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5 初デート
5-5
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「つまんない。お前、何もかも完璧すぎ」
俺は賑やかな境内を歩きながら、有馬に負け惜しみを言う。
だって、ずるくないか?
顔がよくて、頭もよくて、運動もできる。それで射的までうまかったら神さまは有馬に何もかもを与えすぎだ。
こんなのかっこよすぎるだろ。……彼氏としては完璧なんだろうけど。
「ごめん。俺が勝っちゃって」
「うわーっ! 煽ってくるなー!」
本当の本当に、俺は射的が得意だったんだって。得意分野で負けることの悔しいことったらない。
「これあげるから機嫌直して」
有馬はさっき景品としてゲットしたシガレットを俺に手渡してきた。
俺がずっと狙ってて欲しかったものを、有馬が取ってくれた。
「……あ、ありがとう」
本当はめっちゃ嬉しい。でも負けた俺はどこか素直になれず、可愛くない反応しかできない。
そんな俺を見ても、有馬は一切、怒らない。
「あとたこ焼きもつける。あれ、おいしそう。半分こしよ」
有馬はたこ焼きの屋台へと向かっていく。で、たこ焼きをひと皿買ってきて「一緒に食べよう」と俺の目の前に突き出してきた。
誘惑がやばい。ソースとカツオ節とが相まったおいしそうな匂いがたまらない。
「これいくら? 半分、払うよ」
「いい。これくらい気にするな」
有馬は竹串をタコ焼きに刺して、俺に食べさせようとする。
「ほら、口開けて。大丈夫。そんなに熱くない」
俺は誘惑に負けてたこ焼きをパクリと食べる。口の中にソースの旨味と生地のふわふわ感が広がって、最高の気分になる。
「うっま! タコがデカい」
俺ね、お好み焼き好きなんだけど、たこ焼きも好きなんだよね。
「機嫌直るの、早っ。もう笑ってる」
「しょうがないだろ、おいしいんだから」
「たこ焼きひとつで懐柔されるなんてチョロすぎるだろ」
有馬は俺を見て爆笑している。こんなに楽しそうな有馬、初めて見たな。
「やっぱ、七沢って面白いな」
「なんだよ、うりゃ!」
俺はお返しに竹串に刺したたこ焼きを有馬に食わせようとする。
有馬は嫌がるかと思ったのに、素直に俺の手からたこ焼きを食べた。
「本当だ。おいしい。七沢に食べさせてもらうと格別」
さっきまで子どもみたいに笑ってたのに、今度は有馬は俺を誘うような目つきでまっすぐに見つめてくる。
無邪気な有馬も好きだけど、大人っぽく見える有馬にドキッとする。
いろんな表情見せるのやめろよ。俺はそのギャップにさっきから感情乱れまくりだよ。
「もう一回、俺に食べさせて」
俺を試すような有馬の扇情的な視線。
有馬の色香にグラッとする。
やばい。
俺、今、有馬の微笑みに心を撃ち抜かれた。
あぁ、俺、やっぱり有馬が好き。有馬を知れば知るほど、強く惹かれていく。
ダメダメダメだって。
落ち着け、俺!
俺は必死で理性を取り戻す。
「このくらい自分で食えよっ」
俺は持っていた竹串でたこ焼きを刺し、自分の口に運ぶ。
これ以上有馬に食べさせられないよ。
だって俺の気持ちが限界なんだ。有馬と食べさせ合いなんてしたら、俺の感情メーターは振り切れる。なんか、恋人同士みたいで、恥ずかしくて照れくさくて、耐えられそうにない。
「あーあ、フラれた」
有馬は今度は主人に今日は散歩に行けないよって言われてしょげてる犬みたいな顔をしている。
そんなに食べさせてもらいたかったのかよ。
ホントだからやめろって。
俺の知らない有馬の表情を見るたびに、俺の心拍数は大変なことになるんだから!
俺は賑やかな境内を歩きながら、有馬に負け惜しみを言う。
だって、ずるくないか?
顔がよくて、頭もよくて、運動もできる。それで射的までうまかったら神さまは有馬に何もかもを与えすぎだ。
こんなのかっこよすぎるだろ。……彼氏としては完璧なんだろうけど。
「ごめん。俺が勝っちゃって」
「うわーっ! 煽ってくるなー!」
本当の本当に、俺は射的が得意だったんだって。得意分野で負けることの悔しいことったらない。
「これあげるから機嫌直して」
有馬はさっき景品としてゲットしたシガレットを俺に手渡してきた。
俺がずっと狙ってて欲しかったものを、有馬が取ってくれた。
「……あ、ありがとう」
本当はめっちゃ嬉しい。でも負けた俺はどこか素直になれず、可愛くない反応しかできない。
そんな俺を見ても、有馬は一切、怒らない。
「あとたこ焼きもつける。あれ、おいしそう。半分こしよ」
有馬はたこ焼きの屋台へと向かっていく。で、たこ焼きをひと皿買ってきて「一緒に食べよう」と俺の目の前に突き出してきた。
誘惑がやばい。ソースとカツオ節とが相まったおいしそうな匂いがたまらない。
「これいくら? 半分、払うよ」
「いい。これくらい気にするな」
有馬は竹串をタコ焼きに刺して、俺に食べさせようとする。
「ほら、口開けて。大丈夫。そんなに熱くない」
俺は誘惑に負けてたこ焼きをパクリと食べる。口の中にソースの旨味と生地のふわふわ感が広がって、最高の気分になる。
「うっま! タコがデカい」
俺ね、お好み焼き好きなんだけど、たこ焼きも好きなんだよね。
「機嫌直るの、早っ。もう笑ってる」
「しょうがないだろ、おいしいんだから」
「たこ焼きひとつで懐柔されるなんてチョロすぎるだろ」
有馬は俺を見て爆笑している。こんなに楽しそうな有馬、初めて見たな。
「やっぱ、七沢って面白いな」
「なんだよ、うりゃ!」
俺はお返しに竹串に刺したたこ焼きを有馬に食わせようとする。
有馬は嫌がるかと思ったのに、素直に俺の手からたこ焼きを食べた。
「本当だ。おいしい。七沢に食べさせてもらうと格別」
さっきまで子どもみたいに笑ってたのに、今度は有馬は俺を誘うような目つきでまっすぐに見つめてくる。
無邪気な有馬も好きだけど、大人っぽく見える有馬にドキッとする。
いろんな表情見せるのやめろよ。俺はそのギャップにさっきから感情乱れまくりだよ。
「もう一回、俺に食べさせて」
俺を試すような有馬の扇情的な視線。
有馬の色香にグラッとする。
やばい。
俺、今、有馬の微笑みに心を撃ち抜かれた。
あぁ、俺、やっぱり有馬が好き。有馬を知れば知るほど、強く惹かれていく。
ダメダメダメだって。
落ち着け、俺!
俺は必死で理性を取り戻す。
「このくらい自分で食えよっ」
俺は持っていた竹串でたこ焼きを刺し、自分の口に運ぶ。
これ以上有馬に食べさせられないよ。
だって俺の気持ちが限界なんだ。有馬と食べさせ合いなんてしたら、俺の感情メーターは振り切れる。なんか、恋人同士みたいで、恥ずかしくて照れくさくて、耐えられそうにない。
「あーあ、フラれた」
有馬は今度は主人に今日は散歩に行けないよって言われてしょげてる犬みたいな顔をしている。
そんなに食べさせてもらいたかったのかよ。
ホントだからやめろって。
俺の知らない有馬の表情を見るたびに、俺の心拍数は大変なことになるんだから!
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