【石のやっさん旧作】勇者に寝取られた幼馴染が銅貨3枚で売られていた。

石のやっさん

文字の大きさ
8 / 28

怒られた。

しおりを挟む
静止を掛けたままのリリを抱き抱え、湯船につけた。

最初はシャワーを使い、体を洗おうと思ったが…かなり体に色々な物がこびり付いていたのに気がつき、ふやかそうと思った。

リリを漬けた湯船の水がドブ以上に汚くなり…さっきの部屋の臭いに近い異臭を放った。

直ぐにお湯を抜き、新しいお湯を入れ直した。

「リリ、このままお湯につかっていて」

「あうあうわぁぁぁぁーーー」

言葉は話せない…だが昔のリリはお風呂が好きだった。

体には切り傷があるから、沁みて痛い筈だ。

だが、それでも…気持ちよさそうにリリがしている気がする。

何となくだが…ご機嫌そうに見えた。

暫く、湯船につかっていて貰おう。

「リリ…湯船に暫くつかっていて」

「ああうあうわ」

意味は解らないが、恐らく簡単な事なら理解している気がする。

完璧に壊れてしまっていたら、意味が解らない筈だ。

これは、リリなんだ、それが解り、少しだけ嬉しかった。

リリとの生活の為には、多分色々必要だ…買いそろえる必要があるな。


ふとドアの方に目をやるとメモが挟まっていた。

メモには…『手がすいたらフロントに来い』そう書かれていた。


◆◆◆

フロントに顔を出すと怒った形相の女性のゴブリンが居た。

この宿のおかみさん、ゴブミさんだ。

「あのリヒトくん、市場で壺を買ったんだって」

「はい」

「壺を割ったでしょう? さっき他のお客様から、異臭がするってクレームが入ったのよ」

確かに凄い異臭がした…此処は宿屋だ。

割と高級だから、外までは臭わないと勝手に思っていた。

「ごめんなさい」

「まぁ良いわ、主人が今謝りにいっている、今日は運よく1客しか居ないから…それでどうする?」

「俺も謝りに行ってきます」

「そう…今後の話は、それが終わってから話そうか?」

「はい」

俺は部屋の番号を聞くと直ぐに走って

「リヒト君、危ないから走らない」

「はい…すみません」

部屋に近づくとドアの所で、ゴブリンがヒツジ頭の魔族に頭を下げていた。

「申し訳ありません」

「私は怒っているのでありません、理由を聞いているのです」

「すみません、俺が悪いんです」

「君は?」

「今回の異臭の原因を作った者です」

「そうかい…理由を聞いて良いかい?」

「その…壺を割りました」

「ほぉう…その年で壺を買ったのか?」

何だか…変な目で見られている気がするな。

「はい」

「それで、君は、その壺に入っていた人間を奴隷兼ペットにするのかい? それとも食べるのかい?」

正直に話すべきだな。

「飼うつもりです」

リリごめん。

「そうか…君は魔族としてはまだ子供、赤子に近い、だからこれで良い、許してやるよ。それに似た様な趣味を持っていそうだから、将来仲良くなるかも知れぬ。 だから、少し教えてやるよ。 壺入りの奴隷は汚いから、外で壺を割るんだ、川の近くがベスト。そうすれば、取り敢えず川で体を洗えるだろう?」

確かにそうだ。

「確かにそうですね」

「ああっ、後な、大体が手に負えない位汚いから、その後に冒険者ギルドで『洗体』を依頼するんだ」

「洗体ですか?」

「何だ、そんな事も知らないのか? 冒険者ギルドで『洗体』という依頼を出す事も出来る。まぁ体の大きなオークやオーガがさっぱりしたい時に頼む依頼だ…その時にちゃんと洗う相手が人間だと言う事を言うんだぞ、そうしないとトラブルになるからな」

「教えて頂き、有難うございます」

「まだだ、それが終わったら、次は神官を呼ぶ必要がある…壺に入って売られる様な人間は不衛生で病気持ちも多い、オークの使った奴は確実に性病持ちだ…治療した方が良いぞ…言って置くが教会に行くなよ…これも冒険者ギルドに代行を頼むんだ」

可笑しいな…教会は性病は治してくれない筈だ、それにオークは性病となにか関係があるのか?

「教会は性病を治してくれなくて…オークは性病と関係があるのですか」

「ハァ~誰がそんな事言ったんだ、邪神官様は性病も治してくれるし、オークやゴブリンは性病に強いから、そんなのお構いなしにやっているから非常に危ない」

そうか…教会に祀られているのは女神じゃ無くて邪神…だからもう関係ないんだ。

「なにから、何まで有難うございます」

「お前は子供だ…しかも壺を買う位だから親も居ないのだろう…知識が何のは仕方ない…これからは、ちゃんと考えて行動するんだぞ」

「本当にすみませんでした」

「最後に、人間だって生き物なんだ、飼った以上は責任もって育てるんだぞ」

「はい」

「まぁ、私も昔人間を飼った事がある…人間は寿命が短いから、悲しい別れになってもう飼わないと決めたんだ…まぁ頑張って育てるんだぞ、少年」

「有難うございました」

そうか…今の神官はそうだよな、邪神を信仰しているんだよな…

それなら、お金さえ払えば、リリは元に戻るかも知れない。

女神は処女神だからか性に対する事に魔法は効かない。

邪神なら多分、そんな事は無い。

多分、きっと治してくれる。


◆◆◆

「それでね、リヒト君、こう言う事は次からちゃんと聞いてからにしてね」

「そうだ、人間を飼うなら…言ってくれないと、宿屋によっては飼育不可の所もあるんだ」

「すみません」

「それでな、うちはOKだが、料金が1.5倍になる、大丈夫か?」

「はい、それでお願いします」

「あと、部屋の方なんだけど、冒険者ギルドに頼んで清掃するから、その金額も負担してもらいます。いいですね」

まぁ、あそこ迄汚しちゃそりゃそうだ…

「勿論、払います、ご安心下さい、それでギルドに頼むのでしたら、先程の方から聞いた方の手配もお願いできますか?」

「なに、それ」

「ああっ、ちゃんと払ってくれるなら構わない」

ご主人が、奥さんに説明してくれた。

「「それじゃ、これからも宜しく」」

「本当にお手数を掛けました」

部屋に帰ると…リリがのぼせた状態で湯船につかっていた。

「ごめん、リリ」

「ううぅーーぅううーーっ」

少しのぼせて顔が赤いリリが凄く可愛らしく見えた。


魔王様は怖い事を言っていたが...魔族の方が人間より優しく感じるのは何故だ...







しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

処理中です...