。
女は唇を噛んで首を振る。「違います。子が熱で……薬が足りなくて……」
「神は目を見ればわかる。あなたの目は、疑いに曇っている」
「曇ってるのは、あなただよ」
私の声だった。
気づいたときには、もう壇の前に出ていた。
群衆が一斉に息を飲む。神官が動く。私は目を瞬き、両手を上げた。手には何も持たない。祈りの形でも、降伏の形でもない。ただの“空っぽ”の形。
「誰だ」
神官の声が鋭く、私を刺す。
私はフードを外す。冷たい空気が髪に触れ、首筋を削る。
「……セリーヌ?」
リリアの声が、ほんの少しだけ揺れた。
彼女の中の何かが、私の名前をまだ覚えている。
私は一歩寄る。彼女の光が私の皮膚を撫で、微熱のような刺激が走る。
彼女の瞳の奥に、揺れる火を見る。
あれは……私の火だ。分けた火だ。
奪われたのではない。手放したのでもない。知らない間に、私の中から流れ出た何かが、彼女の器に注ぎ込まれて、形を変えた。
「私は、あなたを責めに来たんじゃない」
「じゃあ何をしに」
「見に来た。私のせいで、どうなっているのか」
リリアの眉がきつく寄る。「“あなたのせい”?」
「そう。私のせい。あなたがその光を扱えないのは、私が“分け方”を教えなかったから」
彼女の頬がぴくりと動く。怒り。羞恥。拒絶。
私の胸にも、同じものが走る。
認めるのは痛い。
けれど、認めなければ、痛みは腐る。
「光は、裁くためにあるものじゃない」
「黙って。ここは私の場所」
「光は、触れるためにある。冷たくなった手に。乾いた喉に。傷んだ心に」
「黙れって言ってる!」
リリアの掌が上がり、光が弾ける。
私は目を逸らさず、一歩、前へ。
熱が額に刺さる。灼熱ではない。拒絶の温度。
皮膚のすぐ下で、私の光が反応する。懐かしい感覚。眠っていた鳥が翼を震わせるように、胸骨の内側で“ひかり”が身じろぎした。
私は掌を胸に当て、小さく呼吸を置いた。
祈りは、言葉になる前に立ち上がる。
分け与えることは、奪うことより難しい。けれど、私の体は覚えていた。
――温度を合わせる。
――相手の器を傷つけないように、縁からそっと。
――流しすぎない。
私は、自分の中の“光”を、ゆっくり外へ押し出した。
リリアの放つ光と、私の光が、空中で触れる。
弾けない。
混じり合わない。
ただ、触れたところだけ、温度が変わる。熱がすっと引き、刺すような白が、やわらかい乳白に変わる。
リリアの眉が上がる。「何をしたの」
「温度を変えた。あなたの光の、芯の温度」
「私の光は、神の――」
「私の光と、同じ匂いがする」
ざわ、と群衆が波打つ。
神官のひとりが「偽りだ」「誘惑だ」と叫ぶ。
私は彼らを見ない。リリアだけを見る。
彼女の瞳の奥で、火が揺れる。
私はその火に、言葉ではなく、温度で触れ続けた。
「あなたは焦っている。焦りは、光の縁を硬くする」
「焦ってなんか――」
「焦ってる。だって、怖いから」
彼女の喉が動く。
私たちを囲む空気が、一瞬静まる。
その静けさは、嵐の目だ。
私はそこへ、ひとつだけ、言葉を落とす。
「私のせいで、この国は歪んでしまった」
自分の声が、思ったよりも遠くから聞こえた。
軽い言葉じゃない。
でも、軽くできない。
私が分けた光が、あなたを焼いている。
私が黙って去ったから、あなたはこの重さをひとりで持った。
その事実は、誰かの罪というより、ふたり分の未熟さだ。
リリアの肩が小さく震えた。
「……あなたのせいじゃない」
「私のせい“でも”ある」
「違う。私は、選んだ。選んだから、ここにいる」
「選んだあなたを、私は、選ばせた」
目が合う。
彼女の目の色は、最初に会ったときより暗い。けれど、暗い中に、色がひとつだけ増えている。青でも、緑でもない。灰の中の、薄い琥珀。
私の胸の奥の光が、そこに呼応して、小さく灯る。
私は掌を下ろし、ひとつ息を吐いた。
ノアの母親が、怯えたまま私とリリアを交互に見る。私は彼女へ小さく頷いた。大丈夫、と目で伝える。
神官が堪えきれず一歩出る。「新聖女様、惑わされてはなりません! この女は――」
リリアが手を上げて神官を制した。
口元に、強情な影。
その影は、彼女の弱さと強さの両方の形だ。
「祈りをする」
リリアは低く言った。
神官たちがざわつく。彼女は聞かない。
彼女は目を閉じ、胸の前で指を組んだ。
私も目を閉じる。
広場のざわめきが遠のく。
光の芯へ、降りていく。
――あなたの光の縁を、柔らかく。
――あなたの火の呼吸を、整える。
――あなたの恐れに、名をつけない。
祈りは、相手の中の“まだ名のない部分”に手を置く作業だ。
しばらくの沈黙。
やがて、リリアの吐息が細くなる。光の温度が、ほんのわずか落ちる。焦げの匂いが薄くなり、乳白の輪郭が広場に満ちる。
ノアの母親が、肩の力を抜いて泣いた。
群衆の中に、最初のため息が落ちる。誰かが「……暖かい」と呟く。
光は、裁かない。触れる。
私の体が覚えていたことを、彼女の体も思い出した。
目を開けると、リリアの目にも水が溜まっていた。
彼女はそれを拭わず、まっすぐ私を見た。
「……あなたは、帰ってきたのね」
「ううん。私は、通り過ぎるだけ」
「ずるいわ」
「ずるいね」
二人の間に、短い笑い。笑いと言うには弱い、細い線。
神官のひとりが慌てて前に出る。「新聖女様! この女は王命により――」
「黙りなさい」
リリアが初めて神官へ牙を向けた。
光が彼女の周りで震える。けれど、さっきと違う震えだ。焦りの震えではなく、揺らぎの自覚。
彼女はノアの母親に目を向ける。「帰りなさい。子に粥を与え、温かい湯で手を洗い、寝かせなさい。それが、神の望むことよ」
母親は泣きながら頭を下げ、群衆が自然に道を開ける。
私はその背に、ノアの小さな影が飛び込むのを見た。
よかった。
私は胸の奥で小さく口を結び、リリアの方へ戻る。
「ありがとう」
「言わないで。私はあなたを許していない」
「私も、私を許していない」
「……救いのない会話ね」
「続きは、あとで」
神官の列が再び整い、警備の兵が私を睨む。私はフードをかぶり直し、裏路地へ引いた。背中に刺さる視線をやり過ごし、角を曲がる。
細い路地の奥で、ノアが待っていた。彼女は私に駆け寄り、勢いで抱きついた。体は軽い。軽さは、守るべきものの重さだ。
「ありがとう!」
「ううん。あなたがえらかった。待てたから」
「こわかった」
「こわいのは、命がある証拠」
ノアは私の服の裾を強く握り、顔を上げた。「どこに行くの」
「東の谷。光の濁りを見に」
「帰ってくる?」
「帰りたい場所があるから、帰ってくる」
言いながら、自分の声に驚いた。
帰りたい場所――胸の中で、その輪郭が黒曜の手触りで浮かぶ。尖塔の風、塔の踊り場、欠けのあるカップ二つ。
私はノアの手を離し、背筋を伸ばした。
「ノア。お母さんに伝えて。塩は少し、湯は多め、粥の粒は小さく。笑いは大きく」
「わかった!」
ノアが走っていく。小さな靴音が路地をはね、冬の光の中へ消える。
私は深呼吸をし、神殿から少し離れた坂を下った。広場の喧騒は背中でまだ続いている。けれど、先ほどの焦げた匂いは薄い。
“暴走した光”は、恐怖の影で肥え太る。
なら、影を小さくしていけばいい。
恐れは名前を欲しがる。
私は、恐れに別の名前を与える。
――待つ。触れる。温度を合わせる。
祈りの手順に、街の手順を重ねる。
路地の角を曲がったところで、背中に冷たい気配。
尾行。
私は足を止めず、屋根の軒と影の距離を測り、古い雨樋の位置を記憶の地図から引き出す。
曲がる。滑る。身を薄くする。
追う足音がふたつ、三つ。剣ではなく、細い棒を持った音。教会の私兵か。
私は古い倉庫の扉を押し、内へ滑り込んだ。埃の匂い。箱の山。窓のない空間。
追っ手が扉を開けるより先に、私は反対側の小扉から外へ抜ける。
外は、洗濯物の間を渡る狭い空だ。
息を整える。
胸の奥の光が、まだ穏やかな温度で灯っている。
あれが消えないうちに、東へ。
私はフードを深くかぶり直し、裏通りから裏通りへ、川のように街を抜けた。
街が変わったのか、私が変わったのか。
どちらでもいい。
変わったのなら、戻せる。
戻らないのなら、新しくできる。
祈りは、そのどちらにも使える。
門の影が近づく。
私は最後に一度だけ振り返った。尖塔の先、薄く揺れる光。
リリア。
あなたは、まだ炎の側に立っている。
なら、私は水になる。
熱を奪わず、温度を戻す水。
そのために私は、奪われたのではなく、分けたのだ。
あの朝、気づけなかった事実が、いまやっと形になる。
胸が痛い。
けれど、その痛みは、腐りかけた傷を洗う痛みだ。
私は息を吐き、門の外へ出た。
東の空は白く、風はかすかに甘い。霧の匂いが混ざる前の、冬の清澄。
私のせいで歪んでしまった国に、私の手の届く小さな直し方で。
まずは、一歩。
そして、もう一歩。
足音は薄く、心音ははっきり。
私は、王都の裏通りを置いて、東へ向かった。
5
あなたにおすすめの小説
捨てられた聖女、自棄になって誘拐されてみたら、なぜか皇太子に溺愛されています
h.h
恋愛
「偽物の聖女であるお前に用はない!」婚約者である王子は、隣に新しい聖女だという女を侍らせてリゼットを睨みつけた。呆然として何も言えず、着の身着のまま放り出されたリゼットは、その夜、謎の男に誘拐される。
自棄なって自ら誘拐犯の青年についていくことを決めたリゼットだったが。連れて行かれたのは、隣国の帝国だった。
しかもなぜか誘拐犯はやけに慕われていて、そのまま皇帝の元へ連れて行かれ━━?
「おかえりなさいませ、皇太子殿下」
「は? 皇太子? 誰が?」
「俺と婚約してほしいんだが」
「はい?」
なぜか皇太子に溺愛されることなったリゼットの運命は……。
役立たずと追放された聖女は、第二の人生で薬師として静かに輝く
腐ったバナナ
ファンタジー
「お前は役立たずだ」
――そう言われ、聖女カリナは宮廷から追放された。
癒やしの力は弱く、誰からも冷遇され続けた日々。
居場所を失った彼女は、静かな田舎の村へ向かう。
しかしそこで出会ったのは、病に苦しむ人々、薬草を必要とする生活、そして彼女をまっすぐ信じてくれる村人たちだった。
小さな治療を重ねるうちに、カリナは“ただの役立たず”ではなく「薬師」としての価値を見いだしていく。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
婚約破棄されたら、実はわたし聖女でした~捨てられ令嬢は神殿に迎えられ、元婚約者は断罪される~
腐ったバナナ
ファンタジー
「地味で役立たずな令嬢」――そう婚約者に笑われ、社交パーティで公開婚約破棄されたエリス。
誰も味方はいない、絶望の夜。だがそのとき、神殿の大神官が告げた。「彼女こそ真の聖女だ」と――。
一夜にして立場は逆転。かつて自分を捨てた婚約者は社交界から孤立し、失態をさらす。
傷ついた心を抱えながらも、エリスは新たな力を手に、国を救う奇跡を起こし、人々の尊敬を勝ち取っていく。
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!
隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。
※三章からバトル多めです。
『「毒草師」と追放された私、実は本当の「浄化の聖女」でした。瘴気の森を開拓して、モフモフのコハクと魔王様と幸せになります。』
とびぃ
ファンタジー
【全体的に修正しました】
アステル王国の伯爵令嬢にして王宮園芸師のエリアーナは、「植物の声を聴く」特別な力で、聖女レティシアの「浄化」の儀式を影から支える重要な役割を担っていた。しかし、その力と才能を妬んだ偽りの聖女レティシアと、彼女に盲信する愚かな王太子殿下によって、エリアーナは「聖女を不快にさせた罪」という理不尽極まりない罪状と「毒草師」の汚名を着せられ、生きては戻れぬ死の地──瘴気の森へと追放されてしまう。
聖域の発見と運命の出会い
絶望の淵で、エリアーナは自らの「植物の力を引き出す」力が、瘴気を無効化する「聖なる盾」となることに気づく。森の中で清浄な小川を見つけ、そこで自らの力と知識を惜しみなく使い、泥だらけの作業着のまま、生きるための小さな「聖域」を作り上げていく。そして、運命はエリアーナに最愛の家族を与える。瘴気の澱みで力尽きていた伝説の聖獣カーバンクルを、彼女の浄化の力と薬草師の知識で救出。エリアーナは、そのモフモフな聖獣にコハクと名付け、最強の相棒を得る。
魔王の渇望、そして求婚へ
最高のざまぁと、深い愛と、モフモフな癒やしが詰まった、大逆転ロマンスファンタジー、堂々開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる