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5 初デート
5-6
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「あった、あった! シロップかけ放題のかき氷屋」
たくさんの露店の中にはかき氷の店がいくつもあるんだけど、俺の狙いはこれ。シロップかけ放題タイプのかき氷屋さん。
お金を払ってまっさらなかき氷を受け取った俺は、色とりどりのシロップが並んでいるところへ行く。
俺は今回はイチゴとメロンとブルーハワイ。場所を分ければ三色まではいけると思う。そのほうがいろんな味が食べられて楽しいから。
ピンク、緑、青の三色かき氷を持って有馬のもとへと戻る。
そこで見たのは、有馬が二人組の浴衣の女性に声をかけられている姿だ。
紺色の浴衣の女性が、有馬にスマホを見せて積極的に話している。有馬が首を横に振ってもなかなか離れない。
あれ絶対ナンパだろ。
有馬がかっこいいからだ。俺がちょっと目を離した隙に、有馬を狙いやがって。
俺はズカズカと有馬のもとへと歩いていく。
「ごめん、待たせたな!」
そこに遠慮なんてない。わざと有馬と浴衣の女性二人組のあいだに割って入る。浴衣の女性はいきなりの俺の登場に、はっきりと嫌な顔をした。
「誰? お前の知り合い?」
俺はわざと有馬に聞く。
相手は大学生くらいに見える。年上女性と有馬が知り合いなわけないってもちろんわかってる。
「いや、知らない人……」
「はっ? 知らない人っ? なんすか、道でも迷ったんすか」
これもわざと。だってお祭りに来て道に迷うとかないだろ。
「いっ、いえ、大丈夫ですっ」
二人組の女性はばつが悪そうにして、有馬のもとから離れていった。
よし。追っ払い作戦成功。
有馬にしつこくするな!
「有馬、ナンパされてたんだろ」
「うん。連絡先教えてって」
「やっぱりな。有馬はかっこいいからすぐに狙われちゃうよな」
俺は慰めるように有馬の肩を叩く。
「女の人だし、なんか、邪険にできなくて……」
だろうね。そんな感じだった。
逆だったら無視して冷たくあしらってもいいけど、男が女の人にそんなことをするのは気が引ける気持ちは俺にもわかる。
「ありがとう。七沢に助けられるとは思わなかった」
「俺、図々しいからね。モテるのも羨ましいなと思うけど、それはそれで大変なんだな」
「相手を傷つけずにうまく断る方法を考えなきゃ」
「そうだね」
ちなみに俺は自慢じゃないが、女の人からナンパされた経験など皆無だ。有馬はうまく断る練習をしたほうがいいと思うけど、悲しいかな俺には必要ないだろう。
「ごめんごめん。これからは有馬をひとりにしないようにする。俺と一緒にいような」
俺が明るく言ったのに、有馬は静かに頷いただけだ。
どうしたんだろう。
さっきのことで、ちょっと疲れたのかな。
たくさんの露店の中にはかき氷の店がいくつもあるんだけど、俺の狙いはこれ。シロップかけ放題タイプのかき氷屋さん。
お金を払ってまっさらなかき氷を受け取った俺は、色とりどりのシロップが並んでいるところへ行く。
俺は今回はイチゴとメロンとブルーハワイ。場所を分ければ三色まではいけると思う。そのほうがいろんな味が食べられて楽しいから。
ピンク、緑、青の三色かき氷を持って有馬のもとへと戻る。
そこで見たのは、有馬が二人組の浴衣の女性に声をかけられている姿だ。
紺色の浴衣の女性が、有馬にスマホを見せて積極的に話している。有馬が首を横に振ってもなかなか離れない。
あれ絶対ナンパだろ。
有馬がかっこいいからだ。俺がちょっと目を離した隙に、有馬を狙いやがって。
俺はズカズカと有馬のもとへと歩いていく。
「ごめん、待たせたな!」
そこに遠慮なんてない。わざと有馬と浴衣の女性二人組のあいだに割って入る。浴衣の女性はいきなりの俺の登場に、はっきりと嫌な顔をした。
「誰? お前の知り合い?」
俺はわざと有馬に聞く。
相手は大学生くらいに見える。年上女性と有馬が知り合いなわけないってもちろんわかってる。
「いや、知らない人……」
「はっ? 知らない人っ? なんすか、道でも迷ったんすか」
これもわざと。だってお祭りに来て道に迷うとかないだろ。
「いっ、いえ、大丈夫ですっ」
二人組の女性はばつが悪そうにして、有馬のもとから離れていった。
よし。追っ払い作戦成功。
有馬にしつこくするな!
「有馬、ナンパされてたんだろ」
「うん。連絡先教えてって」
「やっぱりな。有馬はかっこいいからすぐに狙われちゃうよな」
俺は慰めるように有馬の肩を叩く。
「女の人だし、なんか、邪険にできなくて……」
だろうね。そんな感じだった。
逆だったら無視して冷たくあしらってもいいけど、男が女の人にそんなことをするのは気が引ける気持ちは俺にもわかる。
「ありがとう。七沢に助けられるとは思わなかった」
「俺、図々しいからね。モテるのも羨ましいなと思うけど、それはそれで大変なんだな」
「相手を傷つけずにうまく断る方法を考えなきゃ」
「そうだね」
ちなみに俺は自慢じゃないが、女の人からナンパされた経験など皆無だ。有馬はうまく断る練習をしたほうがいいと思うけど、悲しいかな俺には必要ないだろう。
「ごめんごめん。これからは有馬をひとりにしないようにする。俺と一緒にいような」
俺が明るく言ったのに、有馬は静かに頷いただけだ。
どうしたんだろう。
さっきのことで、ちょっと疲れたのかな。
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