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花街三日目
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周りに気づかれないよう、マルスは花街を行き交う人を観察していた。
(確実に疲労が溜まっていっている…)
寝不足を感じつつ、目線は花街から外すことなく見続けている。
(いないな…毎日も来ていないのか?王の情報に間違いないはずだが…)
「おい、お前。男娼か?」
ガタイがよく、目が吊り上がった男が無愛想に声をかけてきた。ノルファよりも身長が高く、首がつりそうだ。
「すみません、花持ちなんです」
「花持ち?なんだ?」
「すでに相手がいるってことです。すみませんが、他をあたってください」
(花持ちを知らないのか…関わると面倒くさそうだ)
踵を返しその場を立ち去ろうとするが、男はマルスの肩に腕を絡ませてきた。
「俺はお前が気に入ったんだ。可愛がってやるから俺と来い!」
「可愛がらなくていいです、離して下さい。花持ちに手を出すのはルール違反ですよ」
「うるさい!」
ググッと首元を力強く腕で締め上げられ、マルスの足が地面から少し浮いた。
(こいつ、俺を気絶させる気か。こういう力技ばかりの馬鹿は、痛い目を見ないと分からないのが多い。どうしてやろうか…)
手加減を知らない男に殺気を出しつつ、ベルトに隠してある短剣へと手を伸ばす。
「何をしている、ヤオラ」
後ろから声をかけられ、男は勢いよくマルスごと振り返った。ノルファと視線が合ったが、すぐに外され鋭い視線を男に向けている。
「第二副団長!?」
「そいつを離せ」
「すんませんが、コレは俺が今買ったんで。なぁ?」
男がニヤニヤしながら顔近くまで寄ってきたので、マルスは顔を背けた。
「ヤオラ、俺を怒らせる気か?」
「あとから来たのは、第二副団長だろ。大体、俺の直属は第五騎士団なんで、第二副団長の命令を聞く道理はないな。ああ、俺が使った後でよかったら渡してやりますぜ」
「…そうか。では、その腕を一本折っても文句はないな」
バギリッと鈍く嫌な音がマルスの横で鳴った。ノルファが握力で男の腕を折ったのだ。
「ぎゃあああああ!!!!!」
男が離すと同時にノルファはマルスを抱き寄せた。さっき外された視線がかえってくる。
「マルス」
「ん!?」
突然頭の後ろを掴まれ、ノルファが唇を重ねてきた。無理矢理入ってきた舌に身体がビクッと反応するが、逃がしてはもらえない。
「んっ…んぅっ…」
なんの反抗も出来ないまま、口内を貪られ、声だけが漏れる。奥まで深く侵入してくる舌が熱い。絡めとられ、もうどちらの唾液なのか分からない。
「は…ぁっ」
ようやく唇を離してもらえるが、マルスは何も考えられなかった。過呼吸で倒れないように目の前の身体に縋りつく。
「…こいつは俺のモノだ。二度と近寄るな」
顔を歪めながらこちらを見ている男に、ノルファが吐き捨てるように言い放った。
「行け」
ううっと唸り声をあげながら、その男は去って行った。周囲がざわついていたが、きっと痴情のもつれに見えているだろう…
いまだにノルファの腕の中にいるマルスは、恥ずかしさで顔を上げられずにいた。
「耳まで真っ赤だな」
見上げるとノルファと視線が合い、先ほどの出来事が蘇った。とりあえず、言っておくことがある。
「…一度、思いきり殴らせてもらってもいいですか?」
ノルファが優しく微笑んできた。これは了承したと捉えていいのだろうか?
「すまない、実はこういう事が起こるであろうことは予想していた。花街は他の団員も遊びにきている。いずれは、他の団員に絡まれるだろうと思ったから、花街にくるなと言ったんだ」
「そうですか…」
落ち着かせるためか、ノルファが頭を撫でてきた。鍛えられた手とは思えないほど、とても優しい。
「まぁ、それは建前だな…俺自身がマルスに行ってほしくなかったんだ」
憂いを帯びた黒い瞳が、マルスの心を掻き乱す。何も言えず、ひたすら黒い瞳を見続ける。
本当は、なんとなく頭の片隅で分かっていたのかも知れない。ノルファが俺をどう想っているのか……
「…お前が好きなんだ、マルス」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
フラフラと歩きながら、マルスは魔導士団へと向かっていた。
(今までのノルファの言動は、俺のことが好きだったからだと納得できたが…なんで、俺?)
突然の告白に返事をせずにいたら「俺ではダメか?」とノルファが懇願してきた。ダメも何も、どうしていいか分からない。
しかもその後、花持ちの相手として一緒に立ってもらっている間―――
「マルスの真っ直ぐ見つめてくる瞳が好きだ」
「勝ち気な所が可愛い」
「笑った顔を独り占めしたい」
ノルファがひたすら俺に愛を囁いてきた。その度、髪に唇を寄せてきたり、頬を撫でてきたり…
脚を絡めてきた時は、さすがに膝を蹴ってやった。
そして「何もしない」の誘い文句で、また宿に連れていかれ、隣同士で一緒に寝た。
ノルファは案の定、すぐに眠ってしまった。好きだと言った相手が隣にいるのに眠れるとか…本当に俺のことが好きなのか?
俺はもちろん、朝まで眠れなかった…
身体が怠かったが、朝の日課なので鍛錬はもちろんやった。途中から来たノルファが俺の体調を気遣ってくれていたが、かけてくる言葉はどれも甘かった。
俺への好意を口にした途端、ノルファのタガが外れたのを身をもって知った。
(もう、いろんな意味で、これ以上ないくらいクタクタだ)
扉に辿り着いたマルスは、ドアノブを回し部屋へ入った。もちろん、いつもの如くトゥルーカが抱きついてこようとしたのが見えた。
「おはよう、マルス~」
普段なら軽くあしらうマルスだが、払う気力も出ないため、勢いそのままにドタンッと仰向けに倒れてしまった。
「え!?ええ!?だ、大丈夫~?」
「お、重い…」
「どうしたマルス?」
「顔色悪いぞ?寝てないのか?」
倒れた音に驚いて、魔導師達が集まってきた。周りが心配するほどマルスの顔には、くっきりと目の下にクマが出来ていた。
「大丈夫です…ちょっと考え事があって、眠れてないだけですから」
「無理するなよ?寝不足は、魔法ではどうにもできないからな」
「マルス、ちょっと休んでなよ~」
椅子とタオルを持ってきたトゥルーカが、マルスを座らせる。額に冷えたタオルを乗せて、心配そうにマルスの顔を覗き込んだ。
「ごめんな~、まさか倒れるとは思わなくて…」
「気にするな。タオル、ありがとな。しばらく休んでからみんなの所に行くから」
「わかった。本当、無理しちゃダメだからな~」
何度も振り返りながら、みんなの所へ向かうトゥルーカに手を振ってやる。
(タオルが冷たくて気持ちいい…)
天井を見上げていると、フワッと小さい光が飛んできてパチッと弾けたのが見えた。他の人には見えない、呼び出しの合図だ。
(ああ…兄上が呼んでいる)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「顔色が悪いようですが、大丈夫なのですか?」
「大丈夫です」
椅子に腰掛けたままの宰相が、手を組んでマルスを見ていた。マルスは俯いたまま向かい合わせに立ち、宰相を見ようとはしない。
「我らが王が、王命を完遂されるのを待っています。何か掴めましたか?」
「…すみません、まだ何も……」
ハァと小さくため息をついた声にビクッとマルスの身体が反応した。落胆する気配が漂っているのを感じ、マルスは身を固くした。
「いつも此方が望む以上の働きを貴方はしてくれますが、今回は遅いですね…もう四日目ですよ?」
「花街は、人が多く――」
「言い訳は聞きたくないですよ、マルス」
宰相がピシャリとマルスの言葉をはねつけた。コツコツと指で机を叩く音が響いてくる。
「貴方がやるべき事は、王が求めるモノを差し出すことだけです」
「…はい」
「王命に従って動きなさい。早急にです」
言葉を強調され、マルスは顔を上げた。自分と同じ緑色の瞳が「はい」以外の言葉を許そうとはしない。
「仰せのままに…」
「行きなさい」
頭を下げ、部屋を退出する。マルスはギュッと握り拳を作り、手の震えを抑えた。
(ああ…ノルファと出逢ってからだな…何もかもが上手くいかなくなったのは……)
これまで王命を素早く遂行していたマルスにとって、普段通りにいかなかったのは今回が初めてだった。
寝不足もあいまって、押さえていたイライラと憎悪にも似た感情が心に溢れるのをマルスは感じた。
(確実に疲労が溜まっていっている…)
寝不足を感じつつ、目線は花街から外すことなく見続けている。
(いないな…毎日も来ていないのか?王の情報に間違いないはずだが…)
「おい、お前。男娼か?」
ガタイがよく、目が吊り上がった男が無愛想に声をかけてきた。ノルファよりも身長が高く、首がつりそうだ。
「すみません、花持ちなんです」
「花持ち?なんだ?」
「すでに相手がいるってことです。すみませんが、他をあたってください」
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「俺はお前が気に入ったんだ。可愛がってやるから俺と来い!」
「可愛がらなくていいです、離して下さい。花持ちに手を出すのはルール違反ですよ」
「うるさい!」
ググッと首元を力強く腕で締め上げられ、マルスの足が地面から少し浮いた。
(こいつ、俺を気絶させる気か。こういう力技ばかりの馬鹿は、痛い目を見ないと分からないのが多い。どうしてやろうか…)
手加減を知らない男に殺気を出しつつ、ベルトに隠してある短剣へと手を伸ばす。
「何をしている、ヤオラ」
後ろから声をかけられ、男は勢いよくマルスごと振り返った。ノルファと視線が合ったが、すぐに外され鋭い視線を男に向けている。
「第二副団長!?」
「そいつを離せ」
「すんませんが、コレは俺が今買ったんで。なぁ?」
男がニヤニヤしながら顔近くまで寄ってきたので、マルスは顔を背けた。
「ヤオラ、俺を怒らせる気か?」
「あとから来たのは、第二副団長だろ。大体、俺の直属は第五騎士団なんで、第二副団長の命令を聞く道理はないな。ああ、俺が使った後でよかったら渡してやりますぜ」
「…そうか。では、その腕を一本折っても文句はないな」
バギリッと鈍く嫌な音がマルスの横で鳴った。ノルファが握力で男の腕を折ったのだ。
「ぎゃあああああ!!!!!」
男が離すと同時にノルファはマルスを抱き寄せた。さっき外された視線がかえってくる。
「マルス」
「ん!?」
突然頭の後ろを掴まれ、ノルファが唇を重ねてきた。無理矢理入ってきた舌に身体がビクッと反応するが、逃がしてはもらえない。
「んっ…んぅっ…」
なんの反抗も出来ないまま、口内を貪られ、声だけが漏れる。奥まで深く侵入してくる舌が熱い。絡めとられ、もうどちらの唾液なのか分からない。
「は…ぁっ」
ようやく唇を離してもらえるが、マルスは何も考えられなかった。過呼吸で倒れないように目の前の身体に縋りつく。
「…こいつは俺のモノだ。二度と近寄るな」
顔を歪めながらこちらを見ている男に、ノルファが吐き捨てるように言い放った。
「行け」
ううっと唸り声をあげながら、その男は去って行った。周囲がざわついていたが、きっと痴情のもつれに見えているだろう…
いまだにノルファの腕の中にいるマルスは、恥ずかしさで顔を上げられずにいた。
「耳まで真っ赤だな」
見上げるとノルファと視線が合い、先ほどの出来事が蘇った。とりあえず、言っておくことがある。
「…一度、思いきり殴らせてもらってもいいですか?」
ノルファが優しく微笑んできた。これは了承したと捉えていいのだろうか?
「すまない、実はこういう事が起こるであろうことは予想していた。花街は他の団員も遊びにきている。いずれは、他の団員に絡まれるだろうと思ったから、花街にくるなと言ったんだ」
「そうですか…」
落ち着かせるためか、ノルファが頭を撫でてきた。鍛えられた手とは思えないほど、とても優しい。
「まぁ、それは建前だな…俺自身がマルスに行ってほしくなかったんだ」
憂いを帯びた黒い瞳が、マルスの心を掻き乱す。何も言えず、ひたすら黒い瞳を見続ける。
本当は、なんとなく頭の片隅で分かっていたのかも知れない。ノルファが俺をどう想っているのか……
「…お前が好きなんだ、マルス」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
フラフラと歩きながら、マルスは魔導士団へと向かっていた。
(今までのノルファの言動は、俺のことが好きだったからだと納得できたが…なんで、俺?)
突然の告白に返事をせずにいたら「俺ではダメか?」とノルファが懇願してきた。ダメも何も、どうしていいか分からない。
しかもその後、花持ちの相手として一緒に立ってもらっている間―――
「マルスの真っ直ぐ見つめてくる瞳が好きだ」
「勝ち気な所が可愛い」
「笑った顔を独り占めしたい」
ノルファがひたすら俺に愛を囁いてきた。その度、髪に唇を寄せてきたり、頬を撫でてきたり…
脚を絡めてきた時は、さすがに膝を蹴ってやった。
そして「何もしない」の誘い文句で、また宿に連れていかれ、隣同士で一緒に寝た。
ノルファは案の定、すぐに眠ってしまった。好きだと言った相手が隣にいるのに眠れるとか…本当に俺のことが好きなのか?
俺はもちろん、朝まで眠れなかった…
身体が怠かったが、朝の日課なので鍛錬はもちろんやった。途中から来たノルファが俺の体調を気遣ってくれていたが、かけてくる言葉はどれも甘かった。
俺への好意を口にした途端、ノルファのタガが外れたのを身をもって知った。
(もう、いろんな意味で、これ以上ないくらいクタクタだ)
扉に辿り着いたマルスは、ドアノブを回し部屋へ入った。もちろん、いつもの如くトゥルーカが抱きついてこようとしたのが見えた。
「おはよう、マルス~」
普段なら軽くあしらうマルスだが、払う気力も出ないため、勢いそのままにドタンッと仰向けに倒れてしまった。
「え!?ええ!?だ、大丈夫~?」
「お、重い…」
「どうしたマルス?」
「顔色悪いぞ?寝てないのか?」
倒れた音に驚いて、魔導師達が集まってきた。周りが心配するほどマルスの顔には、くっきりと目の下にクマが出来ていた。
「大丈夫です…ちょっと考え事があって、眠れてないだけですから」
「無理するなよ?寝不足は、魔法ではどうにもできないからな」
「マルス、ちょっと休んでなよ~」
椅子とタオルを持ってきたトゥルーカが、マルスを座らせる。額に冷えたタオルを乗せて、心配そうにマルスの顔を覗き込んだ。
「ごめんな~、まさか倒れるとは思わなくて…」
「気にするな。タオル、ありがとな。しばらく休んでからみんなの所に行くから」
「わかった。本当、無理しちゃダメだからな~」
何度も振り返りながら、みんなの所へ向かうトゥルーカに手を振ってやる。
(タオルが冷たくて気持ちいい…)
天井を見上げていると、フワッと小さい光が飛んできてパチッと弾けたのが見えた。他の人には見えない、呼び出しの合図だ。
(ああ…兄上が呼んでいる)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「顔色が悪いようですが、大丈夫なのですか?」
「大丈夫です」
椅子に腰掛けたままの宰相が、手を組んでマルスを見ていた。マルスは俯いたまま向かい合わせに立ち、宰相を見ようとはしない。
「我らが王が、王命を完遂されるのを待っています。何か掴めましたか?」
「…すみません、まだ何も……」
ハァと小さくため息をついた声にビクッとマルスの身体が反応した。落胆する気配が漂っているのを感じ、マルスは身を固くした。
「いつも此方が望む以上の働きを貴方はしてくれますが、今回は遅いですね…もう四日目ですよ?」
「花街は、人が多く――」
「言い訳は聞きたくないですよ、マルス」
宰相がピシャリとマルスの言葉をはねつけた。コツコツと指で机を叩く音が響いてくる。
「貴方がやるべき事は、王が求めるモノを差し出すことだけです」
「…はい」
「王命に従って動きなさい。早急にです」
言葉を強調され、マルスは顔を上げた。自分と同じ緑色の瞳が「はい」以外の言葉を許そうとはしない。
「仰せのままに…」
「行きなさい」
頭を下げ、部屋を退出する。マルスはギュッと握り拳を作り、手の震えを抑えた。
(ああ…ノルファと出逢ってからだな…何もかもが上手くいかなくなったのは……)
これまで王命を素早く遂行していたマルスにとって、普段通りにいかなかったのは今回が初めてだった。
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